先週木曜日の12日、私は「三つの用事」のために年休をとりました。「第二の用事」はこちらに載せた写真から察せられますように、湘南ベルマーレの本拠地、平塚での用事でした。
平塚での用事とは、湘南ベルマーレとは関係ありませんで、こちら
平塚市美術館で開催中の「カーデザインの歴史 -NISSAN 情熱と機能の美-」を観るためでした。
この展覧会、上にリンクを貼った美術館のHPに記載しているとおり、「公立美術館で初めて、ひとつの国産メーカ―のデザインを年代を追って俯瞰し・・・」と、ある意味、画期的な企画展かもしれません。
平塚市美術館は、NHKの「日曜美術館 アートシーン」で紹介してもらえないかとNHKにかけあったものの、「一私企業の名前が前面に出ていては…」と断られたんだとか。
まぁ、仕方ないことかも…。
自動車産業は日本経済を支える太い柱の一つである一方で、クルマそのものは、人々の生活にも密着しているし、ほぼ先端技術の塊だし、高いだの安いだの、速いだの遅いだの、騒音がやかましいだのエンジン音が心地良いだのと、ユーザーそれぞれの希望に沿わなければならないし、いくら高性能・高機能のクルマでも、スタイルが悪いと見向きもされない、と、かなり大変な工業製品です。実用性とコストとデザインが同じくらいの比率で重要視される点で建築に近いかも?
そんなクルマが持っている美術的な側面って、かなり面白いと思うのですけど…。
企画展は、カーデザインのとっかかりになるデザイン画の手法の変遷とデザインそのものの変化をメイン・ディッシュとして、カーデザイン決定の最終的な決め手になるクレイモデルが重要なサイド・ディッシュに添えられていました。
まず、デザイン画からご気に入ったものを紹介しましょう。
今でこそ、画像ソフトを使ってコンピュータで描くようですが(下の写真は現行Z)、
昔は当然手描きだったわけで、こんなの(ダットサン210)や、
「ハイライト技法(色の付いた画用紙に光=ハイライトを描写して立体をかたち作っていく技法だそうな)」で描かれたデザイン画、ステキです
このデザイン画で次期モデルの候補を絞り込んで、小さなクレイモデル(粘土細工)で候補を更に絞り込み、そして実物大のクレイモデルで最終的な「形」を決めるんだそうです。
そういえば、日産のTV CFでこんなのがありましたっけねぇ。
まるで木材に鉋(かんな)をかけるように粘土を削ってます。コンピュータ上で作り出した形を大ざっぱに機械で削りだして、それを人手で最終的な形に造りあげていくんだそうです。
会場には実物大のクレイモデル(現行Z)が展示されていました。手順が判るように、荒削り段階(向かって左半分)の部分と最終的な段階(向かって右側)の部分両方を見られます(展示専用のクレイモデルなのでしょう)。
最終的な形をアップするとこんな具合です。
きれいです。これに特殊なシートを貼り付けると、まるで本物の金属製のボディーのように見えるから不思議です。
下の写真は、今年の東京モーターショーに出展されていた電気自動車「ランドライダー」の実物大模型。
シートを貼った左半分だけ本物のように見えませんか?この模型は粘土ではなく、発泡スチロール製のようです。
何とも中途半端ではありますが、この辺で一旦休憩をいただきます。長くなると、携帯から修正できなくなってしまいますので…。
つづきは近日公開です。
つづき:09/11/25 平塚市美術館でカーデザインを楽しむ(その2)
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