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『キジバトの記』、11月に読了。上野晴子著。裏山書房。1998年1月刊。奥付より著者履歴: 「1926年、福岡県久留米市生まれ.畑 威・トモの六人の子の長女.高等女学校時代の一時期を東京で過ごすが、成人までの殆どは福岡で暮らす.1956年、上野英信と結婚,同年,息子朱を出産.1964年,鞍手に移り,夫と共に筑豊文庫を開設.1997年8月死去.享年70歳」。英信氏に作歌や著作を禁じられた著者が、氏の死後に、周りに勧められて著わした文章をまとめた、唯一の著書。
「気難しい男」(p.7) は、「追われゆく坑夫たち」(※1) を福岡市の茶園谷 (現在の六本松) にて執筆。
本のタイトルの由来。「夫が生きていた間、人の出入りの絶えなかった門前で、キジバトの存在に気づいた人はほとんどなかった。まして、この家の女房がキジバトの平安にあこがれていたことなど誰も知らない。・・・次の世にはキジバトに生まれ変わりたいと子供のように考えている」(pp.8-9)。
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