67camper's Blog

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"Sister Sadie"だけじゃないBlowin' The Blues Awayの側面

2012-02-16 21:37:01 | jazz & vocal

Blowin' The Blues Away/Horace Silver
(Blue Note 4017)

 大学に入りたてのジャズ初心者だったころ、本当に何から聴いていいかわからない状況を最初に打ち破ったのはソニー・クラークとウィントン・ケリーのファンキーなピアノだったと記憶しています。ファンキーというキーワードで考えてみると,どの指南本にもホレス・シルバーの名前が挙がっている訳で,試しに購入してみようと思って手にしたのが当時キングからリリースされていたシルバーの”Blowin' The Blues Away”でした。叩き付けるようなピアノとガンガンとこれでもかとファンキーフレーズを連発するミッチェル,クックのフロントラインのプレイは正直,クラーク,ケリーに比べると哀愁に欠ける気がして余り好きじゃなかったですね。自分を含め日本人ジャズファンは一般的にマイナー,哀愁を感じるメロディに弱い傾向があって、このファンクの権化,シルバーよりもクラーク,ケリー,トミフラなんかの方が人気があるのではないでしょうか?米国本国では明らかにシルバーの人気の方が上だっただろうと思います。

 さて、この"Blowin' The Blues Away"は初めて自分が手に入れたシルバーのリーダー作で名演名曲として有名な"Sister Sadie"をB-1に収録しています。これについてはもう語り尽くされていますので割愛です。今回,久しぶりに聴いてみて,改めて惹かれたのはシルバーのトリオ演奏です。ここでもA-2の”The St. Vitus Dance"とB-3の"Melancholy Mood"の2曲がトリオの演奏としておさめられていますが、クラーク,ケリーとはまた異質のマイナームードを感じる演奏であることに気付かされました。"Sister Sadie"のようなイケイケ曲ばかりがもてはやされるシルバークインテットですが,オアシスのようなトリオのプレイにも耳を傾けてみたいモノですね。

 所有盤は47 West 63rd NYCのモノラル、ひょっとしてオリジナル盤かななんて思っています。ジャケは国内盤に比べるとやや青みがかった感じですね。久しぶりに聴くとまた違った面が見えて来る、それこそ名盤なる所以かもです。