心の免疫力~書とことばから

もっと暮らしに書やARTを~
雲のように水のように あっけらかんと自在に生きるヒントを
求めて~ by 沙於里

抽象か具象か

2010-01-23 | 書の話
                          甲骨文 「無」(2尺×6尺 1/2)


今年5月にある蘭秀会展の作品用に書いた参考作品。

なんか久々に、こんなのが書きたくなって。
馬のしっぽの毛の大き目の長鋒で。
 
これは抽象か具象か・・
書いているときは文字を意識して書いているけど
見た人が一画一画、解読できるかと考えると抽象なのか。。

実はそんな理屈(言い訳)はどうでもよくて、
この作品から、どんなものを伝えられるか、伝わるか・・なわけで。

ぼんやり眺めながら・・
やっぱりどこかで師の書くときの姿勢、呼吸、間合い、運筆・・
それらは体のどこかに沁み込んでいるのかなぁ・・なんて。。

もちろん全然到底全く・・足元にも及ばないけれど  

先日の「日々是好日」を見て
「なんだ!あのミミズが這ったような線は・・」と某氏に言われたので
これで・・ちょっと汚名挽回とはいきませぬかね 

はい。まだまだ。もっともっと。

しっかり勉強せい!と、今も益々お元気にご活躍されておられる
86歳になられる師の声も、遠くどこからか聞こえてきたところで
今日は先日もご紹介した、宮村弦氏の個展に行ってきます。

1月31日まで東京はミッドタウンにて開催中。
同じく、京都SferaExhibition でも31日まで開催中。

詳細はこちらから→ 宮村弦氏 HP


あ、それから明日24日まで、東京銀座画廊・美術館にて
「第41回 正筆会菁華書作展」も開催中。(仮名の黒田賢一氏が会長)



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探している線と空間の世界は

2010-01-19 | 書の話
                          (半紙の高さをちょっと切って)

日々是好日

先日の書道教室でのお題のひとつ。
こんな風な構図で書いてこられた方の作品を参考に。

斜めに半円に書くのはむずかしいもので。
全部をきちんと楷書風に、それぞれの文字を正方形に書いてしまうと
紙面を斜め切りにしてしまうだけで、余白の響きもなくなってしまうような。

なので、一字一字、直線、曲線、墨量、運筆の遅速、
文字の視線のバランスを見ながら、紙面にリズムを与えるようにと書いてみる。

「是」の文字は、思い切り足を伸ばして右下半分の余白に食い込むことで
余白に動きと余韻を持たせた・・つもりなのだけど、どないでっしゃろ。。

書作品を見ていて、私がいいなぁって感じるものは、
まずは文字の中の「線」に魅力があるかないか
そして同じくらいに重要なのは空間、余白の美しさ、響き・・かな 


それぞれの人の心に響いてくる線と空間の世界があるんだと思う。

私が探している線と空間の世界は・・
時に、おおらかであっけらかんとした、自由で伸びやかなもの。
時に、無骨で無器用で拙なるもの。

いつか・・丸裸の、開放された自分らしい書が書けたらしあわせ 


時々お越し下さっている大福うさぎさんのブログ→書らんだむ を
ブックマークに加えさせて頂きました 

うさぎさんのところでは、楽しく真面目に書に取り組んでいらっしゃる方が
たくさんいらして驚き、勉強しなきゃ・・と、刺激を頂いています。
是非お立ち寄り下さいませ

うさぎさん・・ご紹介が遅くなりましたが、これからもどうぞよろしくです
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書三昧の休日

2010-01-12 | 書の話
                         道在邇(半切・部分)

この連休、初日は書展巡り、昨日と一昨日はその刺激があるうちに・・と
墨磨り機の音を聞きながら、食事する以外ずっと書いていた。

五月にある書道教室の展覧会の参考作品を、あさってのお稽古日に渡す予定ゆえ。
あれこれ試行錯誤しつつ、1枚書いてはもう1枚、また1枚・・と。

今は腰が割れそう。。

本当はお手本なんて・・って思う。
だから気持ち的には「参考作品」ってことで。

それぞれの方の希望も伺いつつ、私なりに書体、書風、紙の大きさも色々に。
参考作品はひとつのヒントで、そこからその人らしい作品になればなぁって思う。

教室ではいよいよ、年に一度の展覧会に向けた作品作りが始まります。
それぞれに思いを込めて、お互い最後まで頑張りませう 

今年は色々と変化の年になれそうな 
がんばります
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甲骨文字のように

2009-11-13 | 書の話
                           (はがき)
 
甲骨文字による「歩」
上が右足、下が左足をあらわす。

そう言われてみると、なるほど~と。
甲骨文字は一番古い文字であるのに、デザイン的で洗練されているような。

気どりや言い訳や、隠し事のない、シンプルな姿だからかな 

あぁ・・もっとシンプルになりたいなぁ 
甲骨文字のように。

右足と左足、「そのまんま」を形にしただけのその姿は
存在の根源を、こんなにも美しく表現するものなんだなぁ・・と、ふと。

今まで、何気なく書いていた甲骨文字に
今日はなんだか深遠なものを感じたとさ 

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曹全碑 習作

2009-10-13 | 書の話
                          (半紙)


久々に曹全碑を広げてみて、いいなぁ・・と筆をとるも・・
線の切れ味も悪いなぁ 

それでもとにかく半紙に6文字づつ、書いていく。
一発勝負で、書き直しはしないと決めて。

まずは半紙に4文字、それから6文字、8文字と、組み合わせも変えることで
空間の捉え方や、文字の生かし方の勉強になると、よく師はおっしゃっておられた。

原本の「廉」の左はらい、「張」という文字の弓へんのニヒルな表情
「属」のとぼけた造形がなんとも興味深く。

この前TVで、毎日スクワットをたった10回だけど続けることで、
体調が良くなったという方がいて。

たぶんなんでもそうだと思うけど
毎日コツコツと少しづつでも繰り返すことが大事なんでしょうね







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甲骨文字はおもしろい

2009-10-07 | 書の話
                     古文(甲骨文)の「異」字



文字の調べものをしていて、なんじゃこの姿~といとおしくなって書いてみる。

原本はこれ↓


この文字が生まれた頃、異星人がいたのか?と思わせるような造形。
家にある、学研の「小学生の絵でみる漢字字典」(1989年)によると・・



と、説明されているけど、いまいちピンのこないなぁ・・・

それにしても「異」の甲骨文字ったら、バルタン星人みたい。
雄叫びをあげてるように見えるのは私だけかしらん

甲骨文字の歴史を学ぶのも楽しいだろうなぁ。
いやほんと・・甲骨文字はおもしろい 


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龍門造像臨書三種

2009-10-06 | 書の話
                   龍門造像「馬生妻造釈迦象紀」一節


Mちゃんと勉強中の造像。玄美名品選別集の中のひとつ。
力強く、素直な線を心がけつつ、造形のおもしろさを臨書できたらな、と。
硬い岩に一見無造作に彫られた文字は、亡くなった方への素朴で真摯な思いが
文字に表れているような。


↑原本

原本を眺めていると、いいなぁ・・としみじみ。
素直で大らかで、スケールの大きい伸びやかな造形に
こんな心でいたいなぁって思えてくる 

なのに、時々こんな私もいる。
臨書しながら、どんどん変化してだんだんこんな感じに。。
どちらも同じところを臨書。「清信女馬」



はてさて、ほんとの私はどれなのかしらん。
あ、あれもこれも・・が、私なのさね。
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龍門小品造像

2009-09-15 | 書の話
                         半紙×2枚



以前職場でお仲間だったMちゃんが、書道を習いたいんだけど・・と相談があり。
家に来ていろんな古典を見たり、話を聞いてみて、龍門造像に興味を持ったようで。

私も久々の造像。
きちんとした楷書に近い造像よりも、龍門小品造像のような
力強くて生き生きとしたのが好き。



↑原本

改めて原本に向かい、以前書いて頂いた師のお手本も並べてしばし眺める。
師の奥行き、情味、品格には、一生かかっても及ばないなぁとため息つきつつ
何度も臨書するも、納得いかず。。

Mちゃんのお蔭で、また造像に向き合う時間を頂けて感謝。



龍門臨書

龍門臨書その2


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Tapies(タピエス)にはまってた頃

2009-08-29 | 書の話
                    「being」  45cm×90cm



スペインの現代芸術家Antoni Tapies (アントニ・タピエス)にはまっていた時期がある。
タピエスは20世紀の現代美術の巨匠の一人とも。
日本文化にも精通していて、禅、俳句、書とも関わりのある人。


以前、書の大きな展覧会を観にドイツを訪れた時、
何となくケルンのルートヴィヒ美術館に立ち寄り、
そこの売店にあった現代アートの雑誌にたまたま載っていて。

なんていうか、ドキドキしてきて。
何がどう好きなのか、ことばではうまく説明できないけど
たぶん私の中の何かに共鳴したわけで。
どこか書的で、禅の世界を感じるからかな。

タピエスの影響を受けて、その頃書きまくった抽象がたくさん出てきた。
たぶん100枚位ある。(だから部屋は物に溢れてる・・捨てるか・・)

一度くらい日の目を浴びてもいいかなと思って、載せてみる。

それよりも、タピエスのYou tube見つけて、今日はちょっと興奮ぎみ。
どの作品にも瞬間胸キュン。

ほとんど観客もいない中やってるパフォーマンスがまた、いいね~。














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ダンボールを使って書く

2009-08-21 | 書の話
                    敏子さんの作品 「洗心」 (半紙)
           


昨日は書道教室。
個々に学んでいる古典臨書の添削のあと、毎回、山頭火と漢詩等の宿題の鑑賞会。

それぞれに工夫したり、苦心して。
最近は名前が書いていなくても、線質、構図などから大体どなたが書かれたかわかる。

そこにちゃんと個性が見えるから 

どれもいとおしや。

今日一番驚いたのは、昨年、趙子昴の千字文 を全臨された敏子さんが
ダンボールの端を切って、その断面を使って書かれたという「洗心」。
なんか生き物がうごめいている様な存在感。


そして、この春頃から入会された賢子さんの山頭火。
封筒の裏(右)や、メモ用紙のようなものにさらっと書かれた作品。
文人の書のようで、ステキ。





みなしゃんの作品(一部) どれも顔が浮かんでくるのだ~


今日つくづく感じたのは、墨の色で作品の印象がかなり違うということ。
磨った墨と墨液で書いたものとが隣り合わせになると、よくわかる 

普段つい便利な墨液だけで書いていると、本当の墨の色の美しさに気づかないまま・・
磨った墨で書くのと、墨液で書くのとでは、書き味も全然違う。
つまり墨液でばかり書いていると、筆遣いや筆圧、筆勢も墨液仕様になっちゃう様な。

たとえば料理も、見た目が美しいとより美味しく食べられるのと似ていて
墨の色の良し悪しで、第一印象が全然違ってくるわけで。

これからは、もっと墨の色を大事にしませう!ってことで。
そして、墨を磨る時間・・心のゆとりも大事にしたいなぁって。

書を学ぶとは、いろんなものを大事にすることでもあるような。


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