My Favorite Things/John Coltrane
(Atlantic 1361)
1978年夏、管理人は当時の足であった自転車で汗だくで踏んで万代橋の坂を登っていたんだろうと思う。めざすは新潟駅前にあった石丸電気のレコード売り場です。ジャズを聴き始めたばかりで、コルトレーンの演奏はマイルスのラウンドアバウトミッドナイトとカインドオブブルーの演奏しか聴いた事がなかったと記憶しています。晶文社の植草甚一さんのマイルスとコルトレーンの日々(下図)を読んで少し知識武装して今回はコルトレーンの"My Favorite Things"と"Giant Steps"を購入するべく石丸に向かった事をおぼえています。確か一枚が1780円で2枚で3560円、当時のアトランティックの国内盤は2200円だったので解説は読んでみたいものの、石丸で輸入盤を買えば2回の外食が可能になる訳ですから、汗だくで信濃川の向こう岸まで頑張って自転車をこいで行くのも無理のない事だったのでしょう。
コルトレーン初購入がこの2枚ですが、かれこれ32年自分のレコード棚に居ることになりますね。当初はビニールカバーをかけていたのでカバーは32年の歳月にも関わらずとても美しい状態です。さてこの大名盤、当初はソプラノを吹くトレーンがあまり好きじゃなかったですね。未だにテナーを吹くコルトレーンが好きに違いないですがあのチャルメラ音には相当に面食らったものです。エルビンのポリリズムに刻むドラムやマッコイのリリカルなピアノの良さもピント来てなかったですよね。4曲ともが大スタンダードなのですが当時の自分は恐らく"Summertime"も"But Not For Me"もEverytime We Say Goodbye"も他のアーチストでは聴いた事がなかったと記憶しており、この大名盤が当時の管理人にはスタンダード学習のための一資料にしかなっていなかったのでしょう。時々とり出して聴くにつけコルトレーンはやっぱり「ええなあ!」と感じる昨今です。
所有盤は当時新品輸入盤で購入した再発盤でグリーン/オレンジのアトランティック後期ラベルです。当時は聴ければレーベルなんて関係ない訳で、純粋な気持ちでジャズに対峙していた自分がいとおしくもありますね。