Thanks Dear Kimiko Kasai/笠井紀美子
(CBS SONY SOPM166)
(CBS SONY SOPM166)
30年間ほどジャズを聴いていますが、70年代の日本のボーカリスト言うと個人的には笠井紀美子と中本マリだった。本日は、笠井の方をアップしたいと思います。アメリカの黒人シンガーに比べると、細身でパワフルさには欠けますが、なかなかにソウルフルなボーカルです。彼女はSONYが積極的に売り出し、ギル・エバンス、マル・ウォルドロン、シダー・ウォルトンなど当時のトップジャズメンとコラボアルバムを次々と制作しました。かなりジャパンマネーが動いたのではなんて思うのは自分だけでしょうか?一方、中本は国内で地道にアルバム制作を続けたのとは対称的ですね。この次のgenerationは容姿重視の阿川泰子に代表されるシンガーたちですよね。この世代とは、中本、笠井は一線を画したボーカリストだったと思います。本日はこの笠井の一枚をアップしますね。
74年LAの録音です。もう少し後期になるとクロスオーバー的なアルバムになって行きますが、74年というとまだまだ4ビート全盛という感じです。ピアノにジョー・サンプル、ベースにレイ・ブラウン、ドラムにシェリー・マンのトリオです。A面では"Get out of Town", "I Want To Talk about You", "Too Close for Comfort", "Makin' Whoopee", "Somebody Loves Me", B面で"Sometimes I'm Happy", "I Didn't Know What Time it Was", "Gone With The Wind"等渋めの選曲もさることながら、レイの重厚なベース、キラキラしたサンプルのピアノがいいですね。
笠井を売り出すCBSsonyの心意気を感じるアルバムですね。