「2年ぶりの江戸博は楽しさがアップしてた(前編)」のつづきも、昨日の江戸東京博物館(江戸博)の常設展見聞録です。
新設の江戸城のジオラマを堪能したあと、つらつらと展示を眺めると、いつ出かけても企画展以外は変化のなかった常設展が、ちょっと違う…。
例えば、寿司の屋台があったり、
ソバの屋台があったりして、
古典落語の世界に入っていくような気分です。
ちょっとじっくり観ると、寿司がデカい 1貫でおにぎり1個分はありそうです
ソバの屋台は、狭い収納スペースに、釜(+コンロ)、どんぶり、ザル、猪口、ソバ、水桶など「ソバ屋一式」がそろっていて、なんとなくKIOSKの店舗を連想します。
屋号は「大当りや」ですか(「大當や”」に見えますが「”」は「り」だと思う)。
落語「時そば」を思い出しますなぁ
それにしてもこの屋台はかなり重そうです。
これを担いで歩き回るのは大変そうだし、備品をうまく振り分けないと、バランスが崩れてますます大変そうですなぁ。
ところで、江戸博はいつ常設展を展示替えしたのだろうかと思って調べると、去年(2015年)3月末に、リニューアルしたのだとか。知らなかった…
今回のリニューアル(1993年のオープン以来初らしい)では、いくつかの展示品の追加・入れ替え・配置換えに加えて、新たに二つのコーナーが加わったのだそうで、その一つが「江戸から東京へ」。
このコーナーは、江戸ゾーンと東京ゾーンの2つをつなぐものである。江戸東京博物館からほど近い本所亀沢町(現在の墨田区)に生まれた幕臣勝海舟に注目し、江戸が首都・東京となっていく時代の大きな転換期をあつかう。
というもので、私にとって「尊敬する偉人」のかなり上位に位置する勝海舟の胸像(高知市桂浜にある坂本龍馬像を創った本山白雲の作品で、伏魔殿こと東京都議会の所蔵)に頬を緩めました。
一方、「目ウロコ」だったのが、こちらのパネル
私、何の根拠もなく、「ペリーの黒船」は太平洋を渡って浦賀にやって来たと思っていたのですが、実は大西洋~喜望峰~インド洋~南シナ海を通って(つまり東回りで)日本にやって来ていたとな
だからどうした と言われても困りますが、知らなかったぁ~
もう一つの新設コーナーには、自分が年をとったことを痛感する展示がありました。
インベーダーゲーム機とか、初代ファミコンとか、
「ボディコン」とか…
私の若かりし頃の思い出の品々(ボディコンを除く)も博物館入りかよ と衝撃を受けたのですが、この新コーナーは「現代の東京」というタイトルで、
東京は世界の中でも、最大規模の人口を有する巨大都市であり、さまざまな個性を持つ街が連続するバラエティーあふれる都市でもある。こうした特徴は、どのようにして形成されてきたのか。
このコーナーでは、みなさんの記憶にも新しい時代の生活や文化についての展示を行い、1960年代から2000年代までを5つに分け、東京の変化を10年ごとに比較する。
と、1960~2010年を扱ったもので、近いところでは「コギャル」(絶滅種)の展示もありました。
さすがに「ガングロ」の展示は無理だよねぇ~。
このコーナーにたどり着くまでは、「へぇ~」と展示を観ていた観客たちは、ここに来て、俄然身近な懐かしさを感じているようでした。
木造の日本橋を渡って江戸時代にタイムスリップした観客が、早回しで現代に戻ってくる感覚を味わえる、歴史博物館として非常によくできた構成だと感心いたしました。
これだけの展示を600円(小学生・未就学児童と都内在住または在学の中学生は無料)で楽しめるなんて、お得でもあります。
外国語の説明も充実していますので、海外からやって来た知人を案内するのも良いかも。(駕籠に乗って記念撮影する外国人家族がとても楽しそうでした)
江戸博は、都内観光のお薦めスポットです。