エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

積み木遊び おもちゃの舞台 ヘビのお話もあるよ。

2013-06-06 04:32:25 | エリクソンの発達臨床心理
 「子どもの遊びから政治まで?」の章はいかがでしたか? 出来事、イメージ、話し言葉と行動、という、心を作る三項関係がとても大事でしたね。
 さて、今日から「おもちゃの舞台」の章に入ります。この章で印象的なのは、前もって言っておきますが、「ヘビ」です。




 私どもはまず、ひとりの子どもが小さなテーブルの上に静かにおもちゃを並べるのを見てみましょう。いまどきの学校では、こういったことで助け合いがあり、私どもはあるとき一人の少年を招いて、遊び場から離れて、部屋に来てもらいました。その部屋には、テーブルが一つ、積み木セットが一つ、その子が来るのを待っていました。その子を連れてきた人は、その子と一緒に床に腰かけて、その子に「何か作って」、その作ったものについて「お話を聞かせて」と頼みました。他の観察者が隅に座って何が起きたか記録に取ります。
 この「積み木遊び」の方法は、記しておいた方がいいでしょう、数あるいっそう野心的な検査技法の中では唯一の変わり種で、厳密に選ばれた多様性のある、たくさんなおもちゃを臨床検査のために用いるものです。イギリスでは、マーガレット・ローウェンフェルトが、7年前に「世界技法」と呼ばれる一つの技法をたしかに確立しましたが、その技法によって、「子どもの頃の心の構造」を研究する、と約束したのでした。カンプとケスラーは、この究極の技法について次のように述べています。

…ほとんどの子ども達は、このようにいっそうたくさんな、小さなおもちゃのかたまりを、愉しみいっぱいというよりも、むしろ、仕事をするかのように、使いがちです。遊びの性質がこの状況では全くない、ということに賛成する人はほとんどいませんが、その子ども達は、その目的自体、すなわち、「何かを作り出す」ことに強く心奪われているように思われます。





 エリクソンの「積み木遊び」は、「世界技法」やそこから派生した「箱庭療法」同様、子どもの心を検査する技法のようですね。ですから、「世界技法」や「箱庭療法」のように、この「積み木遊び」は、子どもの心が様々に映し出される鑑として、用いることが可能です。エリクソンは、どんな展開をするか、今から愉しみいっぱいですね。
コメント
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