THE JOURNALに出ていた『創』編集長 篠田博之さんの「メディアウォッチ」より(http://www.the-journal.jp/contents/shinoda/2011/11/ol_1.html)。
『冤罪ファイル(冤罪File)』を見るまでもなく、世の中、冤罪だらけ。飯塚事件 (久間三千年さん)のように死刑制度存置の大弊害が出てしまった、取り返しのつかない冤罪事件もある。警察や検察の問題もあるが、裁判所の問題がもっと騒がれるべきだと思う。明確な冤罪を見抜けない、気づいても補正できない。そもそも制度自体に反対だけれども、裁判員制度で「迅速性」のみが追い求められたら、ますます冤罪事件が増えてしまう。
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【http://www.the-journal.jp/contents/shinoda/2011/11/ol_1.html】
東電OL事件現地調査に参加しました
11月20日、再審請求が行われている東電OL事件についての集会と現地調査が行われました。集会の後、事件現場に行ってみるという現地調査には約30人ほどが参加したのですが、再審をめぐる動きが注目されているためテレビカメラも何台か同行しました。現場周辺の渋谷区円山町はラブホテル街なのですが、ぞろぞろと通りを歩く一行に、ホテルに来たカップルたちも驚いたのではないでしょうか。
事件からもう10年以上たっているのですが、殺害現場のアパートと、逮捕されたゴビンダさんが住んでいたアパートはほぼ当時のままでした。写真で見るとわかるように、両方のアパートは隣接しており、ゴビンダさんが女性を殺害後、施錠もせずに現場を立ち去り、逮捕されるまで10日も隣のアパートで暮らしていたというのが不自然であることはすぐわかります。この事件は、1審は無罪、2審で有罪に逆転するのですが、今年に入って新たなDNA鑑定により、確定判決が大きく揺らいでいます。しかも、当時検察側が隠していた被害女性の体に付着していた唾液の血液型がゴビンダさんのものでなかったことも明らかになり、冤罪であったことが明らかになりつつあります。
この11月25日には新証拠に対する検察側の見解が出される予定で、再審へ向けた動きは大詰めを迎えました。
DNA鑑定という科学の発達が冤罪を明らかにしたという側面はあるものの、上記の現場の状況などを見ても確定判決への疑問は尽きないし、足利事件や布川事件同様、こんなずさんな捜査や裁判で有罪判決が出されるのかと慄然とするばかりです。事件現場を見ながら、司法のあり方に思いをはせた1日でした。
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