67camper's Blog

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51年と55年のストックホルム録音を比べてみよう!

2009-01-25 00:02:47 | jazz & vocal

The Sound/Stan Getz
(Roost  LP2207, jp.reissue)


 レスター・ヤング派のテナーでは代表的な巨匠といえばやっぱりゲッツでしょう。ボサノバに手を染めて「ゲッツは死んだ」なんて思っているジャズファンも多いのかも知れませんが自分はボッサのゲッツは最も好きな時代なんですよね。今日は、もっと前の話。50年代、初頭のルーストとVERVEのストックホルム録音をアップしてみます。前者はRoostの"The Sound"のB面6曲で51年録音、後者はスカンジナビアエアのタラップで手を振るゲッツを捉えたカバーが印象的な55年の録音です。


Stan Getz In Stockholm/Stan Getz
(Verve MGV8213, jp.reissue)


 ともに有名なセッションですよね。ともにゲッツとローカルジャズメンのトリオというカルテット編成です。そして、このトリオにはスウェーデンいやヨーロッパを代表するBengt Hallberg(p)が含まれていますよね。ベーシストも同じでGunnar Johnsonがつとめています。当のゲッツは51年のルーストでは極めてクールなスタイルを示し、あの有名な"Dear Old Stockholm"を紹介したアルバムとしても有名ですよね。個人的には、新潟のジャズ喫茶、フラッシュのマスターに初めて聴かしていただいた思い出の一枚です。マスターの話で思い出すのが「スワン(新潟の老舗ジャズ喫茶)のママが一日に何度もターンテーブルに載せるよ!」という一節です。実際、学生時代、スワンも良く行ったのですがこの"The Sound"をスワンで聴いた事はなかった気がします。もう一枚はグランツとの出会いでホットなスタイルを身につけたゲッツの2度目のスウェーデン録音です。録音も格段によくなっており、このゲッツがいいですよね。ルースト盤と比べると強いアタックでテナーをならすゲッツがそこにはいます。A-1の"Indiana"の熱いプレイにはルースト時代のクールな印象はかなり希薄になっている感じですが、こっちが個人的には大好きです。そしてHallbergの明快なタッチには改めて感動してしまいます。バラード演奏でもゲッツはエネルギッシュで、リリカルな中に力強さがみなぎったB-1"Everythings Happens To Me”には感動せざるを得ませんね。

 所有盤はともに国内盤再発です。フラッシュのマスターの話では来日公演では今一つ覇気のないプレイに終始し、ある公演では聴衆がブーイングとも思えるストンピングをゲッツに浴びせたと言います。このあと激しく吹いたと聴いてます。好不調の波が少ない55年のVERVEのストックホルム録音こそ絶頂期のゲッツを捉えていて素晴らしいですよね。