ブルックナー
交響曲第8番
指揮…ヴァント
演奏…ミュンヘンフィル
好み度…4.5(5点満点)
ヴァントといえば堅固で真っ直ぐ実直なイメージだが、晩年のこの演奏では奥深く滋味深い淡く光るような味わいといったものが加味されているようで、それまでのヴァントにあまり感じられなかったような大きさ美しさが感じられるようで感慨深い。
1年後のベルリンフィルとの盤との比較で語られることもあるようだが、堅固な緊張感と重みのベルリンフィル、艶と滲み出る美しさのミュンヘンフィル、といったところだろうか。
ベルリン盤のほうがブルックナーらしいかもしれないし、ミュンヘン盤のほうが味わい深いかもしれない。もうこのレベルではこの曲にどんなイメージを求めるかのちがいで好みがわかれるだけのように思う(タイム的には各楽章少しずつミュンヘン盤のほうが長く、聴いていてのイメージではむしろタイム以上のミュンヘン盤がゆったりしたテンポに聞こえる)。
静かな演奏というわけではない、むしろ終楽章での金管群の響きなど迫力と重みなど他盤を圧するくらいである。録音もすこぶる優秀。第2楽章がやや他のヴァントの盤と比べて緊張感が感じられないようなところはあるが、第3楽章のゆったり輝くような美しさ、終楽章の迫力と美しさは圧巻。
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