67camper's Blog

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ナベサダと手負いのヒノテルの共演

2009-11-04 14:36:49 | jazz & vocal
Dedicated To Charlie Parker/Sadao Watanabe
(tact YS-7501-CT)


 邦人ジャズ界では、最も有名かつ人気のあるホーンプレイヤーはサックスではあるとのナベサダ、ラッパではヒノテルのトランペットであろうと思います。両者についてはもはや解説すら不要の我が国を代表するプレイヤーですが、本日は「SWING JOURNAL JAZZWORKSHOP2」と題されたバードの13回忌に録音されたライブ盤をアップしたいと思います。

 メンバーは渡辺貞夫(as), 八城一夫(p), 原田政長(b), 渡辺文男(ds)のカルテットに一曲のみ日野皓正(tp)が客演したものだ。収録曲はバードのオリジナルが2曲、ナベサダのオリジナル"A Song For Bird", バードが得意としたスタンダード、「言い出しかねて」、「Everything Happens To Me」、「If I Should Lose You」の3曲が収録されています。聴きものはA-1のブルース「Parker's Mood」とB面1,2曲の「言い出しかねて」、「Au Privave」のくだりだろうと思います。特にB面の「言い出しかねて」の無伴奏アルトソロはよく伸びるつやのある音での吹奏はナベサダならではです。ライナーの油井氏の解説ではヒノテルの唇が痛んでいて旨く閉じられず不調で、自身のソロプレイを思いついたとあります。続く「Au Privave」ではやはりソロで出たナベサダが周囲を寄せ付けないソロを取り、不調と言われヒノテルが入ろう入ろうとしてリズムセクションとともになだれ込んでくるシーンが捉えられており実にスリリングです。何処が不調なのともとれるヒノテルのプレイも出色で今となってはとても貴重な両巨頭の共演記録であろうと思います。

 所有盤は中古屋で1000円で見つけた国内盤です。60年代末の熱い日本のジャズシーンを捉えた一枚であろうと思います。