四次元主義の絵画は存在し得るか?
荒巻義雄は、絵画の未来を考えるにあたって、「二次元から三次元へタブローは発展してきたが、……三次元につづく四次元の問題」をクリアーしておかなければならないとして、『四次元主義の哲学』に触れている。
「普通の人間つまり三次元主義者には、物体は三次元空間に完全に現〔わ〕れている。だが、四次元主義者には、物体の時間的部分が三次元空間に現〔わ〕れているにすぎないのだ。」(荒巻 2010: 9)。
「キュビズムの発見も、実は四次元探究の副産物と考えられる。
日本人の場合は平面志向性が強く、三次元的パースペクティブを西洋渡来の銅版画から見つけて模倣したのは、平賀源内である。」(荒巻 2010: 9)。
浮世絵は三次元的か。ジャポニスムとセザンヌの空間把握の関係はいかに?
空間も時間もわれわれが採用する記述の枠組み(構築体)であり、実在するのではない。
われわれの意識が空間も時間を錯覚することで『産み出す』 のである。そこから考えれば、そしてあえて言えば、われわれの意識は零次元だろう。だからこそ(つまり、このように表現されるメカニズムがあるとすれば)、意識は、より実在的となっているのだろう。
見え、現われ appearance、表現、物体、、、
[A]
荒巻義雄.2010.2.四次元主義の哲学.21ACT 127号: 9.札幌時計台ギャラリー発行.
[S]
サイダー,セオドア.2001.(中山康雄監訳,小山虎・齋藤暢人・鈴木生郎訳 2007.10)四次元主義の哲学:持続と時間の存在論.x+437+25pp. 春秋社.[ISBN 9784393323137 / 3,800円+税].[Sider, Theodore. 2001. Four Dimensionalism: An Ontology of Persistence and Time.]