Here Comes the Swinging Bands/V.A.
(Verve MGV-8207)
(Verve MGV-8207)
先日のチャーリー・ベンチュラのログでも解説したようにグランツの名手の競演の手法はこのレーベルの隆盛を支えた一つのタクティクスでしたが、多くの専属アーチストを抱えていたため、ボーカルやビッグバンドなどのテーマを決めたコンピレーションも容易に作成できる状態にあったと言えます。こういう手法は、勿論Verveに限った手法ではないですが、ビッグバンドだけでコンピ盤というのは極めて難しいテーマだったのか、他レーベルではあまり見られませんよね。本日はCount Basie, Gene Krupa, Woody Herman, Dizzy Gillespie, Lionel Hamptonの5つのビッグバンドの演奏を集めたVerve盤をアップいたします。
単に、5つのバンドの名前を聞いただけではピンとこないかも知れませんが、この時代のこれらのバンドには後にリーダーアルバムを作るだけの実力に溢れたプレイヤーが所属しており、短いながら彼ら名手のプレイを聴くことが出来る点がすばらしいですね。BasieはA-1"Roll 'Em Pete"と"One O'clock Jump", Bラスの"Lady In Lace"の3曲です。A-1のJo Williams(vo)とBラスのFrank Foster(ts) がfeatureされます。Krupaは"Let Me Off Uptown", "That's What You Think"ではAnita O'dayのボーカルが圧倒的です。絡むEldridgeの声もラッパも絶妙ですね。GillespieはA-4"Jordu", B-2"Groovin High", B-6"That's All"の3曲で, A-4のBilly Mitchell(ts), B-2のErnie Henryのプレイが聴かれます。HamptonはA-5"It's A Blue World"とB-1"Midnight Sun"です。前者での後のMitchell-Ruff DuoのpianistとなるDwike Mitchellのピアノが聴かれる事、後者は十八番ですがHampのヴァイブはさすがです。そして馴染みの薄いWoody Hermanですが、A-3"Stompin' At The Savoy", Aラスの"Perdido", B-5"Blue Lou"の3曲がとりあげられています。Nat Pierce(p), Chubby Jackson(b)のプレイやハーマン自体のクラリネットも楽しめるのがいいですよねぇ。
所有盤はVerve, トランペットラベルのモノラル盤です。盛りだくさんですが、裏解説を読みながら聞けば、誰のソロか判読できるし結構興味深いものがあります。まず、カバー片手に聴く事をお薦めしますね。