[※ 《望月衣塑子のジャーナリスト精神に迫る》…森達也監督『i -新聞記者ドキュメント-』(https://i-shimbunkisha.jp/)↑]
(2024年10月14日[月])
武井保之氏による、YAHOO! ニュースJAPANの記事【伊藤詩織さん止まらぬ涙に映る絶望と希望 性暴行被害の詳細も記録するドキュメンタリーに宿る気迫と覚悟】(https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/8ecc4a55df35ad211dbb77f530655b28aa05440e)によると、《その映像版となる『Black Box Diaries』は、自身の被害の調査に乗り出していく姿を自ら記録したドキュメンタリー映画であり、5年間にわたる法廷闘争を追う伊藤さんの初監督作となる》。
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【https://youtu.be/ZQ2RLpHPF78】
‘Black Box Diaries’ – Trailer (MTV Documentary Films)
2024/09/25
BLACK BOX DIARIES follows director Shiori Ito’s courageous investigation of her own sexual assault in an improbable attempt to prosecute her high-profile offender. Unfolding like a thriller and combining secret investigative recordings, vérité shooting and emotional first-person video, her quest becomes a landmark case in Japan, exposing the country’s desperately outdated judicial and societal systems.
Director: Shiori Ito
Producer(s): Eric Nyari, Hannah Aqvilin, Shiori Ito
Co-Producer(s): Takashi Shinomiya, Ryo Yukizane, Ryo Nagai
Executive Producer(s): Robina Riccitiello, Josh Peters, Mitsunobu Kawamura
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本当に胸が塞がれそうな、伊藤詩織さん自身が監督したドキュメンタリーなのだと思います。刑事司法で〝犯人〟が裁かれているべきだったし、杉田水脈元衆院議員やはすみとしこ氏らによる誹謗中傷なども見るに堪えないものだった。伊藤さん自身がそのつらい記憶を〝Diaries〟として監督するのは大変な作業だったことと思います。
『●あの「逮捕潰し」は問い直されなくてもいいのか? 刑事は刑事、
民事は民事で済ませていいのか? アノ中村格氏がいまや警察庁長官』
《ジャーナリストの伊藤詩織氏(33)が性被害を受けたと訴えて
元TBS記者の山口敬之氏(56)に損害賠償を求めた訴訟の
上告審で、最高裁第一小法廷(山口厚裁判長)は山口氏の上告を
退けた。山口氏が同意なく性行為に及んだと認定して約332万円の
賠償を命じた二審・東京高裁判決が確定した。7日付の決定で、
第一小法廷は憲法違反などの上告理由がないとだけ判断した》
『●伊藤詩織さんによる民事裁判「私たちが勝利しました」、
山口敬之氏の高額「反訴」は棄却…なぜ刑事事件で裁けなかった?』
『●山口敬之氏事件…《逮捕寸前までいった事件が、
このように“ブラックボックス”のなかに押し込められてしまった》』
『●《被害者が司法で守られ》ないような社会でいいのか? 《被害者が
泣き寝入りして》しまうような社会でいいのか? 中村格警察庁長官殿!』
『●伊藤詩織さんによる民事裁判「私たちが勝利しました」、
山口敬之氏の高額「反訴」は棄却…なぜ刑事事件で裁けなかった?』
『●山口敬之氏事件…《逮捕寸前までいった事件が、このように
“ブラックボックス”のなかに押し込められてしまった》』
『●法的措置…《山口氏を“被害者”に仕立て上げて…伊藤さんを毀損
…性被害サバイバーや社会に「沈黙」を強いる恫喝的攻撃》』
『●伊藤詩織さんの《表明は、この現状に一石を投じ、社会を改善へ
と向かわせるものになるはずだ》…それが、いま、提訴につながった』
『●「フィクション」「伊藤さんと関係ない」は通用せず。一方、アベ様を
《サポート》するための《Truth》無き《Team》《Club》は一体何を?』
『●140文字のそのツイートには《どの部分》に『いいね』を押しても
構わない部分があったのか? まるごと中傷ツイートへの『いいね』』
『●あの「逮捕潰し」は問い直されなくてもいいのか? 刑事は刑事、
民事は民事で済ませていいのか? アノ中村格氏がいまや警察庁長官』
『●「どんな時もそばにいてくれる友だちがいたから、がんばれました」
伊藤詩織さん…改めて《ジャーナリストとして歩んでいく》ことを決意』
『●《とりあえず、うっかり「いいね」を押したら即アウト、ではない》…
杉田水脈衆院議員はどのように言動し、どの様なモノに「いいね」?』
『●山口敬之氏について、《相沢真木裁判長はクソ野郎との表現が「直ちに
人身攻撃となり、意見や論評の域を逸脱したとは断じられない」と判断》』
「大石晃子 (大石あきこ) 衆院議員が山口敬之氏から名誉棄損で訴え
られていた一審・東京地裁判決を高裁が取り消した。《22万円の
支払いなどを命じた一審判決》を取り消し、当たり前だ。東京高裁
(相沢真木裁判長) が《山口敬之氏が…「クソ野郎」》を認定した
ようなものだ。ブログ主は、公言しませんが、内心、それ以上の
罵りの言葉が使われるべきだと思っています。山口敬之氏による
犯罪を握りつぶした、アベ様や元・最低の官房長官近辺の関係者にも。
いまも、あの「逮捕潰し」は問い直されなくてもいいのか?、
と思い続けています」
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【https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/8ecc4a55df35ad211dbb77f530655b28aa05440e】
伊藤詩織さん止まらぬ涙に映る絶望と希望 性暴行被害の詳細も記録するドキュメンタリーに宿る気迫と覚悟
武井保之 ライター, 編集者
10/13(日) 8:40
((C)『Black Box Diaries(原題)』)
ジャーナリストの伊藤詩織さんが自身の性暴行の被害と、その日からの闘いを自ら監督して映像に収めたドキュメンタリー映画『Black Box Diaries』(英米日合作)が10月25日からイギリスで公開される(日本公開日未発表)。
伊藤さんが自身の性暴行被害を綴ったノンフィクション小説『Black Box』(文藝春秋社)は、『第1回本屋大賞ノンフィクション部門』にノミネートされ、『第7回自由報道協会賞』で大賞を受賞。世界9ヵ国・地域で翻訳されている。
その映像版となる『Black Box Diaries』は、自身の被害の調査に乗り出していく姿を自ら記録したドキュメンタリー映画であり、5年間にわたる法廷闘争を追う伊藤さんの初監督作となる。
ホテルで引きづられるように連れて行かれる映像も
ドキュメンタリーは、伊藤さんが元テレビ局員の記者からの暴行被害を訴えた2017年の記者会見の直後に遡る。2015年の被害発生直後に警察に通報したにもかかわらず、その捜査は2年もの間、停滞していた。
同会見で伊藤さんは、性暴行被害者として顔を出して名乗り出て、本格的な法廷闘争へと乗り出す。その過程を描く本作のなかでは、生々しい実際の音声や映像が多く使われている。
【‘Black Box Diaries’ – Trailer (MTV Documentary Films)】
(https://youtu.be/ZQ2RLpHPF78)
たとえば、被害の当日に、伊藤さんと加害者をホテルまで乗せたタクシー運転手は、記憶のない伊藤さんが「駅で降ろしてください。帰らせてください」と加害者へ繰り返し訴えていたと証言する。
そのタクシーがホテルへ着いた際のホテル車寄せと、ホテル内の防犯カメラと思われる映像も映し出される。そこには、タクシーからなかなか降りない伊藤さんを抱きかかえるように降ろしてホテルへ入る加害者と、ホテル内を引きづられるように連れていかれる伊藤さんがいる。
その映像のおぞましさに戦慄する。そして、それに追い打ちをかけるように、当時の警察の捜査官との、確実な証拠はない、諦めることが自身のため、という脅しのようにも聞こえるやりとりの音声が流される。
さまざまな記録音声、映像から、当時の彼女の悔しさ、悲しさ、絶望が沁みるように伝わってくる。
世間の心無いバッシングにも苦しめられる
しかし、会見後に伊藤さんはそのときの服装からバッシングを受けるようになる。そこには、世間だけではなく、マスメディアからの声もあったという。伊藤さんは「娼婦と言われた」と法務省の記者クラブの手ごわさと恐ろしさを語っている。
また、インターネットやSNSでの中傷、誹謗中傷だけでなく、売名行為と彼女を怒鳴りつけにくる人もいた。そんなネガティブな世の中のリアクションのすべても作品のなかで映す。
そこからさらに事件とは無関係なことでの彼女へのバッシングは加熱していく。そんな日々に、PTSDを患う彼女は、睡眠導入薬がないと眠れない生活を送っていた様子も明かされる。
((C)『Black Box Diaries(原題)』)
それでも彼女は、気丈に自らカメラをかついで駆け回る。逮捕状が出ていた加害者の逮捕にストップをかけた当時の検察責任者の自宅に取材をかける果敢な姿も映された。
加害者の周囲の関係者への取材では、謝罪があった一方、どこか他人事のような意識がにじむ発言もあった。人生をかけて闘っている伊藤さんとはかけ離れた姿勢を感じさせるメディア関係者と彼女の温度感の対比も印象的だ。
心の痛みへの耐え方がわからなくなったときに起きたこと
当時の心境を伊藤さんは「被害者として自分に真正面から向き合うと、押しつぶされてしまう」と、事件を追求することで自分を無理やりにでも奮い立たせていたことを明かす。その根底には、被害者になってわかったことや、被害者が弱い存在であることに対する違和感がある。それが彼女を支えていた。
しかし、そんな彼女もひとりの女性であり、限界に追い込まれたときもあった。あるところで、スクリーンがブラックアウトする瞬間がある。
加害者だけでなく、警察や司法、顔のない世間の声と闘うなか、心の痛みへの耐え方がわからなくなった。そのときに起きていた出来事も赤裸々に映像で綴られる。涙する彼女の姿に心をえぐられるようだった。
被害の日の詳細を映像に記録する覚悟
本作の後半、民事裁判への出廷の前日に家族と過ごす時間が映される。そこでは、被害の日に起きたことの詳細が語られる。そのときの彼女の姿からは、どれだけ時間が過ぎても決して癒えぬ心の傷の深さを痛感させられ、胸が痛む。
法定に立った伊藤さんは、加害者との間についたてを置かない。それは「私はここにいる」と示すためだったという。
彼女はいまでも、日々の生活のなかで、被害当時と重なるシチュエーションに遭遇すると、無意識のうちに体調が悪くなる。そんなトラウマを発症するトリガーが日常に潜んでいるなか、その根源である加害者と向き合い、目を合わせ、彼が目をそらすまで視線を外さなかった。
過去の傷のひとつを乗り越えたように見えた。しかし、伊藤さんはそこから「また新しい悪夢は生まれる」とも語っている。
(民事裁判の判決後には多くのメディアと支援者が
押しかけた(C)『Black Box Diaries(原題)』)
いくつもの涙を流してきた壮絶な闘い
本作のなかでは、何度も彼女の涙が映される。それは、悔しさ、悲しさ、やりきれなさ、憤りであり、後半には喜びや安堵もある。スクリーンからはそのすべての感情があふれ出してくる。
伊藤さんの母は、民事訴訟での勝訴のあと、顔を出して活動することに反対していた彼女の妹、弟との再び家族へ戻る道がはじまると語っている。それほどまでに壮絶な闘いを強いられてきたのだ。
ただ、彼女の闘いは終わっていない。判決後、加害者は外国人記者クラブで会見を開き、彼女がいるその場で、犯罪行為はないと主張した。彼女にとって2019年12月18日の勝訴は、ひとつのピリオドではあるが、終わりではなかった(加害者側の上告から裁判は続くが、2022年7月に最高裁判決で勝訴が確定。本作の記録は2019年の判決まで)。
ドキュメンタリーが社会に与える希望
本作は彼女の25歳から33歳までの闘いの日々の記録であり、ひとつのマイルストーンまでの軌跡。裁判は終わったが、それで彼女の心の傷が消えることはない。これからも向き合いながら生きていかなくてはならない。彼女が一生背負っていく十字架になるのだろう。
女性だけに限らず、このドキュメンタリーを見た誰もが彼女の苦しみを自分ごととして感じるはずだ。もし身の回りの家族や親戚、友人、知り合いが被害にあったら、自分には何ができるのかと思いを馳せる。同時に加害者への怒りが湧き上がる。
観客は心からそれを感じさせられ、考えさせられたに違いない。『第29回釜山国際映画祭』での上映後、満席の劇場は拍手に包まれた。
彼女の勇気ある映像への記録は、同じ境遇の人や声を上げられない人、この先試練に直面するかもしれない人にとっての希望になることだろう。
武井保之 ライター, 編集者
音楽ビジネス週刊誌、芸能ニュースWEBメディア、米映画専門紙日本版WEBメディア、通信ネットワーク専門誌などの編集者を経てフリーランスの編集者、ライターとして活動中。映画、テレビ、音楽、お笑い、エンタメビジネスを中心にエンタテインメントシーンのトレンドを取材、分析、執筆する。takeiy@ymail.ne.jp
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