The Winton Kelly Trio Introduces Donna Drake as Donna Sings Dinah
(Luxor Lp-1, FSR reissue FSR-666)
泥沼プレステッジも毎日聴いてアップするとなると,それなりに疲れてしまうので今日はDonna Drakeのボーカルでも聴いてみようってことで取り出してみました。自分の所有盤はFSR盤なのですが,このジャケットの貧弱さに辟易した思い出があります。ただ,主役はさておき伴奏のウィントン・ケリー・トリオの好演には捨て難い魅力を感じていました。久々に取り出してみるとケリーのピアノはやはり抜群ですね。ケリーファンなら絶対おさえておきたいアルバムかも知れません。
主役のDonnaに関しては資料も少なく、結局はジャケ裏の解説ぐらいしか見当たりませんでしたので単にトランスレイトしただけになってしまうのですが,ウエストバージニア生まれで3才でモーターシティ/デトロイトにうつり、高校時代にはPaul Chambers, Donald Byrd, Barry Harrisらのデトロイターたちと共演していたといいいます。となると年代的には彼らの世代,1930年前後の生まれなのでしょうね。その後も、リーダーアルバムを出していったシンガーでもありませんし、いわゆる一発屋のアルバムです。選曲にダイナ・ワシントンのヒット曲を連ねたダイナへのトリビュート盤で,"Dream", "What A Difference A Day Made", "I Could Have Told You So", "For All We Know", "Who Can I Turn To"等は本家に迫る好唱ですね。そして、これを引立てるケリーのピアノはこのアルバムのハイライトですが,本家のバッキングを実際にやって来たケリーならではのツボを心得た歌伴の素晴らしさは出色ですね。ケリーにとっては晩年の68年のハリウッドの録音でベースはキーター・ベッツ、ドラムはジミー・コブがクレジットされています。
前述のように、所有盤はFSRですがジャケの絵柄の貧弱さはLuxorというマイナーレーベルならではなのでしょうか?Wyntonを"Winton"と記載したり,Keterを"Keeter"と表記するのは,契約問題とかで敢えてなのでしょうか?それとも単なるミスなのか、ご存知の方,ご意見をいただければ幸いです。