「土木展は楽しい♪ カトケンの芝居も楽しい♪ (その1)」のつづきです。
気がつくと、きのうが本多劇場での「ハリウッドでシェイクスピアを」の千穐楽だったようで、感想を書くのが遅かったぁ~
でも、書きかけのシリーズものがいくつかあるもので、この機を逃すと、いつ「ハリウッドでシェイクスピアを」の感想を書くのか判らないんで、きょう、書いておくことにします。
この作品は、パンフレットの冒頭に載せられた加藤健一(カトケン)さんの説明を引用すると、
この芝居の作家は、前作「Be My Baby」と同じケン・ラドウィックです。カトケン事務所が初めて彼の作品を上演したのは1990年の「レンド・ミー・ア・テナー」でした。次が2002年の「バッファローの月」、続いて2007年には「特急二十世紀号」、そして2013年には「Be My Baby」の初演となり、今回の「ハリウッドでシェイクスピアを」と続くことになります。この五本の作品の内、「Be My Baby」を別にすれば後は全てが、いわゆる“バックステージもの”と言われる舞台です。その作品数の多さからもケン・ラドウィックがいかにお芝居を愛しているかが分かるような気がします。
とあるように、カトケン事務所の作品ではお馴染みの作家さんの作品です。
ふり返れば私、上記の5作品のうち、「Be My Baby」を除く4作品を鑑賞しています(再演を含む)。
なかでも印象深いのは、2004年10月23日に観た「バッファローの月」です。
作品のデキの良さもさることながら、観劇中に新潟県中越地震が発生して本多劇場がユラユラ揺れたのは忘れられません。
それはさておき、「ハリウッドでシェイクスピアを」のシチュエーションは、
「夏の夜の夢」(作:W.シェイクスピア)で3組の結婚式を祝福し、ぐったりと疲れ果てた妖精王オーベロン(カトケン)と王に仕える妖精パック(加藤忍)は、アテネ近郊の魔法の森へ帰るいつもの呪文を唱えた・・・つもりが
辿り着いたのは、1934年のハリウッド 今まさに映画「真夏の夜の夢」の撮影が始まろうとするスタジオだった。オーベロンとパックはひょんな事から本人役で映画に出演することになってしまう。しかもオーベロンはハーミア役の新人女優オリヴィア(瀬戸早妃)とたちまち恋に落ち、そこへラサンダー役のスター俳優ディック(円山厚人)が横恋慕して、まさかの三角関係に
で、妙なドイツ語なまりのしゃべりを繰り出す映画監督ラインハルト(小宮孝泰)とか、映画会社の重役ジャック・ワーナー(粟野史浩)の愛人にしてちょいとおつむのネジが緩い女優リディア(新谷真弓)といったあまりにも個性的すぎる登場人物たちに加えて、「その花の汁が目にかかると、目覚めて最初に見たものに恋をする」という「愛の刷り込み」花が登場して、もう、ドタバタの喜劇です。
冒頭、妖精王オーベロンが登場するだけで、その「妖精」とは思えないおじさん的な容姿にあんぐり それでいて、しゃべりは、カトケンさんらしい朗々とした声で、完全に「上から目線」的な時代がかったもので、アンマッチ過ぎて大受けです。
さらに、「人の目からは見えない」状態のときのホワンホワンした身の動きがたまりません
そして、妖精王オーベロンの弟子であるはずの妖精パックがまた、師匠を師匠とも思わないような自由奔放な言動(ぶち壊れた感じの加藤忍さんがお見事)で、オーベロンになりかわって、「いい加減にしろ 」と怒鳴りたくなる気分。
また、映画監督ラインハルト(小宮孝泰=コント赤信号の小宮さん)のドイツ語なまり(?) がおかしくって最高でした(私、大学での第2外国語はドイツ語でした)
そして、やはり書かずにはいられないオリヴィア(瀬戸早妃)
すっごくステキでした。
オーベロンならずとも、「惚れてまうやろ」って感じ。
瀬戸さんの舞台を観るのは、これもカトケンさんの「女学生とムッシュ・アンリ」以来2度目なんですが、あの時と比べて、華が倍増したというか、貫禄がついたというか、私がいうのはおこがましいのですけれど、成長してる と思いましたです。
マシンガントークもお見事でした。
ちょっとドタバタに過ぎる部分もありましたが、やはりカトケンのコメディって好きです。
やめられません