First Prize/Eddie Daniels
(Prestige 7506)
さて昨日のエリック・クロスに続いてその記事のコメントに書いた泥沼後期プレステッジから一枚いきましょう!エディー・ダニエルズ,ご存知の方は相当なマニアか、はたまたあなたそのものがゲテモノか(失礼!)。この泥沼にも一枚しかないテナーサックス,クラリネット奏者です。目立った活躍は,サドメルのビッグバンドでのプレイなのかも知れませんが,自分もサドメルのレコードで意識して聴いたことすらありません。本日は、このプレステッジに一枚だけあるリーダー盤「一等賞」と題されたアルバムをアップしたいと思います。このタイトル名はジュリアード在学中の66年,ウィーンで開催された国際ジャズコンテストのサックス部門1位を獲得したことによるものだろうと想像します。
エディは幼い時からBenny GoodmanとCharlie Venturaをアイドルとしたと言います。本アルバムではボッサタッチの曲をセレクトし,ちょっとゲッツを彷彿とさせるテナープレイを聴かせます。それが顕著に出たのがA-1の"Felicidad"です。脇を固めるリズムセクションはサドメルのリズムセクションでRoland Hanna(p), Richard Davis(b), Mel Lewis(ds)のビッグネームです。この曲は10分近くの長尺演奏ですが,ここでもハナの渋いピアノが活躍します。またエディはクラリネット復興の気持ちが強く,クラリネットでの3曲を収録しています。デフランコ以来のモダンスタイリストとしても後々評価されるようになる礎的演奏です。ただ,個人的にはコンクールウィナーらしいスムーズなテナーが好みですね。B面での10分に及ぶ長尺"How Deep is The Ocean"もウィーンのコンテストでプレイした曲と言います。ハナのプレイも楽しめるハイライト曲ですね。
所有盤はブルートライデントのモノラル盤です。余り知られていないプレイヤーですが泥沼後期プレステッジらしい一枚ですね。