The Night Of The Cookers vol.1/Freddie Hubbard
(Blue Note ST-84207)
The Night Of The Cookers vol.2/Freddie Hubbard
(Blue Note ST-84208)
(Blue Note ST-84207)
The Night Of The Cookers vol.2/Freddie Hubbard
(Blue Note ST-84208)
また一人、60年代の熱いジャズシーンを作ったプレイヤーがこの世を去りました。年末から我が家のオーディオは彼の演奏を何度か再生して来ました。何か彼にちなんだ演奏をアップしようと思い、ずっと考えを巡らせていました。ハービーのBN盤もいいし、モーガンの後釜としてJMでプレイしたアルバムもいい。さらに70年台に入ってのCTIのアルバム群、そしてVSOPと有名な音源は一杯ありますね。でもやはり彼のリーダー盤を持ってこなければと久々にとりだしたのがこの2枚に集録されたライブ盤です。JMのトランペットの新旧の座を受け渡したモーガンとハバードの2人の熱いトランペットバトルを本日はアップしましょう。
2枚のLP盤に収録された4曲は、ブルックリンの"LA MARCHAL"でのライブ録音です。片面1曲ずつ、2枚で4曲という構成もBN盤でもかなり珍しい。演奏の長さもライブならではだし、荒削りな感もあり、モーガンとハバードのプレイはともに熱いですが、コンセプト的に新旧のスタイルを充分に満喫できる構成です。メンバーはFreddie Hubbard , Lee Morgan(tp), James Spaulding(as, fl), Harold Mabern Jr(p), Larry Ridley(b), Pete La Roca(ds), Big Black(conga)のセプテットです。vol.1B面の"Walkin'"でハバードが抜け、vol.2B面の“Breaking Point"ではモーガンが抜けます。vol.1Aの"Pensativa"はラテンリズムを使ったクレア・フィッシャーの曲です。やや荒削りなところが気になりますが、こういう雰囲気の曲はやはりモーガンですね。65年のモーガンはDippin'に参加したころであり、それなりの好調さを維持していたと言えます。ハバードが輝きを増すのはむしろvol.2で、2曲とも彼のオリジナル曲が採用されています。A面の"Jodo"を聴くと、ハバードの堂々たるイマジネーティブなプレイに圧倒されっぱなしになってしまいます。スポールディングも熱いですし、4曲を通じてのベストトラックと言えます。B面はモーガンが抜けた"Breaking Point"です。同名アルバムのタイトル曲と同じですが、ここでのドラマー・ラロカのバッキング、ソロともにすばらしい出来ですね。
所有盤は、いずれもNY、USAアドレスのステレオ盤です。RVGの熱気を伝える録音もすばらしい。演奏はモーガンがハバードのバンドに客演した感じですが、モーガン好きにはvol.1, ハバード好きにはvol.2と言えるのではないでしょうか。