菊池誠さんのkikulogの記事の一部をコピペ。詳しくは本文を。
9・11(9.11)陰謀論のプロパガンダ。いい加減にしてほしいものです。
kikulogには、スティーブン・ジョーンズ氏の〝論文〟の問題点を検証するスレッドもできています(http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1297307150)。EDXの結果のいい加減な解釈などについて。
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【http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1297272746】
『ZERO 9/11の虚構』 2011/2/11
行きがかり上、『911事件を検証する公開討論会』というのに出ることになってしまいました。だんだん、気が重くなってきました。
http://911social.net/
準備のためのwikiというのがあります。たくさん書きましたが、暗い気分になるばかりです
http://911social.net/wiki/index.php
この話はまた後日書きます。
興味のあるかたは、見に来てください。
また、討論会はたぶんustream中継されると思います。本当はニコ生での中継を考えたのですが、全員の同意は得られなかったので
さて、そんなわけで、暗い気分をさらに暗くする大デタラメ映画『ZERO 9/11の虚構』を見ました。いや、こんな映画を見る必要なんかないし、そんなことは見る前からわかっていたんですけど。
頭から終わりまで、デタラメばかりの映画です。爆発音が実際の音じゃなくて効果音だったり、肝心なところは妙なアニメでごまかしたり、ドキュメンタリーの体をなしてない。
事実らしい事実なんかかけらもなくて、しかも、とっくに論破されつくした問題ばかりをあたかも未解明であるかのように並べるだけです。
でも、プロパガンダとしてはよくできています。
ネットを見ると、この映画を真に受けてしまった人たちも結構多いみたいです。映画館はそれなりに混んでいたし。メディア・リテラシーってやつの問題なんでしょう。困ったものです。
ダリオ・フォーが楽しそうに陰謀論を語るところを見ていると、なんとも言えない嫌な気分になります。この人は単なる「陰謀大好きおじさん」なのでしょう。ノーベル文学賞ですけどね。この人のしゃべりを見れば、この映画がいかに信用ならないか、すぐにわかりそうなものですけど、陰謀論を信じたい人たちはそうは思わないのでしょうかね。
一番許しがたいのは、配給したきくちゆみさんやパンフレットに解説を書いた童子丸開さんは「内容に誤りがあること」を知っていたのに、字幕でもパンフレットでもなんの注釈もつけていないことです。これはひどいよね。内容を信じているのならまだしも、間違いと知っていて隠すのはないよね。それって、もはや間違いじゃなくて「嘘」でしょう。それは、以下に書く「5mの穴問題」なんですけどね。
なんでも、東京で上映したときには、「5mの穴」は誤りだというチラシを配布したそうですが、大阪ではそんなものはなかったし、たぶん他の地方でも配られてないのでしょう。東京だけはチラシを配るって、どういうことですかね。
この「5mの穴問題」は日本語字幕製作の時点でもはっきりわかっていたし、パンフレット製作の時点でもはっきりわかっていました。童子丸氏はパンフレットの解説にこれを「書かなかった」と認めています。でも、スペースの都合なんかじゃないのですよ。だって、その「解説」の下にはずいぶん広い「無駄スペース」があるのだから。だから、知っていたのに敢えて書かず、ただ、ごく一部の観客にだけチラシを配ったわけ。
これはひどすぎるよね。
嘘だとわかっていることをそのままなんの注釈もなしに伝えて、「真相究明」もへったくれもないと思います。見て、真に受けちゃった人こそ怒るべきですよ。
いや、「5mの穴」以外にもたくさんの自明な誤りがあるので、たぶん童子丸氏はほとんど全部知ってるんじゃないかな。あれだけ911に詳しい人が知らないはずはないから。
そんなこんなで、暗い気持ちになるわけです。(1)嘘ばっかりの映画 (2)事実を隠蔽している (3)真に受ける人がたくさん、ですから。せめて、嘘や間違いは訂正するのが筋ってもんです。
なにがどう間違っているのか、詳しくはmsqさんの解説
http://www.nbbk.sakura.ne.jp/911/zerov.html
skeptics' wiki
http://sp-file.qee.jp/cgi-bin/wiki/wiki.cgi
奥菜さんの『陰謀論の罠』、ASIOSと奥菜さんの『検証 陰謀論はどこまで真実か パーセントで判定』に収録された長澤さんの解説などを読んでいただければよくわかります。
以下には、『ZERO 9/11の虚構』から、5mの穴以外のペンタゴン関係の自明な間違いをいくつか列挙しておきます。ありていに言うと、ペンタゴン関係の話はほとんど全部間違いです。これはひどすぎる。
・・・・・・。
民間機を問答無用で撃墜するだなんて、いくらなんでもめちゃくちゃです。彼らの言い分を信じるなら、もっと頻繁に民間機が撃墜されているはずですよ。だって、レーガン空港が近いんだもの。
そんなことくらい配給したきくちゆみさんも解説を書いた童子丸さんもわかっていて当然でしょう。ひどいよね。
嘘ばっかりなのに、最後は被害者の父とか仲間をなくした消防士とかの声で終わる。最低です。
もちろん、心に大きな傷を負った彼らが陰謀説にのめりこんだとしても、それはしかたないと思います。この人たちを責めるべきではない。
でも、楽しそうに陰謀を語るダリオ・フォーとかスティーヴン・ジョーンズとかは許せないよね。製作者も配給者も解説者も許せないよね。陰謀好きが被害者を利用してるだけだよね。
とにかく、嫌な気分しか残らない、最低の映画でした
でも、この映画を真に受ける人もたくさんいるらしいから、びっくりさせられます
お願いだから、こんな馬鹿な映画を見て、信じないでくださいよ。
被害者の父には同情すればいいんです。でも、そのこととそれ以外の映画の内容とは、まったくなんの関係もない。
メディア・リテラシーの練習問題みたいなもんですよ。
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