エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

治療の始まりの目印

2016-02-11 11:40:45 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
毎日が発見の連続。毎日が感謝の連続。
  マハトマ、といえば、ガンディですよね。でもね、まど・みちおさんの詩を読んでいると、この人こそ、「マハトマ」=大いなる魂、の名に値する人だと確信します。小さな世...
 

 トラウマのことは、テイネイに言葉にしたいものですね。

 ヴァン・デ・コーク教授のThe body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』の第14章 Languare : Miracle and Tyranny「言葉 :奇跡も残虐も(、もたらすもの)」p.234の、ブランクから。

 

 

 

 

 

沈黙を破って

 

 

エイズを知らせる初期のキャンペインをしていた活動家たちは、力強いスローガン、「沈黙=死」を掲げましたっけ。トラウマに沈黙することって、やっぱり死ですからね。すなわち、魂の死です。沈黙していると、トラウマを辺鄙なところにホッタラカシにすることになりますからね。「私はレイプされました」だとか、「亭主にぶん殴られちゃった」だとか、「親は躾だっていうんだけど、それってイジメでしょ」だとか、「イラクから戻ってから、生き辛い」だとかを、他の人に大声で言えることが、治療が始まる目印になります。

 

 

 

 

 辛いことでも、ハッキリと言葉にできることは大事。ヴァン・デ・コーク教授はそれを治療の始まりの目印だと言いますが、言語化できただけで、もう治療の最終段階、というケースもありますよね。

 

 

 

 


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花花… 喜納庄吉さんも悦ぶでしょう あるいは≪神の国≫

2016-02-11 11:13:15 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 
自分自身が元気に独立しているという感じ
  ウィークデイの自分と週末の自分がバラバラになりやすいのが、二王国説です。 Young Man Luther 『青年ルター』のp181の第3パラグラフ。...
 

 

 ≪1つにまとめる力のある生き方≫さえあれば、幸せです。≪1つにまとめる力のある生き方≫そのものが、恵みそのものなのですからね。

 The lie cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』の始めに戻って、「完成版の前書き」、p.8の第5パラグラフから。

 

 

 

 

 こういったことは、≪一つのまとめる力のある生き方≫や≪叡智≫という言葉を、かなり古典的に、変えたと思いますから、やることや立場に対する、一生涯続く非難を受けなくてはならない、煩わしくも、ハッキリとはしない責任から解放され、ホッとしています。こういった新たな解釈が高齢者にもたらす約束を受け止めることは、光り輝いていたし、気分も良かった、過去の眺めを広げてくれますよ。自分も人も大事にするという花も、命がけで関わるという花も、そして、本物の友情という花も、見事に咲きますもの悲しみは、人に対する優しさと、人生の豊かさになりますもの人と関わる気高さって、心がジーンと熱くなるるものですよ。そうして、過去はワクワクするほど忘れられないものとなりますし、いまここを生きることは、何気ないものなのに、ささやかな楽しみと、限りない悦びと、大らかな笑いに満ち溢れたものになります

 

 

 

 

 

 ≪一つのまとめるのある生き方≫って、まるでパラダイスです。花、また、花…ですものね。聖書で≪神の国≫すなわち、≪神が何もかも治めて下さる時と所≫とは、ジョアンがここに記していることと考えて、間違いありませんね。それは、いまここを生きることは、何気ないものなのに、ささやかな楽しみと、限りない悦びと、大らかな笑いに満ち溢れたものになります、というものです。

 

 

 

 

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学校も変わらなくっちゃね

2016-02-11 07:33:46 | エリクソンの発達臨床心理

 
毎日が発見の連続。毎日が感謝の連続。
  マハトマ、といえば、ガンディですよね。でもね、まど・みちおさんの詩を読んでいると、この人こそ、「マハトマ」=大いなる魂、の名に値する人だと確信します。小さな世...
 

 

 やっぱり、ブルース・ペリー教授の『犬…』は、好評ですね。さらに、も一つオマケです。ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog より、ちょっと先に進んで、p.238-9。

 

 

 

 

 

 学校も変わらなくっちゃね。私どもの教育システムは、強迫的に知力の発達だけに集中してますから、子ども等の気持ちや身体のニーズはほとんど無視してんですね。ほんの20年前までは、小学校は、給食の時間も休み時間も、大事にしてましたし、体育のクラスが週何日もありましたでしょ。宿題は毎晩1時間かかることは稀で、子ども等も宿題の〆切はわかっているものだし、自分で締切を守れる、と思われていましたよね。親が参加するような行事は年に数えるほどしかありませんでしたよね。

 こういったことは全て、子ども等の身体を大事にすればこそ、のことでしたね。とくに、女の子達に比べて、発達がゆっくりな男の子達には、大事なことでした。…私の同僚のマイアさんの9才の甥は、時間割がとっても忙しくて、友達と仲良くなる自由な時間があんまりありませんでした。休み時間が全然なかったんですからね。これって、狂ってますね。子どもが、隣の子と同じくらいに「豊かな」環境を持てるように突っ走っている間に、私どもはいつの間にか、子どもの心を貧しく不毛なものにしてしまってたんですね。どの子の脳も、言葉や授業や行事だけでは満たされませんよ。子どもの脳も、大事にされたり、友達と仲良くなったり、遊んだりボウッとしたりする自由時間が必要です。このことさえ分かれず、学校がいろんな圧力を子どもに掛けたりすることに反対し、学校をもう一度、感性を大事にする方向に戻そうとする親が、もっと増えますよね。

 

 

 

 

 

 日本だけじゃなくて、アメリカもそうだったんですね。知育中心ですと、発達トラウマのある子どもには、役立たないばかりか、有害なことが多いですよね。

 ニッポンの学校も、感性を大事にする方向に、無着成恭さんが『やまびこ学校』で活躍していた頃みたいに、自由主義的な教育に、戻していかなくっちゃね。

 でもそれだけじゃぁ、足りませんね。一斉授業はすぐにでも止めにして、個別教育、子ども同士が教え合う教育、オランダみたいな教育に変えないとね

 

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何で僕だけ、怒られなくっちゃいけないの?

2016-02-11 05:59:52 | アイデンティティの根源

 

 

 
小さなものの世界にこそ、永遠はある
  子どもと不思議を共にするためには、大人の私どもは、「自由」な心が必要です。  『The Sense of Wonder 不思議を感じる心』から p76の冒...
 


 

 大人と子どもの関係を支配する正義は、大人が忠実に、神様に忠誠を誓うみたいに従っている時、子どもにオートノミー自律の感じをプレゼントすることが出来ます。その時には、子どもが「悪いこと」をすることの中に「素敵なプレゼント」を見つける≪心の眼≫を育てていることが、大人の側に必要です。

 今日は、Young Man Luther 『青年ルター』、第Ⅷ章 終章(エピローグ)のp.256の、第2パラグラフの、下から9行目途中から。

 

 

 

 

 

あるいは、ルターは≪疑い≫について、書いていますね。この≪疑い≫ってやつが経験されるのは、その子どもが訳の分からないことを求められて、一人ぼっちを感じる時に初めて体験する気持ちです。「その人は、Anfechtung≪試練≫に悩んでいる時には、自分は一人ぼっちにされたように感じます。神が怒りを覚えるのは、1人の罪人に対してだけで、神はその一人の罪人には、許して下さらない程の怒りを示します。その人だけが罪人で、ほかの人たちは全て、「正しい」わけですね。他の人たちは、その一人の罪人に対して、神の秩序を持ち出して、裁くのです。その一人の罪人に残されているのは、語りつくせぬため息くらいでしょ。ため息1つ、つけば、知らなずとも、聖霊様に助けてもらって、「(仲間はずれにされて、)何で僕だけ、怒られなくっちゃいけないの??」と大声で叫ぶことも出来ますから。

 

 

 

 

 

 兄弟で喧嘩して、友達と喧嘩して、親や教員から、お兄ちゃんの自分だけ、あるいは、いたずら小僧の自分だけ怒られたときに、「何で僕だけ、怒られなくっちゃいけないの?」と口には出さずとも、その子が思っていることって、日常茶飯事でしょ。その時にその子が感じるのが、さらし者になっただけじゃなくて、疑いだ、というのは、臨床をよくよく知っているエリクソンならではですね。

 

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