「好天に誘われて皇居見物 (後編)」のつづき、というか、書き切れなかったお話を…。
まずは大嘗宮の落ち穂拾いから始めることにいたしまして、こちらの写真をご覧くださいませ。
これは、現場でいただいた資料では⑩と表示されている「膳屋(かしわや)」というもので、
神饌を調理した建物。⑩からは悠紀殿まで、⑪からは主基殿まで、それぞれ行列を立てて、神饌が持ち運ばれた。
いわばキッチンですなで、造りは、むしろの壁に、シート張りの屋根と、質素というか「粗末」なもの。ただ、気になるのは、壁一面
につけられている「飾り」です。西側の膳屋⑪を間近に見ますと
、
一見、「榊(さかき)」か? と思いますが、スダジイ(ヒゲじいではありません
)の小枝です
スダジイは膳屋2棟だけでなく、「新穀を保管した建物」斎庫(さいこ)㉒の壁面、
さらには、「神域」を囲む芝垣にもあしらわれていました。
素直に考えると、神事には榊がつきものですが、どうしてスダジイが使われているのでしょうか?これは「椎の和恵(しいのわえ)」「和恵差(わえさし)」あるいは「志比乃和恵」とも表記されるモノだそうで、「昔からそう決まっている」みたいです
「後編」で、
まず目に入ったのは、皮をつけたままほとんど生木の部材が、鳥居や千木、鰹木などに使われていたこと。
と書きましたが、この皮をつけたままの木材を使った建築は「黒木造(くろきづくり)」というそうですが、この黒木造は「鳥居や千木、鰹木」だけでなく、灯籠(黒木灯籠)とか、
「大嘗宮の儀に先立ち、天皇皇后両陛下がお召替えなどをなさった建物」廻立殿(かいりゅうでん)では、柱や梁だけでなく、階段まで黒木造でした
これもまた「昔からそう決まっている」のでしょうが、昔(前回)とは違っているのが、悠紀殿・主基殿の屋根です。経費節減
のため、前回までの茅葺きから板葺きに変更したのだそうな。
でも「板葺き」といっても、大きな板をドーン ドーン
と並べるのではなく、小板を並べているんですなぁ。これだって、相当お金
がかかりそうです
大嘗宮参観の「落ち穂拾い」はこのくらいにしまして、その後のお話に行きます。
皇居東御苑を平川門から退出した私は、「前編」に載せた行程にあるように、白山通りを歩いて神田神保町に向かいました。
皇居周辺のお食事処は大嘗宮参観客で混んでいる
だろうと踏んで、神保町でコスパ
に優れた昼食
を摂ろうという算段
です。時刻は13:00をちょい過ぎですから、昼食ラッシュ
も終わっているでしょうし…
神保町に着くと、まずはコーヒーショップで一服
ふぅ~~ 自宅を出発してから初めての一服
が効く~
一息ついたところで、食事処を物色した上で、とあるレストランに入って、エビフライ&ハンバーグを食しました。
もうちょいエビは太くあってほしかったのですが、それでも、これ(味噌汁は豚汁
)で1,000円
ですから、さすがは神保町
若かりし頃(杉並の会社寮に住んでいた頃)、2カ月に一回は神保町に出撃していた私ですが、ここしばらくは、1~2年に一回程度
と、ずいぶんと足が遠のいてしました。
変わるところは変わっているけれど、基本的に変わっていない神保町、ほ~~んとに久しぶりに足を踏み入れた古書店たちは、その店の佇まいも、店内の静けさや書架・平置き台の眺めも、そしてなによりも、店内に漂う独特の匂いに、昔のことを思い出さずにいられませんでした
それにしても、古書店って、古いモノなら何でも売っているんですな
三島由紀夫の自筆原稿とか、澁澤龍彦からの書簡
(旧・与野市円阿弥の人宛て
)とか、陳列棚のガラス越しながら、ガン見
させていただきました。
そして、こちらの本を購入
しました
「昭和写真・全仕事 SERIES 14【入江泰吉】」
でございます。
1984年2月刊(朝日新聞社)で、当時の定価が2,500円だったところを、1,000円(税込)で買えました。
2週間前の関西旅行(ダイジェストはこちら)のとき、入江泰吉記念奈良市写真美術館で拝見した入江さんの写真が凄く凄くステキ
だったもので、購入してしまいした。
店頭ではセロファン包みだったため、中味を確認することができませんでしたが、自宅で中を見ますと、おぉ
、美術館で拝見した写真がたくさん載っています
いやぁ~、うれしい
改めてネットでこの本
を探すと、数百円
で売られていたりしますが
、いいんです、こんなことも、古書買いの醍醐味の一つなんですから
ずっしりと重くなったバッグを肩に、都営地下鉄
で新宿まで行き(いつの間にやら、都営地下鉄も急行を走らせるようになってるんですな
)、買い物
をしたあと、埼京線
に乗って帰宅しました。
いつもいつも工事中のJR新宿駅、この日はコンコースの天井板が外されて、中の配線が丸見え
無数のケーブルがのたくっていて、なんだか大友克洋っぽい…
というわけで(どういうわけ?)で、ほぼ日中いっぱい歩き回って、途中の買い物でますます重くなった
バッグを肩に、無事に自宅に帰還したのでありました。
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