Rita Reys Meets Oliver Nelson
(PHILIPS PY840 381, Jp.reissue)
Oliver Nelsonと言うとインストものではインパルスの"ブルースの真実"が有名ですが、強烈なアンサンブルを伴ったビッグバンドでのアレンジの効いた演奏も忘れる事が出来ないですよね。ビッグバンドものでは
ウェス・モンゴメリートとジミー・スミスの"Dynamic Duo"等のファンキーなバッキングも彼の実力を示した快演と言えますよね。一方、歌伴も上手く、彼のアレンジでによる名盤としては本日アップのリタとの共演盤なども最右翼の一枚でしょうね。日本人歌手では笠井紀美子のバッキングなども知られていますよね。本日はオランダの歌姫、リタ・ライスとの共演盤をアップいたします。
伴奏陣はヨーロッパ移住組のプレイヤーとヨーロッパネイティブプレイヤーの混在するビッグバンドで、前者としてArt Farmer(flh), Lee Konitz(as), Benny Bailey(tp), Sahin Shihab(bs)等の名手がクレジットされています。後者ではリタの夫のPim Jacobs(p)を始めフランシーボランビッグバンドで活躍するAke Persson(tb)などが注目でしょう。演奏曲はスタンダードばかりで聴きやすい選曲が嬉しいですよね。なかでも白眉はB-2のコルコバードです。言わずと知れたブラジル、いや世界を代表するメロディメーカー、トム・ジョビンの名曲ですよね。リタのクールな表現が最高で、リリカルなヤコブスのピアノもパーフェクトだし、ペルソンのボントロのオブリが素晴らしく最も好きなトラックですね。冒頭の"Satin Doll", "I Thought About You"、"Ill Wind"の歌唱もいいですね。それぞれでソロをとるシハブ、ファーマー、コニッツのプレイも楽しめますよね。
所有盤は、当然の国内廉価盤です(オリジは高価過ぎますね!)。スタンダードなジャズボーカルもいいですがジョビンソングブック等もリリースしているリタのボサノバがクールで最高ですね。