ベートーヴェン
交響曲第9番「合唱」
指揮…ミュンシュ
演奏…ボストン響
合唱…ニューイングランド音楽院合唱団 他
好み度…4.5(5点満点)
かつて「最も速い第九」と評されていたという盤。
第1楽章等確かに速めではある。ただ、特に慌しい印象は受けない。雄大な第九、ではないかもしれないが、激しい情熱的な力強さと推進力を持っていて、むしろセッションでこの熱感はたいしたものだと感じる。
ボストン響の腰のすわった太く古風な響きも合唱団の力強い響きも好感を感じ、ハイスピードの中でも決して雑になることなく力強く思い切りよく鳴って、アンサンブルもしっかり設計されてベートーヴェン的な世界もしっかりつくっているように感じる。
第1楽章はたたみかけるような速さで太く厳しく激しい。こういう第1楽章は他にはちょっとないかもしれないが、ベートーヴェンのイメージはむしろこうだったかも、とも思わせる情熱的な激しさを感じさせる。
第2楽章も激しいが、その激しさは崇高な雰囲気も漂うようでもある。通常第1楽章に比べ少し軽く大きさも少し小さめのイメージの楽章だが、第1楽章に負けない大きさと激しさの楽章としている。
第3楽章もかしこまることなく明るくのびのびとしたもの。爽やかな美しさが漂う。
終楽章冒頭の低弦の目いっぱいの音量(こんなに大きな音がでるものなのか?あるいは録音上なのだろうか?と思うくらい)の響きは第3楽章の爽やかな明るさとの決別か。ソリストものびのびと上手いし、重々しさとか崇高な広がりというのではないが高らかに力強い合唱はこの演奏に合っていて、管弦声楽相まってその爽やかで豪快な力強さはラストまで衰えない。
厳かとか、そういうタイプではないし、名演ともてはやされるような上品さや深遠さは持ち合わせていないが、血のかよった活力漲るような、それでいて勢いに任せるだけではない、しっかりした力強さに満ちた、これくらい長さを感じさせずに一気呵成に何だかあっという間に聴ける第九も他にないのではないだろうか。
交響曲第9番「合唱」
指揮…ミュンシュ
演奏…ボストン響
合唱…ニューイングランド音楽院合唱団 他
好み度…4.5(5点満点)
かつて「最も速い第九」と評されていたという盤。
第1楽章等確かに速めではある。ただ、特に慌しい印象は受けない。雄大な第九、ではないかもしれないが、激しい情熱的な力強さと推進力を持っていて、むしろセッションでこの熱感はたいしたものだと感じる。
ボストン響の腰のすわった太く古風な響きも合唱団の力強い響きも好感を感じ、ハイスピードの中でも決して雑になることなく力強く思い切りよく鳴って、アンサンブルもしっかり設計されてベートーヴェン的な世界もしっかりつくっているように感じる。
第1楽章はたたみかけるような速さで太く厳しく激しい。こういう第1楽章は他にはちょっとないかもしれないが、ベートーヴェンのイメージはむしろこうだったかも、とも思わせる情熱的な激しさを感じさせる。
第2楽章も激しいが、その激しさは崇高な雰囲気も漂うようでもある。通常第1楽章に比べ少し軽く大きさも少し小さめのイメージの楽章だが、第1楽章に負けない大きさと激しさの楽章としている。
第3楽章もかしこまることなく明るくのびのびとしたもの。爽やかな美しさが漂う。
終楽章冒頭の低弦の目いっぱいの音量(こんなに大きな音がでるものなのか?あるいは録音上なのだろうか?と思うくらい)の響きは第3楽章の爽やかな明るさとの決別か。ソリストものびのびと上手いし、重々しさとか崇高な広がりというのではないが高らかに力強い合唱はこの演奏に合っていて、管弦声楽相まってその爽やかで豪快な力強さはラストまで衰えない。
厳かとか、そういうタイプではないし、名演ともてはやされるような上品さや深遠さは持ち合わせていないが、血のかよった活力漲るような、それでいて勢いに任せるだけではない、しっかりした力強さに満ちた、これくらい長さを感じさせずに一気呵成に何だかあっという間に聴ける第九も他にないのではないだろうか。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます