先日録画したNHKの「ハイビジョン特集 法隆寺」を観ました。
法隆寺は、現存する世界最古の木造建築として有名ですが、その地位を保っていられたのは、戦乱・戦災に遭わなかったこと、大規模な火災に遭わなかったことももちろんですが、長持ちする材料を使い、長持ちする工法を用いたこと、そして、不断の修理を怠らなかったことがその要因だったようです。
この番組の中で、伝説の宮大工、西岡常一さんが語る、法隆寺の宮大工に代々伝わる教えが紹介されていました。
曰く、
伽藍(がらん)造営には四神相応の地を選べ
伽藍造営の用材は木を買わず山を買え
山の木は生育の方位のままに使え
木組みは寸法で組まず木の癖を組め
というもの。
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木のいのち木のこころ―天・地・人 (新潮文庫) 価格:¥ 900(税込) 発売日:2005-07 |
このことば、MISIAファンの方にはピンと来るんじゃありませんか?
そう、この話は、THE SINGER SHOWツアーの時、MISIAがMCの中で紹介していましたよね。「漢字の『工』の字は、天と地を結びつける人の営みを示している」という話に続いて…。
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THE SINGER SHOW~THE TOUR OF MISIA 2005 [DVD] 価格:¥ 5,040(税込) 発売日:2005-07-07 |
MISIAは、このMCのネタをどこから仕込んだんでしょうかね(上に載っけた西岡さんの本っぽいな。タイトルも「工」の字の話に通じるし…)。またもや感心してしまいます。
1300年以上も前に建てられた木造建築が、連綿として続けられた保護・補修活動があったとは言え、現存しているというのに、最近の鉄筋コンクリート造りの建物って、なんと短命なんでしょうかねぇ?
日本人は進歩したのか退化したのか判らなくなってしまいます。
のおまけ写真は、約2年前に法隆寺に行った時に撮った「法隆寺・東大門」です。
この門、南側・西側の人目につきやすい柱に、節が目立つ材木が使われているんだそうな。節がある、ということは、この木が日当たりのよい側(南側)に生えていて、枝を伸ばしていたことを意味するんだそうです。まさしく、「山の木は生育の方位のままに使え」を実践してということなんですね。凄いです
こちらのブログはちょくちょく拝見してましたが、初コメントします。
MCでした話の元ネタは、「宇宙樹」という本だったと思います。
私も実際読んではいないので、確かな事は言えませんが(汗)
ようこそいらっしゃいました。
そして、情報をありがとうございます。
さっそく、竹村真一さんの「宇宙樹」を立ち読み[E:happy01]してきました(美術書でもないのに180ページ弱で¥2,520[E:shock]じゃ、ちょっと手がでません…)。
で、ご指摘のとおり、MCの直接の元ネタは「宇宙樹」かもしれませんね。
「第三章 『工』の思想/森の思想」は、のっけから「工」の字の意味で始まって、「木を買わずに山を買え」云々の話が続きますしね。
ただ、「宇宙樹」の記述の元ネタは、やはり西岡棟梁の口伝でした。
それにしても、さっき行ってきた丸善さんの店内のあちこちにおかれた端末装置[E:pc]には驚きました。書名や著者名の一部を入力して検索すると、在庫はもちろん、陳列棚の位置まで教えてくれるのですから。お目当ての本にまっしぐら[E:run]したい人には強力な味方です。
amazonに注文した「木のいのち木のこころ 天・地・人」の出荷案内が届きました。楽しみです[E:lovely]
そうでしたか。失礼しました(汗)
ところで、「宇宙樹」は、MISIARTH(ラジオ)にゲストでいらした
松浦弥太郎さん(中目黒の古書店・COW BOOKSを経営)が、
MISIAにプレゼントした本でした。
(松浦さんのお名前が思い出せなかったので、
この前のコメントには書きませんでしたが)
>180ページ弱で¥2,520
って、それだけで読むのをためらってしまいそうですが、
いただいた本とはいえ、
それを読んだMISIAってすごいなぁって思います[E:happy02]
>(中目黒の古書店・COW BOOKSを経営)が、MISIAにプレゼントした
>本でした。
な~るほど、これで合点がいきました。
「宇宙樹」の版元は「法政大学出版局、こんな学術書か教科書しか出さないようなところの本を、MISIAが買って読んだなんて、ちょっと?だったんです。
プレゼントされたのなら、それこそ180ページ弱の本だし、読むだろうな…。
納得しました!