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Activated Sludge ブログ ~日々読学~

資料保存用書庫の状況やその他の情報を提供します。

●『ウォーター・マネー/「水資源大国」日本の逆襲』読了(3/5)

2010年01月17日 19時51分50秒 | Weblog

【浜田和幸著、ウォーター・マネー/「水資源大国」日本の逆襲/The Water Money:Japan Strikes Back ~石油高騰・食糧危機も恐くない~

 第3章に水道民営化の各国の現状が。「水男爵」たちの蠢き。スエズ、ビベンディ、テームズ・ウォーターといったビッグ3(p.70)。中国や中東についても。

「・・・イギリスの水道会社は海外で積極的な事業展開を続けているが、国内の水道サービス事業は外国企業によって提供されるという“ねじれ現象”の下におかれているのである」(p.59)。気づかぬうちに・・・、「2007年7月、フランスの水道事業大手「ベオリア・ウォーター」が、九州の福岡県大牟田市と熊本県荒尾市で水道事業を運営する権利を獲得した。日本市場への参入を虎視眈々と狙っていた外資foreign capitalが、初めて日本に橋頭堡を築いたのである。・・・/・・・2002年に改正水道法が施行されたことで、公営水道事業の外資参入に道が開かれた。2003年には地方自治体法も改正された結果、わが国においても水道事業が内外の民間企業に制度上in theoryは解放されたのである。/これまで水道事業の民営化に関しては、広島県の三次(みよし)市の例がある。・・・/・・・これら外国のウォーター・バロンズが日本における水道事業に熱い視線を向けるのは、日本の水源地water sourcesを押さえ、本から世界へ水を輸出する新たなビジネスプランを描いているからだ。なにせ日本の水のおいしさは世界でも指折りだからである」(pp.66-68)。そのビジネスとやらに一枚かんで金儲けするわけね。
 「・・・「発展途上国の経済発展economic developmentを後押しする」という大義名分の下で、アジア、アフリカ、中南米諸国に相次いで進出するようになったのである。その際、世界銀行融資loanをバックに、受け入れ国の政府から有利な条件conditionsで事業を展開する契約を結ぶのが常であった」(p.68、71)。フリードマンのシカゴ学派の下で洗脳された者どもによって。

 「・・・逆浸透膜・・・通常の5分の1の時間でだめになってしまう。中東では5年はもつものが、中国では1年もつかもたないか。・・・日本企業でも前処理に相当な工夫が・・・」(p.81)。厳しい批判・・・、かっての日本もそうだったのに、「・・・それだけの資金力や技術力があるにもかかわらず、自国の環境浄化のために投資する資金や水浄化のための技術開発は遅れたままである。見方を変えれば、中国の今日の経済発展は環境コストを無視ignoreした結果得られたものといえるのではないか。本来であれば、安全や安心を確保するために労働者の雇用条件labor conditionや工場周辺の環境整備に投入すべき資金をすべて無視することで、国際競争力のある低価格の商品やサービスの提供に努めてきたのである」(p.83)。
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●『ウォーター・マネー/「水資源大国」日本の逆襲』読了(4/5)

2010年01月17日 16時29分09秒 | Weblog

【浜田和幸著、ウォーター・マネー』】
 あのモンサントまで、あ~あ。「・・・種子の次に重要なターゲットになるのは水である。なぜなら、水がなければ生命は維持できないからだ。/確かにモンサントは、世界各地の水関連企業や水源地の利権確保に余念がない。モンサントが世界の水支配に本格的に取り組み始めたのは、1999年のことである。・・・最初のターゲットになったのは、インドとメキシコである」(p.91)。「計算高いモンサント」(p.93)。
 世銀だけでなく・・・どいつもこいつも。「2003年夏、日本の京都で「世界水フォーラム」が開催された。IMF・・・理事長・・・水道事業の民営化を積極的に支援する講演を行った際、・・・市民団体・・抗議の意思を表明した。・・・「国際機関international organizationsの動きは、世界のウォーター・マフィアを利するだけだ。地球の公共財産common propertyである水を、一部の企業が独占することに国際通貨基金(IMF)が手を貸すことは断固として許さない」というものである」(p.95)。
 アメリカはイラク一体に何をやったのか? 「・・・世界最大の建設会社ベクテル。この会社は歴代の国防長官や国務長官を役員board memberとして数多く迎えており、その政治力は他の追随を許さない。彼らも途上国を中心とした水道のインフラ整備ビジネスに早くから着目し、積極的な市場開拓・・・。/ベクテルはアメリカのブッシュ政権とは特に緊密な関係を誇っており、イラク戦争で破壊されたイラクの水道復興事業reconstructionで巨額の利権を手に入れた。アメリカ政府からの指名入札を通じ勝ち取った契約は、なんと6億8000万ドル。水の流れる先には常にビジネスの香りがするようだ」(p.98)。

 ノーベル平和賞受賞者に期待している方々へ、その本質を。似非にして、原発推進者の「・・・元副大統領アル・ゴアも・・・意外にも巨万の富を確保しているようだ。・・・『不都合な真実』“an inoconvenient truth”・・・。/・・・「科学的に誤った内容を多数含んでいるため、わが国の高校生や中学生には見せないように」と、イギリスの高等裁判所が判断したほど、環境問題を政治的に利用しているとの見方も強い。/実は、報奨金を寄付されたNGOはゴア本人が設立し自らが理事長を務める団体にすぎなかった。表向き環境問題の守護神というポーズをとりながら、これでは環境問題をネタに利益追求に邁進するクールなビジネスマンといわれても仕方ないだろう。・・・ノーベル委員会に対して積極的なロビー活動lobbyingを行った結果が受賞につながったようで、・・・。/・・・しかもCO排出権取引市場をアメリカとヨーロッパに設立された結果、8年間で100億円を超える個人資産をindividual assetを築くまでになった」(p.99)。CO排出まで金儲けに使ってやがる。
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●『ウォーター・マネー/「水資源大国」日本の逆襲』読了(5/5)

2010年01月17日 16時16分49秒 | Weblog

【浜田和幸著、ウォーター・マネー/「水資源大国」日本の逆襲/The Water Money:Japan Strikes Back ~石油高騰・食糧危機も恐くない~

 「シャープ・・・マイクロナノバブル技術・・・廃水中に直径が0.1マイクロメートル程度の微細な泡を発生させ、希釈することなく泡の酵素の力で微生物の働きを活性化させる・・・。・・・汚泥が発生しない・・・」(pp.122-128)。「酵素」?? 「酸素」の誤植。コピペしないけど、この辺、随分ニセ科学の匂いが・・・。
 「・・・ポリシリカ鉄凝集剤PSI)の導入である。・・・(PAC)が広く使われてきた。/しかし、アルミニウムが人体に悪影響を及ぼす恐れが指摘されるようになり、特にアルツハイマー病との関連性・・・。その結果、開発されたのが鉄とケイ酸を主成分とする無機系・・・高分子凝集剤PSIである。・・・/・・・PSIを使った水処理で発生した汚泥・・・稲や野菜の収穫量が飛躍的に高まることも明らかになってきた」(p.140)。

 第6章では、再び中国について。「・・・河川や湖沼の水が飲料水としても農業用水としても使い物にならなくなってしまっている。/・・・下水の97%が何ら浄化処置をされないまま河川や湖沼に放出されているからである。風光明媚の代表的存在であった太湖(タイフー)の水も異臭を放つほど汚れてしまい、今では環境汚染の代名詞となってしまった」(p.144)。
 「気象改変の技術」(p.151)。「ロケットを使いヨウ化銀を打ち込んだり」って、大丈夫か?
 「・・・インドやバングラディシュなど周辺国にとっては、国家の存亡national survivalに関わる暴挙と受け止められている。・・・核保有国nuclear powerである中国とインドの間で第3次世界大戦が勃発することもあり得ない話ではない」(p.164)。正に『水戦争』。
 「涸れゆく長江」(p.164)。「水質汚染が止まらない」(p.167)。「長江と黄河の大汚染」(p.169)「中国の海産物は安全か」(p.173)。

 懐かしき偽ユダヤ人の名が! 「イザヤ・ベンダサンは『日本人とユダヤ人』」(p.194)。今時、こんなイカサマ人間が引用されるとは。

 
「水の年齢を計測」とか、「水パワーだけで動く車」とか、「マイナス電子を帯びた水」とか、・・・大丈夫か?

 「水という人類の共通財産commom assetはまさに宇宙からのプレゼントといっても過言ではない。そのような公共財産を一握りのウォーター・バロンや投資ファンドが、自らの利益their own benefitsのために独占しようとする動きはいかがなものか。ネスレユニリーバコカ・コーラアンハウザー・ブッシュダノンという世界の5大飲料メーカーだけで、年間5750億リットルの水を商品化している」(p.223)。日本もそれに乗り遅れるなー、って言ってるように聞こえるのだけれども・・・。
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●『差別と日本人』読了(1/4)

2010年01月11日 00時53分33秒 | Weblog

差別と日本人』、12月に読了。辛淑玉[人材育成コンサルタント]野中広務[元・衆議院議員]著。角川書店、角川oneテーマ21。2009年6月刊(2009年7月、五版)。

 
「第一章  差別は何を生むか」、「第二章 差別といかに闘うか」、「第三章 国政と差別」、「第四章 これからの政治と差別」の四章立て。

 
野中さんの「まえがき」。「今のような格差のある社会は絶対にあってはならない。これは冷淡な小泉政権負の遺産に違いない・・・」(p.7)。

 「 ・・・「え? この人も野中さんのこと好きなの?」と思うような時があるんですよね。/野中 ・・・佐高信も案外気が合うんですよ、喧嘩もしたけど。土井たか子さんもそうだな」(p.45)。

 関東大震災における虐殺。「・・・手を下した自警団員や官憲は、「お国のためにやったのだ」と、やましさも罪の意識も感じていなかった。/・・・加害者は村のヒーローのように扱われたのである。/虐殺の中心人物の一人は、出所後、村長になり、合併後も市議として市の要職にとどまり続けた。なんという麗しい助け合いであろうか。・・・/・・・あたかも事件そのものが存在しなかったかのように扱ったのである」(pp.52-54)。

 「 ・・・松本智津夫氏の子どもたち・・・。/・・・両親が犯罪を犯したからと、子どもも犯罪者のように扱われ、小学校にも行けないのは異常でした。住むことも、食べることも、働くことも、公衆浴場に行くことも、電気ガス水道の使用も拒否されるなんていうのは、すさまじい大衆の暴力です。/・・・犯罪者の子供だということでボコボコにやられても誰も助けない。つまり、叩いてもいい相手を決めて集団でストレスの発散をする。/野中 困った民族だ」(pp.113-114)。
 「 私、こんな言い方するとすごくきついかもしれないけども、日本の遺族会っていうのはなんて卑怯なんだろうって思うのね。つまり日本人さえ良ければいい」(pp.117-118)。
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●『差別と日本人』読了(2/4)

2010年01月11日 00時52分46秒 | Weblog

辛淑玉[人材育成コンサルタント]野中広務[元・衆議院議員]著、差別と日本人

 国旗国歌法案。「野中 ・・・僕は答弁でも、「国旗国歌は強要するものでも何でもない」と言った。・・・それだけですよ。だから強要も何もしないと。それまでは、根拠法がないということで争いが起きてきたわけだからね」(pp.119-122)。でも、つけ込まれ、悪用され、心ある教員はさんざんな目に会うことに。特に東京のファシスト知事狂気の沙汰。「 でも国旗国歌法が通った現在も、教育現場はまだ揉めてますよね。/野中 あれは東京だけだ。学校現場が、教育委員会を含めて、紛争がなくなった。争うにもタネがなくなった」。う~ん、この点、大いなる疑問。

 石原
の卑劣さ。「 ・・・私は新井将敬精神的に殺したのは石原慎太郎だと思ってるんですよね・・・。/野中 ああ、ビラを張ってということか?/ そうそう、新井将敬のポスター・・・と書かれたものを貼った。・・・すさまじいまでの差別事件でした。・・・石原さんは、日本人の血ではないものが国政に関わっていいのか、と執拗に言い続けていた」(p.130)。
 「・・・石原慎太郎陣営から新井の出自を誹謗する黒シールを選挙ポスターに貼られるという事件が起こり、・・・。/・・・「・・・パーソナルヒストリーを知る権利がある」として恥じることがなかった」(p.133)。
 「 ・・・石原慎太郎さんだけでなく、政治家からとてもたくさんの差別発言が出ますよね」(p.160)。

 元沖縄県知事大田昌秀さん。「 私、大田さんとお話しした時に、「歴代の政治家で一番巧みで意地悪で嫌な人は誰?」って聞いたんですよ。そしたら「中曾根」って言ったんですね。「あれが一番悪悪巧みがうまい」って。/「じゃあ、一番かわいそうだったのは誰?」と聞いた。そしたら彼ね、「村山富市さん」って言ったんですよ」(p.144)。

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●『差別と日本人』読了(3/4)

2010年01月11日 00時30分47秒 | Weblog


辛淑玉[人材育成コンサルタント]野中広務[元・衆議院議員]著、差別と日本人

 やはり〝メインイベント〟は麻生太郎のすさまじいまでの暴言・差別意識でしょう。「麻生氏は、植民地支配で財を築いた麻生財閥の中でぬくぬく育って、首相にまで上り詰めた。/・・・麻生鉱業は、・・・消耗品の労働力として、その命を紙くずのように扱った。一九四五年までに麻生系の炭鉱に連行された朝鮮人は一万人を超える・・・。また、・・・民を・・・奴隷のように酷使した」(pp.162-163)。
 「 私は麻生さんの顔を見ると背筋が寒くなるんです。/とくに彼の中にあるひどい差別意識には、ぞっとさせられる。/野中 ・・・ある新聞社の記者が僕に手紙をくれたんです。・・・〈麻生太郎が、・・・「野中やら・・・の人間だ。だからあんなのが総理になってどうするんだい。ワッハッハッハ」と笑っていた。これは聞き捨てならん話だ・・・〉/・・・を死ぬほどこき使って、金儲けしてきた人間だから。/・・・不幸な人だ。一国のトップに立つべき人じゃない。/・・・/ 麻生さんは差別意識が体の中に染み込んでるんだと思う」(pp.163-165)。
 「彼には、吉田茂の孫であり、また麻生セメントに代表される麻生財閥の末裔ということ以外に、政治的資源は何もない。能力もない。だから出自で人を見下す」(p.166)。「「麻生太郎」とは、日本社会が生み出した差別の結晶であり、差別による旨みが骨の髄まで染み付いた人間の典型なのだろう」(p。169)。

 アメリカと云う病。「野中 ・・・アメリカは戦争を継続してなけりゃ経済は成り立たないんだ。軍需産業をはずしてアメリカ経済というのはもたない」(p.175)。「野中氏は、結果平等派といえる。/アメリカ式平等とは、資源を配分するとき、公正な原理をきめて分配する。しかし、その結果、不平等が生じてもかまわないということで、つまり、機会の平等。/他方、野中式平等とは、結果の平等を求めること。・・・その視点からアメリカをみると、おぞましくみえるのだろう。弱者切り捨て市場原理主義。野中さんは、その意味で、反原理主義者なのではないだろうか」(p.177)。

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●『差別と日本人』読了(4/4)

2010年01月11日 00時21分28秒 | Weblog

辛淑玉[人材育成コンサルタント]野中広務[元・衆議院議員]著、差別と日本人

 戦後処理。「野中 私にとっての戦後処理とは、わが国が他国を侵略したんだと。中国にも日本が軍隊を送ったんで、中国が日本に軍を送ったわけではないわね。・・・どうも、自らが戦後問題の処理をしようという意欲が欠けているのではないか。それが一番大きなこと。/・・・/中国置き去り日本人やその孫や連れてきた人たちと、拉致被害者の人たちとを比べると、・・・。そういう実態をみるにつけ、日本の政府っていうのは都合のいい時には日本人にし、都合が悪くなると日本人じゃないとする」(p.180)。
 
 ・・・結局参政権をつぶし、その上日本国籍取得の話もなくなっていった。・・・/野中 ・・・そういう連中が、いま若手で何もかもムチャクチャにしてるんですよ、渡辺喜美とか中川昭一とかさ。/ あれ、ほんと悪いですよね。/野中 ともかくね、先の戦争で日本がやってきたことに対して、さきほどいったような認識や罪の意識が日本人にないというのは、これは非常に後世のためによくないことだと思っておるわけですね」(p.184)。

 「野中 うちの女房は買い物も映画も僕と一緒にはいかないです、いまだにですよ。・・・/・・・うん。寂しいよ。このごろ余計に寂しくなった、年と共にね。俺の八十三年間の努力は何だったんだろう」(p.193)。

 
野中さんの「あとがき」。「ハンセン病訴訟で・・・国民から一定の評価を受けたが、当時、旧植民地の皆さんが切り捨てられていたことを、辛さんに指摘されて初めて知った。当時国会議員の職にあった者として恥じいるばかりだ。どうして気づかなかったのか、悪かったなと心底思った。」(p.196)。
 
「・・・戦争ごっこみたいに自衛隊の軍備を拡大しようとする声があがる。/街では非正規雇用の人たちが餓死寸前になっているというのに、そういうところには気前よく税金を投入する。政治家の目はどこを向いているのかと言いたくなる。弱者虐げられた人に対する政治家の「鈍さ」は、差別と根っこでつながっていると思うのだ」(p.198)。
 「・・・辛さんが御自分の体験や心情を包み隠さず話してくださった・・・辛さんは・・・時に嗚咽を堪えながら、また言葉も切れ切れに本心を語ってくださった。私も差別されてきた体験とそれと闘ってきた体験を持つだけに、彼女の気持ちが痛いほどわかり、思わず言葉を詰まらせた。心と心、魂が触れあうような気がした」(p.199)。
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●『石原慎太郎よ、退場せよ!』読了(1/3)

2010年01月03日 23時41分51秒 | Weblog

石原慎太郎よ、退場せよ!』、12月に読了。斎藤貴男・吉田司著。洋泉社新書。2009年5月刊。

 斎藤さんの「まえがき」に始まり、「第一章 「小皇帝石原慎太郎の本質」、「第二章 石原都政が東京に残した傷跡」、「第三章 石原慎太郎への退場勧告」、吉田さんの「あとがき」まで。節一つひとつを書き記したいほど。

 東京オリンピック招致にて「我が国の平和」を訴える! 「この人はいったい何なのだろう。何かといえば戦争だ戦争だと騒ぎ立て、・・・自分の気に入らない人々を片っ端から差別しては嘲笑うことばかり繰り返してきた男が、・・・思ってもいない、そもそも口にする資格のない言葉を平然ともてあそんで恥じない。/・・・幼稚な発想・・・。/石原氏本人というよりも、このような人物を支持してやまない有権者のほうが不気味に思えて・・・」(pp.3-4)。

 『機会不平等社会ダーウィニズム(p.21)。
 
斎藤 ・・・だからって、ああも露骨に他人を見下したがるような人はそうそういないでしょう。・・・しかも戦争で財を成した家で甘やかされて育った人間が、そのことを恥じもせず」(p.25)。「吉田 ・・・東京都知事としての歴史的位置づけを、新自由主義の牽引車としてあると斎藤さんは言いましたね。/斎藤 ええ。新自由主義はその帰結として、機会の均等を奪い階層の固定化に拍車をかけ、弱者の切り捨てを招きます。繰り返しますが、石原は、根っからの差別大好き人間だと私は思っていますから、それを政治的に表現すると、新自由主義と同じ結果になってしまうんです」(p.78)。

 環境庁長官時代に見る差別主義者の姿。「斎藤 ・・・/水俣病患者・・・。その逃げた先が麻布のテニスクラブで、テニスをして遊んでた話は有名ですね。/・・・あれほど気の弱い小さいつまらない男は世界中探してもいないと。/・・・/吉田 ・・・石牟礼道子に会いたがっていたと・・・。だけど石牟礼道子は見向きもしなかったって」(pp.84-85)。
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●『石原慎太郎よ、退場せよ!』読了(2/3)

2010年01月03日 23時38分21秒 | Weblog

斎藤貴男・吉田司著、石原慎太郎よ、退場せよ!

 障子破り作家がどの面下げて性教育をポルノに。「斎藤 ・・・田代博嗣、土屋敬之、古賀俊昭の三人の都議が「産経新聞」の・・・新聞紙上でも批判・・・これを受けて都教委は校長を左遷しました。/でも、石原が都知事になる前は、七生養護学校での性教育を都教育委員会も推奨していたんです。・・・/今年三月の東京地裁は、都議の行為は、「・・・教育に介入干渉するもので、教育の自主性を阻害してゆがめる危険性のある危険な行為だ」として、旧教育基本法が定めた「不当な支配」だと認定しました。・・・時すでに遅く、・・・介入するきっかけができていきました。/吉田 ハハハハ・・・・・・悪いけど笑っちゃうよな。だって石原慎太郎って何だ? ・・・って何だって言ったら、例の・・・の物語じゃないですか(笑)。・・・佐藤春夫は、・・・美的節度の欠如・・・。/斎藤 肉体主義なんて大層なものでもないですよ」(pp.92-93)。

 天皇発言が何の効果も持たない理由(p.99)。米長邦雄の園遊会での発言をたしなめた件について、正真正銘の保守や右翼とは?

 三鷹高校事件(p.116)。「斎藤 ・・・学校や教師や生徒を支配する装置として使っていることに怒りを覚えます。・・・あれはもう人間じゃない」。
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●『石原慎太郎よ、退場せよ!』読了(3/3)

2010年01月03日 23時25分12秒 | Weblog

斎藤貴男・吉田司著、石原慎太郎よ、退場せよ!

 新銀行東京のバカ施策と元行員に対する虐め・SLAPP(p.123)。「吉田 ・・・自分の仕草や言動で、将棋の駒のように大衆心理を動かせると思っているんでしょうか。・・・/斎藤 ・・・何をやっても許されると思ってるんでしょうね。事実、都民はそうしちゃったんだから。石原に何をされても仕方ないのも現実です。新銀行の内部なんて、石原の人間性が凝縮されたようなところですよ。・・・/・・・組織ぐるみの威信的虐待―――モビングといいますが―――・・・」。

 東京オリンピックでの税金の無駄遣い、それを許す都民。「斎藤 ・・・全部、税金ですよ。・・・ここでも責任転嫁です。/・・・もう見え見えの、行政が都知事のせがれに仕事をあげるための事業ですよ。それでも石原本人は・・・と居直っています。・・・/吉田 ジャーナリスト青木理のレポート・・・そもそも『公』という発想がない・・・」(p.130)。『私』しかない男。「斎藤 我田引水の塊のような人ですからね。・・・/・・・人のものは俺のもの、俺のものは俺のもの、というだけの人ですからね。・・・私に言わせれば、ただのコソ泥でしかありません」(p.133)。「コソ泥以上でも以下でもない」(p.181)。

 舛添要一元厚相に言われちゃおしまい。このバカ都知事を総理にという声があるが、との問いに答えて、「・・・国会じゃ友だちいないし、鼻もちならないし、あいつはイヤって意味において、石原が総理になったって3日持たない。・・・『友だちのいない国王』は、知事だからやってられるの」、「吉田 ・・・そしてね、石原慎太郎という男は・・・リアルな政治力学に手を汚さないで済む政治家だから気楽でいいね・・・・・・と笑ってたぜ」(p.142)。

 ミルトン=フリードマン(p.152)。社会ダーウィニズム(p.154)。「知性のかけらもない世界」。「・・・市場原理、競争原理。公正さを無視できるパワーこそ絶対だという、何度でも言いますが暴力団的世界観なんです」(p.159)。

 「空疎な小皇帝」の時代の終わり。「吉田 ・・まず小泉純一郎が「政界引退」を宣言した。彼の「痛みを伴う」構造改革によって日本は下流社会化し、ワーキングプアな貧民大国となった。・・・/・・・世界はフリードマン型新自由主義(小さな政府)から、ケインズ的なオバマ米大統領のスマートパワー、グリーン・ニューディールや財政出動型の「大きな政府」への流れに大転換しようと急いでいる。/そんな中で「空疎な小皇帝」だった人間の役割は終わりました。・・・/斎藤 どうでしょう。退場勧告も何も、最初から私はお呼びじゃないと思っていたのですが。・・・オリンピック招致だの築地市場の豊洲移転だの、まともな首長なら言えっこないデタラメを次々に打ち出しては財界の歓心を買うことに懸命ですから・・・。・・・はっきり言ってどうかしている」(p.181-183)。

 ここに尽きる。「吉田 ・・・いまなお「退場勧告」しようとしない、石原と大東京庶民有権者の政治的握手については、お前ぇら、死ヌマデヤッテロ!って本気で思っちゃうな。/斎藤 ・・・わざわざ権力の座に据えた方が悪い。落とす選択肢があったんですから。実際、都民は責任とらされて、自分たちの血税を、あの人の遊びと利権のために使われているんだからね。・・・批判を承知で言うけど、石原都政に本気で怒れないとしたら本物の奴隷ですよ」(pp.187-188)。
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