心の免疫力~書とことばから

もっと暮らしに書やARTを~
雲のように水のように あっけらかんと自在に生きるヒントを
求めて~ by 沙於里

自分の感受性くらい

2021-06-02 | Music and abstraction

 

      ぱさぱさに乾いてゆく心を
      ひとのせいにはするな
      みずから水やりを怠っておいて

      気難しくなってきたのを
      友人のせいにはするな
      しなやかさを失ったのはどちらなのか

      苛立つのを
      近親のせいにはするな
      なにもかも下手だったのはわたくし

      初心消えかかるのを
      暮らしのせいにはするな
      そもそもが ひよわな志しにすぎなかった

      駄目なことの一切を
      時代のせいにはするな
      わずかに光る尊厳の放棄

      自分の感受性くらい
      自分で守れ
      ばかものよ

      

                  茨木のり子の詩「自分の感性くらい」



      若かりし頃読んだこの詩を今読むと、どれもが、ぐさりずりし。

 

 

      今日はこの曲♬
      Nina Simone - Feeling Good
     

    



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6 コメント

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Unknown (cdt63430)
2021-06-02 09:16:55
本当にぐさりとくる詩ですね。
茨木のり子自身が自分を叱咤激励しているのかしら、なんてことも思ったりします。
しなやかな感受性を守ること、難しいです。
返信する
cdt63430さんへ (沙於里)
2021-06-02 11:19:40
ですね、本当に。。
今、世界が混乱、鬱々としたところがある日々で、激を飛ばされた気がして、はっとさせられました。
この詩は茂木のり子さんが51歳の頃の代表作で、戦争で芸術、文化、娯楽といったものが失われたことへの思いを綴られたものだそうです。
返信する
Unknown (cdt63430)
2021-06-02 12:16:00
詩の背景には戦争があったんですね。知りませんでした。
今は背景にコロナがあってやはり芸術、文化、娯楽が危機に瀕していますからこの詩には頭をカチ割られるんでしょうね。
返信する
cdt63430さんへ (沙於里)
2021-06-02 14:24:01
まさに、今の世にもって感じます。
私自身、世代的にも親の介護があったり、自分の体力気力の減退を感じたり、人生を振り返ることが増えてきて、ため息ついたり、言い訳考えたりすることもあったりして、そんな自分にガツンともらいました(^^)
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Unknown (cdt63430)
2021-06-02 15:57:53
歳を取ると若いころのようにはなかなかいきませんよね。ぼくも嘆くことが多いです。
茨木のり子がこの詩を書いたのが51歳だそうですね。想いが煮えたぎっているような詩を51歳で書いた。奇しくもぼくも51歳です。嘆いている場合じゃありませんね。
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cdt63430さんへ (沙於里)
2021-06-03 22:24:29
お返事遅くなってしまい、ごめんなさい
いやはや、ほんと、嘆いている場合じゃありませんね。この詩の一言一句、わたしに向けられているような気がしています。
できないことの言い訳を探す暇があったら、前へ進め~ですね。
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