好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番 カーゾン/クーベリック/バイエルン放送響

2021-06-05 17:29:17 | ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」&第4番
ベートーヴェン 
ピアノ協奏曲第4番

ピアノ…カーゾン 
指揮…クーベリック 
演奏…バイエルン 
好み度…5(点満点)

カーゾンのピアノはライブならではの熱も少し含んで濁らず、弱音部では余韻に情を引くように澄んで美しく、バイエルンの響きは、透き通るような透明感があって、それでいてどこか敬虔な深みを感じるような、活力ある響きで、やっぱりピアノ協奏曲は協奏曲なわけでオケの良し悪しも結構影響するよなぁ、と改めて思わせる。
第2楽章のピアノ・オケとも切ないほどの陰を漂わせた美しさも印象的。
ピアノもオケも、繊細とか作り物感とかでない、なんか、情も熱も含みつつとても自然で素直な美しさを感じさせる、そんな名演なのではないかと思う。


ブラームス 交響曲第1番 クーベリック/バイエルン放送響

2021-06-05 17:25:58 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番

指揮…クーベリック 
演奏…バイエルン放送響
好み度…4.5(5点満点)

力漲る圧倒感だったり推進力だったり、そういう演奏ではない。
ライナーノートにある「晴朗にみがかれたひびき」「ゆたかに成熟した銘酒のかおり」といった表現に頷けるような演奏のように思う。
第1楽章の反復があるとはいえ49分35秒はゆっくりしたテンポと思うし、これもライナーノートに表現を借りれば「指揮者と一体となったアンサンブルの妙」は味わいを感じるし、終楽章頭のホルンのゆったり情感を感じる独奏なども趣深い。
激しさを感じることはないが、勢いよく、あるいは流麗に楽譜をなぞるのでなく、一音一音に情を込めつつ、しかし情に流されることなく、ゆったりではあるが弛緩はなく、晴朗でありながらしっかりした重みを感じさせ、感傷的にならずにしかし厚みと奥行きのある情緒を感じさせる、このコンビならではの、これまたライナーノートの表現を借りれば「稀有な演奏」のように思う。