東京新聞の社説(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2011121702000054.html)。大手新聞でこのスタンスというのは東京新聞ぐらいなのかな? 「あきれ返る」とまで、よく言ったと思う!
山岡俊介さんのアクセスジャーナルの12月17日の記事も(http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/)。
いや~、本当に呆れかえります。いったい何が達成され、何が解決したというのでしょうか? いまだに水を〝かけ流し〟で、周辺の海や地下水を汚しまくっているのに。大気や土壌を汚したままなのに。「事故収束宣言」をFUKUSIMAの人たちはどう思うだろう? 世界に向けては、これは詐欺的行為ではないだろうか? 腹立たしい限りだ。恥ずかしい限りだ。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2011121702000054.html】
事故収束宣言 幕引きとはあきれ返る
2011年12月17日
福島第一原発の「事故収束」を野田佳彦首相が宣言した。放射性物質の放出や汚染水の懸念も残り、絶対安全の保証はどこにもない。廃炉までの長き道のりを考えれば、幕引きとはあきれ返る。
「原子炉は冷温停止状態に達し、事故そのものが収束に至った」と述べた野田首相の言葉に誰もが耳を疑ったことだろう。
原発建屋内ではいまだに高い放射線量が計測され、人が立ち入れない場所もある。さっそく現場作業員から「政府はウソばかり」と批判の声が上がったほどだ。
そもそも「冷温停止」という言葉は正常運転する原発で用いられる。「状態」というあいまいな文字を付けて宣言にこだわる姿勢は、幕引きありきの政治的な思惑からだろう。
廃炉へ進める節目とすることや、「いつ戻れるのか」という避難住民を少しでも安心させようという狙いがあろう。全国の原発の再稼働はむろん、世界へ原発輸出を進める底意もうかがえる。
だが、福島第一原発は「収束」どころか、溶け出した核燃料が格納容器内でどうなっているかもつかめず、ただ水を注ぎ込み、冷却しているにすぎない。
循環注水冷却システムが正常に機能すればいいが、大きな地震が襲えば、再び不安定化する心配はつきまとう。綱渡り状態なのが現状ではなかろうか。
放射能汚染水処理も難題だ。建屋への一日四百トンもの地下水流入は続いており、保管タンクはいずれ満杯になる。むろん海への放出など、漁業者や国際的反発などから安易に考えるべきでない。
廃炉となると、核燃料取り出しに「十年以内」、炉の解体など最終的に「三十年以上」かかる見通しだ。その過程で放射能漏れなどの事故が起きる可能性もある。要するに課題山積なのだ。
原発から半径二十キロ圏内の警戒区域と北西に延びる計画的避難区域を新たに三つの区域に再編する予定だ。年間放射線量が二〇ミリシーベルト未満を「解除準備区域」、二〇ミリシーベルトから五〇ミリシーベルトを「居住制限区域」、五〇ミリシーベルト以上を「長期帰還困難区域」に分ける。
「解除準備区域」では除染とともに住民が戻れるようにするというが、子育て世代が安心して帰還できるだろうか。社会インフラの機能回復も見通せないままだ。
収束宣言の内実は、原発事故の未知領域に足を踏み入れる「幕開け」といった方がいい。
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【http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/、12月17日の記事】
2011/12/17
緊急連載:政府関係者激白②「原発事故は収束」は大嘘
執筆者: Yamaoka (8:20 pm)
この連載①に続き、福島原発事故について政府関係者A氏の証言をさらに紹介しよう。(冒頭写真=「毎日」12月17日記事)
政府は12月16日、原子力災害対策本部(本部長・野田佳彦首相)を開き、東京電力福島第一原発の原子炉が「冷温停止状態」になったと発表。大手マスコミは何ら検証せず、それをそのまま報じた。
だが、連載①で見たように、実際のところ、メルトスルーした核燃料はどこにあるのか誰もハッキリとは確認できていないのだ。格納容器内に止まっていると東電などがいうのはあくまで推測、希望的観測でしかなく、そんな状況が「冷温停止」のわけがないではないか。
「いいですか。『冷温停止』の定義は3つあって、(1)圧力容器底部温度が
100℃未満(2)原子炉の放射性物質の管理・抑制が出来ている
(3)放射性汚染水を原子炉の冷却水に再利用する
循環注水冷却システムの安定運転の維持が出来ている、この3つが
揃って始めていえることなんです。
いまの福島第一は(1)がかろうじて出来ているだけ。だから、
冷温停止のわけがない。それなのに、勝手に定義を変え、そうだという。
否、正確にいえば、『冷温停止』ではなく、『冷温停止状態』と“状態”が
付いているが、現状はそんな状態に近くすらない。完全にウソ、デタラメと
いわざるを得ない」(A氏)
それどころか、もし、1~4号機の1つでも原子炉格納容器内の核燃料が漏れ出ていれば(メルトスルー)、未だ首都圏崩壊の懸念さえあるというのだ。
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