It's Monk's Time/Thelonious Monk
(Columbia jp.reissue CBS-SONY 15AP 543)
モンクのピアノって時々急に聴きたくなるときがありますよね。強烈な和声感覚は他の追従を許さないし、これとレギュラーでやっていたグリフィンとラウズも相当に難儀したのではと勝手に想像したりしてしまいます。コロンビアのモンクもいくつか重要作品がありますが、今まで余り聞き込んでなかったアルバムなのですが、個人的にも再評価したい"It's Monk's Time"をアップしてみます。
タイトルは『モンクの時代だ!』と言わんばかりでこのアルバムが発表される前の同年2月に雑誌「タイム」の表紙を飾った事に起因しているらしいです。ジャズ批評の解説によると、これまでに「タイム」の表紙を飾ったジャズメンはサッチモ、ブルーベック、エリントンについで4人目だったと言います。モンクの注目度の高さを知らしめる逸話ですね。この盤のメンバーはCharlie Rouse(ts), Thelonious Monk(p), Butch Warren(b), Ben Riley(ds)のカルテットです。モンク得意のラグタイム風のピアノで始まるA-1"Lulu's Back In Town"の演奏が好きですね。中盤のカルテットが入って来てのラウズのソロも良く乗っていて聴き応え充分ですよね。またこのアルバムからレギュラーに加わったライリーのロングソロも聴く事が出来ます。片面3曲の計6曲構成ですが、A-2の"Memories Of You"とB-2の "Nice Work If You Can Get It"の2曲のソロ録音は、このタイトルでやるにつけてモンクにとってはソロがいかに重要なフォーマットであったかを如実に示す好演だと思います。
所有盤はCBSソニーがリリースした1500円の廉価盤です。「タイム」の表紙を飾るにふさわしい横顔ですね。