[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]
1年ほど前のリテラの記事【加計だけじゃない、国家戦略特区は安倍首相のお友達優遇の巣窟だった! 竹中平蔵が役員の会社、成田の医学部新設も】(http://lite-ra.com/2017/06/post-3229.html)と、
日刊ゲンダイの記事【利権の巣窟 国家戦略特区の闇を暴く/「ミスター特区」竹中平蔵氏が諮問会議議員の利益相反】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/207453)。
リテラの記事【「高プロ法案」強行採決を許していいのか!/“高プロの旗振り役”竹中平蔵がグロテスクな本音全開!「残業代は補助金」「高プロ対象はもっと拡大しないと」】(http://lite-ra.com/2018/06/post-4082.html)。
《安倍応援団たちや新自由主義者たちはこの犬も食わないような話のすり替えに丸乗りし、「結局、文科省は既得権益にしがみついているだけ」「足を引っ張るから規制改革は進まない」などと安倍首相に加勢…安倍首相が民間議員に選んだお友だちである竹中氏もやりたい放題…もうひとつ安倍首相には“アベ友特区”疑惑が浮上…国際医療福祉大学も…加計そっくりの医学部開設認可の経緯》。
《それを、わずか4人の閣僚と、5人の民間議員がトップダウンで決めてしまうのだ。実に問題の多い制度なのだが、“ミスター特区”ともいえる存在が、東洋大教授の竹中平蔵氏である》。
《実際、その高プロ創設の「本音」は、この男がすでに暴露している。経団連とともに高プロ創設の旗振り役となってきた、竹中平蔵だ。竹中は21日付の東京新聞の記事でインタビューに応じ、「時間に縛られない働き方を認めるのは自然なこと」などとデタラメな高プロの必要性を強調する一方で、平然と、こんなことを述べているのだ。「時間内に仕事を終えられない、生産性の低い人に残業代という補助金を出すのも一般論としておかしい」》。
『●「残業代ゼロ法案」: お零れが滴り落ちてくるどころか
対象が下へ下へと『トリクルダウン』』
『●「安く労働者を使うために裁量労働制を悪用…。
裁量がない人に適用すれば、働く人を使いつぶす制度に…」』
『●高度プロフェッショナル制度導入の
社会的事実「立法事実」を支えるのは…たった1人の調査対象者の声!?』
これも1年ほど前の記事ですが、アクセスジャーナルの山岡俊介さんの【<記事紹介>「官邸の後押しで医学部新設『第2の加計疑惑』が急浮上」(情報誌『ベルダ』6月号。本紙・山岡)】(http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/details.php?blog_id=8098)によると、《今年4月、「国際医療福祉大学」(高木邦格理事長)の医学部が千葉県成田市に開設されたが、これは首相官邸の意向を直接反映できる「国家戦略特区」として認可されたもの。いま安倍政権を揺さぶっている「加計学園」同様の構図で、国際医療福祉大学医学部にも、数々の疑惑が」。
『●アベ様のオトモダチへの依怙贔屓…
呆れるほどの「屁理屈」も辞さずの「異例の「滅公奉私」」(東京新聞)』
「最後に、第3か、第4の森友か、第2の加計か知らないが、まだ弾けていない
「国際医療福祉大学」問題について、アクセスジャーナルの山岡俊介さんの
記事【「ポスト加計」報道などで本紙と係争中ーー「国際医療福祉大学」の
創立時から10年以上、代表権持つ理事に就いていた渡辺喜美参議院議員】」
「特区ビジネス」でも、「私腹を肥やしてきた」学商の利益相反。
学商=竹中平蔵氏…「自分が関わったところで自分が利益を得るという構図」…それは、偶然ではない。《コネや肩書を利用した非・自由競争》、ヤラセ。《竹中氏は一体、どういう立場で諮問会議に参加しているのか。学者なのか、企業の代表者なのか》? つまり、『学商』。大学は利益相反のチェックしていないの?、あるいは、チェックしなかったの??
『●竹中平蔵氏のパソナによる「自分が関わったところで
自分が利益を得るという構図」に乗っかって大丈夫か?』
すいません、ツイッターからコピペさせていた画像:
[https://twitter.com/yohei_tsushima/status/1009649260697038848]
パソナの学商・竹中平蔵氏による一人PDCAサイクル。小泉純一郎氏の政権以来、こんな学商を有難がり、未だに露骨に「偶然に利益を得る」こんな学商を有難がる腐りきった自公政権。PASONA (P プランから A アクションまで御一人で 、SONA ソンナの関係ねぇ…な状態)がニッポンを侵食・浸蝕。
《労働者を命のない使い捨ての道具として搾取しようとする「理性のない」人間》そんな方が唱える「高プロ万歳!!」…どうやって信じろと?
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【http://lite-ra.com/2017/06/post-3229.html】
加計だけじゃない、国家戦略特区は安倍首相のお友達優遇の巣窟だった! 竹中平蔵が役員の会社、成田の医学部新設も
2017.06.09
(自由民主党HPより)
「実際にこのメールを見た」──前川喜平・前文科事務次官の証言につづき、今度は「現役」たちが口を開いた。複数の文科省職員が、「官邸の最高レベルが言っている」と書かれた文書を文科省の職員たちがメールで共有していたことを示すメールの写しは実在したものだと証言したのだ。
さすがにここまでくると「怪文書」と呼べるはずがないが、安倍政権の姿勢は相変わらず「再調査の必要なし」と責任を放棄したままで、松野博一文科相は“実名で顔出しすれば検討する”などと言い出す始末。そんなことをすれば前川氏に行ったような官邸による報復が待っているのは確実で、またも恫喝で真実を隠蔽しようとしているのだ。
しかも、呆れかえるのは、疑惑の中心人物である安倍首相の放言だ。野党からの問題追及に対し、安倍首相は恥ずかしげもなくこんな主張を繰り返している。
「岩盤規制改革をスピード感をもって進めるように、つねに指示してきた」
「既得権益を握る勢力の抵抗は避けられない。安倍政権は絶対に屈しない」
「加計学園の問題の本質は岩盤規制にどう穴を開けていくかだ」
問題の本質が「岩盤規制に穴を開けること」……? そうならばさっさと文書の調査をして潔白を晴らせばいいだけで、それもやらずに「岩盤規制」を連呼するとは笑止千万。だが、この主張でどうやら安倍首相は押し切るつもりらしい。
実際、安倍応援団たちや新自由主義者たちはこの犬も食わないような話のすり替えに丸乗りし、「結局、文科省は既得権益にしがみついているだけ」「足を引っ張るから規制改革は進まない」などと安倍首相に加勢している。
しかし、はっきり言って「獣医学部の新設」は、「岩盤規制にドリルで穴を開ける」ようなものではまったくない。いや、安倍首相が大義名分のように掲げる国家戦略特区という制度自体が、私物化の温床となっていると言うべきなのだ。しかもそれは、安倍首相のみならず、政権の「お友だち」がグルになっている腐敗っぷりなのである。
パソナ、オリックス、特区事業に諮問会議議員の竹中平蔵が役員の企業が
その「お友だち」のひとりが、国家戦略特区諮問会議の民間議員である竹中平蔵氏だ。昨年、国家戦略特区で神奈川県において家事支援外国人受入事業の実施を認めたが、この事業者に選ばれた企業にパソナがある。いわずもがな、竹中氏はパソナグループの取締役会長である。
さらに、2014年に国家戦略特区に選ばれた兵庫県養父市では、企業による農地の所有を認めるなどの規制緩和が行われたが、そこにもオリックスが100%出資する子会社のオリックス農業が参入している。オリックスといえば、こちらも竹中氏が社外取締役を務める企業である。
安倍首相が選んだ民間議員が国家戦略特区を利用して、自らの会社に利益をもたらしている──。しかも、竹中氏は、2016年2月5日の国家戦略特区諮問会議において、農業生産法法人の出資・事業要件の緩和を強く訴え、こう述べている。
「(養父市が)ここまでやりたいと言っているものを万が一にも国ができない
ということになれば、これは国家戦略特区の仕組みそのものの信任が
揺らぎますし、地方創生を否定することにもなると思います」
「この農業生産法人の問題こそが岩盤中の岩盤、ザ・岩盤だと思います。
このザ・岩盤の背後にはザ・抵抗勢力とザ・既得権益者がいて、これをどう
突破できるかというのが本当にいろいろな意味での象徴になろうかと思います」
まったく何が「ザ・既得権益者」だ。結局、その「ザ・岩盤」に穴を開けた結果といえば、自身の関係する企業が参入して甘い汁を吸うというマッチポンプの利益供与ではないか。つまり、安倍首相が主張する「岩盤」とやらは「自分たちにとって目障りなもの」でしかなく、権力というドリルで強引に新たな権益をつくり出しているにすぎない。
安倍首相が民間議員に選んだお友だちである竹中氏もやりたい放題。別の意味でも国家戦略特区はまさに“アベ友特区”だらけだったわけだが、しかも、もうひとつ安倍首相には“アベ友特区”疑惑が浮上している。それは国家戦略特区によって前年の東北医科薬科大学に続きじつに約40年ぶりに医学部新設が認められ、事業者となった千葉県成田市の国際医療福祉大学の問題だ。
国際医療福祉大学も…加計そっくりの医学部開設認可の経緯
この問題はなぜか、安倍応援団やネオリベ学者が報道される前から「関係ない」と喚いているが、その経緯は明らかに不透明だ。
国際医療福祉大学の場合も、新設理由に医師不足などが挙げられていたが、厚労省の医療従事者の需給に関する検討会で〈中位推計からいきますと2024年に需給が均衡する〉と報告されており、日本医師会をはじめとして医学部を新設する必要はないという批判があがっていた。にもかかわらず、あっさりと認められてしまった。
さらに、事業者の公募は2015年11月12日からたったの1週間で締め切られ、国際医療福祉大学の1校のみが応募。また、キャンパスの土地は成田市が約23億円で買い上げ同大に無償貸与し、建設費用も半分にあたる約80億円を成田市と千葉県が負担。その上、隣接地に開学した看護学部と保健医療学部の用地取得や校舎建設にも約50億円の補助が行われている。──何から何まで加計学園の問題とそっくりなのである。
なぜ、加計学園と同じように国際医療福祉大による医学部新設はゴリ押しされたのか。やはりここでも浮かび上がってくるのは、官邸の暗躍と、同大を運営する学校法人国際医療福祉大の高木邦格理事長と安倍首相の“接点”だ。
高木理事長は、病院経営者としては〈02年に旧国立の熱海病院、05年に日本たばこ産業東京専売病院、08年にJA栃木塩谷総合病院、と病院を次々と買収した際は、その豪腕ぶりに批判が噴出した〉人物。一方、高木氏は自見庄三郎元議員の秘書を務めた経験をもっており、政界に強いパイプがある。また、同法人には谷修一・元厚生省健康政策局長や松谷有希雄・元厚生労働省医政局長が「天下り」しており、官庁とのつながりも深い(「FACTA」2016年8月号)。
そんななかで、安倍首相と高木理事長を繋いだといわれているのが、黒岩祐治・神奈川県知事だ。黒岩氏といえば、安倍氏の下野時代にDHC『晋ちゃん&黒ちゃんのシンクロナイストーク』(DHCシアター)という番組で共演するほどの仲。他方、黒岩氏は2009年9月いっぱいでフジテレビを退社したが、同年10月1日には国際医療福祉大の大学院教授に就任。それだけでなく、同大学が株主であるコンテンツ制作会社・医療福祉総合研究所の副社長まで務めていたのだ。
一方、ジャーナリストの山岡俊介氏は、「アクセスジャーナル」の記事のなかで渡辺喜美・日本維新の会副代表が繋いだ可能性も指摘している。
当時から、国家戦略特区の決定に官邸が動いていたとの報道が!
どちらにせよ、医学部新設にいたるなかで何らかの力が働いたのではという疑惑は変わらないが、この国家戦略特区の強引な決定に、当時、「エコノミスト」(毎日新聞社)2016年9月20日号も「裏がある」ことを示唆し、このようにまとめている。
〈形式上は特区の公募に応じた形だが、当初から高木理事長が
特区のあり方を検討する区域会議の構成員に選ばれるなど
あからさまな出来レースだった〉
〈国家戦略特区を取り仕切る官邸から強い後押しがあった
とされるのは公然の秘密だ〉
「第3の森友」問題である国際医療福祉大医学部新設についてはさらなる追跡を行いたいが、ともかく、竹中氏のケースを含め、国家戦略特区というシステムはいくらでも私物化ができるかたちになっていることはたしかだ。安倍首相は国家戦略特区について、「私の意向は入りようがない」などと宣ったが、そんな見え透いた嘘は通用するはずがないだろう。
(編集部)
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【https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/207453】
利権の巣窟 国家戦略特区の闇を暴く
「ミスター特区」竹中平蔵氏が諮問会議議員の利益相反
2017年6月16日
(自民党ブレーンの竹中平蔵氏(央)/(C)日刊ゲンダイ)
加計学園問題をきっかけに、国家戦略特区の実態が明らかになってきた。「岩盤規制の打破」を名目に、仲間内や特定企業に利益を分配してきた疑惑である。それを、わずか4人の閣僚と、5人の民間議員がトップダウンで決めてしまうのだ。
実に問題の多い制度なのだが、“ミスター特区”ともいえる存在が、東洋大教授の竹中平蔵氏である。
「小泉政権の構造改革特区の時代から、常に特区制度に寄り添い、
レントシーカー(利権屋)として暗躍してきた。安倍首相に特区制度を
提言した張本人ともいわれ、もちろん国家戦略特区の諮問会議にも
名を連ねています」(自民党関係者)
昨年7月、神奈川県の特区で「家事支援外国人受入事業」が規制緩和された。その事業者に認定されたのが、大手人材派遣会社のパソナだ。竹中氏はパソナグループの会長を務めている。諮問会議のメンバーが、自分の会社に有利になるような規制改革をし、実際に受注しているわけだ。
「国家戦略特区の正体」の著者で立教大教授の郭洋春氏が言う。
「神奈川県の家事支援外国人受け入れは、これまでにダスキンや
ポピンズ、ニチイ学館など6社が認定されていますが、パソナは
最初から決まっていて、受け入れ予定人数も多い。
李下に冠を正さずということからすると、お手盛り感は否めず、
利益相反に見えます。竹中氏は強硬な新自由主義者で、
『完全自由競争が最も経済を発展させる』が口癖ですが、
実際にやっていることは、コネや肩書を利用した非・自由競争
によるビジネスです」
竹中氏は一体、どういう立場で諮問会議に参加しているのか。学者なのか、企業の代表者なのか。内閣府に質問状を送ったが、期限までに回答はなかった。
■与党議員も問題視
農業特区に指定された兵庫県養父市でも、竹中氏が社外取締役を務めるオリックスの子会社「オリックス農業」が参入している。この企業による農地所有は加計学園と同様、内閣府が「官邸の意向」をチラつかせて、かなり強引に進めたようで、農水省は不満をため込んでいるという。
今国会で成立の国家戦略特区改正案は、多分に竹中氏の“特区ビジネス”を意識したものだ。民進党議員が「竹中外しの声は与党からも上がった」と明かす。
改正案の付則には「民間議員が私的な利益の実現を図って議論を誘導し、または利益相反行為に当たる発言を行うことを防止」「民間企業の役員等を務めまたは大量の株式を保有する議員が、会議に付議される事項について直接の利害関係を有するときは、議決に参加させない」と明記された。特区ビジネスで私腹を肥やしてきた政商への退場勧告といえる。
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【http://lite-ra.com/2018/06/post-4082.html】
「高プロ法案」強行採決を許していいのか!
“高プロの旗振り役”竹中平蔵がグロテスクな本音全開!「残業代は補助金」「高プロ対象はもっと拡大しないと」
2018.06.22
(竹中平蔵公式ウェブサイト)
「残業代ゼロで定額働かせ放題」にする高度プロフェッショナル制度の創設を含む「働き方改革」一括関連法案の参院での採決が近づいている。高プロをめぐっては、労働問題の専門家を中心に激しい批判が殺到しているうえ、次から次へとインチキやデタラメが明らかになっている。
高プロの必要性について、安倍首相は「労働者のニーズに応えるもの」と主張し、加藤勝信厚労相も「私もいろいろお話を聞くなかで要望をいただいた」と答弁していた。ところが、実際はわずか12人に聞き取りしただけで、しかも法案要綱が示される前におこなわれた聞き取り件数はゼロだったことが判明。聞き取りのほとんどが、この加藤厚労相の答弁後に慌てておこなわれていたことまでわかった。ようするに、「立法事実なき法案」なのに、安倍政権はまたしても数の力でゴリ押ししようとしているのだ。
高プロは、企業が残業や休日労働に対して割増賃金を一切払わず、労働者を上限なく働かせることができるようになるもので、過重労働や過労死を増加させることは火を見るより明らか。そしてこの法案が恐ろしいのは、対象者が拡大していくことが確実という点だ。実際、その高プロ創設の「本音」は、この男がすでに暴露している。経団連とともに高プロ創設の旗振り役となってきた、竹中平蔵だ。
竹中は21日付の東京新聞の記事でインタビューに応じ、「時間に縛られない働き方を認めるのは自然なこと」などとデタラメな高プロの必要性を強調する一方で、平然と、こんなことを述べているのだ。
「時間内に仕事を終えられない、生産性の低い人に残業代という
補助金を出すのも一般論としておかしい」
時間内に仕事を終えられない生産性の低い人……? そもそも、残業しなければ終わらないような仕事を課していることがおかしいのであって、問題は雇用者側にある。それを労働者に問題があると責任を押し付け、「生産性の低い人」と断罪した挙げ句、竹中は労働対価として当然の残業代さえ「補助金」と呼ぶ。つまり、竹中にとって残業代とは、「仕事のできない奴のために仕方なく会社が補助金を出してやっている」という認識なのだ。
もうこの発言だけで高プロ推進派の本音が十二分に理解できるというものだが、当然、高プロが過労死を増加させてしまうのではないかという指摘に竹中は耳を貸さない。「過労死促進法案との批判がある」という質問に、竹中は「全く理解していない」と言ってのけた後、「過労死を防止するための法案だ。その精神がすごく織り込まれている」などと述べて、その理由を「年間百四日以上の休日をとれと。(適用には)本人の同意も要る」と答えている。
何が「過労死を防止する精神がすごく織り込まれている」だ。じつは竹中は、5月30日に出演した『クローズアップ現代+』(NHK)でも「ほとんど完全週休2日制」などと喧伝していたが、それはまったくの嘘で、法案は「年104日以上、4週間で4日以上」の休日を与えるというだけ。ようするに、月に4日間休ませれば、そのあとの26日間はずっと連続で働かせることが可能であり、次の4週間の最後の4日間に休みを取らせれば、連続して48日間、1日24時間労働をさせても合法となる法案なのだ。
■竹中平蔵は高プロの適用対象拡大を明言「もっともっと増えていかないと」
しかも、竹中は「本人の同意も要る」などと言うが、力関係を考えれば企業からの要求に労働者が突っぱねることは容易ではない。さらに、労働者が同意を撤回したり、同意しなかった場合に解雇されたり不利益な扱いを受けたとき、労働基準監督署は指導をおこなうことも罰則を科すこともできない仕組みであることも明らかになっている。労働者の保護など露ほども考えられていないのだ。
これでよく「過労死を防止する精神」と言ったものだが、竹中はこうした制度の穴には触れず、「なぜこんなに反対が出るのか、不思議だ」とシラを切り、「適用されるのはごく一部のプロフェッショナル。労働者の1%くらいで、高い技能と交渉力のある人たちだ」と畳みかける。だが、これも大嘘で、「年収1075万円以上の一部専門職」を対象とすると言いながら、実質的には年収300万円台の労働者も対象にすることが可能だ(詳しくは既報)。
労働者のうち1%の人たちの問題ではなく、多くの人が「残業代なし・定額働かせ放題」が適用される恐れがある高プロ制度。実際、竹中は前出の『クロ現+』でも、「(いまの対象範囲は)まだまだ極めて不十分」「これ(高プロ)を適用する人が1%ではなく、もっともっと増えてかないと日本経済は強くならない」と述べており、今回のインタビューでも、本音をこうオープンにしている。
「個人的には、結果的に(対象が)拡大していくことを期待している」
ようするに、実質的に年収300万円台の労働者に高プロ制度を適用できるだけでなく、法案が成立すれば、さらなる対象の拡大を狙っているのである。しかも、竹中は「(具体的には)将来の判断だが、世の中の理性を信じれば、そんな(二十四時間働かされるかのような)変な議論は出てこない」とまで言っている。
本サイトのブラック企業被害対策弁護団の連載でも多数レポートされている通り、現状でも過労死や残業代不払いは多発している。それなのに、規制を取り払い対象を拡大しても、「世の中の理性を信じれば」って……。よくもまあこんなことをヌケヌケと言ったものだが、竹中のように労働者を命のない使い捨ての道具として搾取しようとする「理性のない」人間が世の中にはいるからこそ、労働者は強く警戒しなければならないのだ。
■学者ヅラして高プロを語る竹中平蔵の正体は、高プロで利益を得る企業の役員
だいたい、竹中はこの東京新聞のインタビューや前出の『クロ現』では「東洋大学教授」などといったアカデミズムの人間であることを示す肩書きで登場しているが、実態は人材派遣大手のパソナグループの取締役会長やオリックス社外取締役であり、雇用者側の立場だ。しかも、高プロ制度が提案されたのは「経済財政諮問会議・産業競争力会議合同会議」だが、竹中はこの産業競争力会議の民間議員を務めている。
つまり、竹中は大学教授という肩書きで「日本経済のために」などともっともらしく語っているものの、ようは“自分のため”だ。だいたい長時間労働がむしろ生産性を低下させることは多くの専門家が指摘していることで、長い目で見れば「日本経済のために」もならない。労働派遣法改悪のときもそうだったが、この人は、規制緩和を提案して“自分の目先の利益”を得ることしか頭にないのだ。
そう考えれば、竹中が「個人的には、結果的に(対象が)拡大していくことを期待している」と言っている意味もよくわかる。法案成立後、派遣労働者にまで高プロの適用範囲が広がれば、竹中が「補助金」と憚らずケチっている残業代を気にせず、いくらでも派遣労働者を働かせることができるからだ。派遣労働にまで高プロが適用されれば、それこそ派遣労働者が同意を蹴ることなどできないだろう。
このように、竹中の隠そうともしない欲望を見れば一目瞭然のように、高プロは働くすべての人にかかわる「地獄」の法案だ。竹中は、自身が推進した小泉構造改革によって非正規社員切りを横行させ、ワーキングプアを生み出し、現在の格差社会をつくり上げた張本人だが、今度は高プロによって労働者を搾取し尽くし、過労死しても「自己責任」だと押し付けられる社会にしようとしている。いま、そんな危険な法案が可決されそうになっている。それが現状なのだ。
(編集部)
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