エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

悩みやケンカは、飛躍の源

2016-02-19 07:42:45 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 
自分を確かにする恵み
 アウグスティヌスは、絶対的な破滅も、実在が神に限ったことだとも認めませんでした。 Young Man Luther 『青年ルター』のp183の第2パラグラフ下から9行目途...
 


 

 The lie cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』の、p.106の第2パラグラフ、8行目途中から。

 

 

 

 

 

 

私どもが認めるべきは、いろんな事情から、大事なところで、響き合わない関係が幅をきかせるかもしれない、ということです。高齢者はそういう事情になるのも、避けられませんね。「9番目の舞台」を描く時に、私は、ですから、響き合わない要素を最初に持ってきました。というのも、響き合わない要素が優勢になりやすいことや響き合わない要素が現われやすいことを強調するためです。いずれにしても、覚えておきたいのは、葛藤があったり、緊張があったりするのは、成長し、力を貰い、素晴らしいことに献身することの源だ、ということです。

 

 

 

 

 

 ジョアンの文書には、力強く、しかも、突き抜けた悦びが満ち溢れています。エリクソンも、このジョアンとの出会いが転機だったことが、エリクソンの伝記に出てきますけれども、ここのあたりを読んでいると、その匂い立つ芳香を感じます。

 自分を確かにしている点で、エリックよりも、ジョアンの方が、遥かに上だったと感じます。エリックは、ジョアンによって、「救われた」と考えて、それほど間違いじゃないでしょう。

 ジョアンにとって、葛藤(悩み)や緊張(ケンカ)は、新たな飛躍への源です。

13あなた方の出会った試みで、世間ありきたりでなかったものはありません。神は真実にいまします。神はあなた方が耐えうる以上に試みられることをお許しにならず、試みとともに、耐えうるよう逃げ道をお作りでしょう。」(『新約聖書』コリント人への第Ⅰの手紙 第10章13節 前田護郎・訳)

 

 

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悪い良心からは、ぜひ、卒業したい!

2016-02-19 06:05:38 | アイデンティティの根源

 

 

 
「ヘセド hesed」
  「ヘセド、hesed」。ヘブライ語です。日常生活ではまず出合わないこの言葉について、今日はお付き合いくださいね。 私は、大学生になってから教会に通い始め、...
 

 悪い良心程、嫌なものはありませんね。その、押し付けがましいこと、ったら…。「正しいこと」を押し付けてきますからね。それが最悪のことだ、とも知らないで、ね。

 今日は、Young Man Luther 『青年ルター』、第Ⅷ章 終章(エピローグ)のp.258の、第1パラグラフの下から4行目途中から。

 

 

 

 

 

…この恐ろしいことの3番目の、そして、最大であると同時に、あらゆる苦しみの中で最悪なのは、1人の裁判官と一緒になることでしょ。」ルターは言っています、「これこそは悪い良心の本質ですからね。悪い良心があると、逃げても恐ろしいし、たとえ、どんなに安心と安全があり、どんなに順調な時でも、全てがダメになり、死んだも同然になりますよ」と。

 

 

 

 

 

 ルターも、悪い良心を、いかに恐れていたのか、具体的に分かりますよね。個の悪い良心から卒業することが、真っ当な人生を歩みたいと願うすべての人に、大事になりますね。

 

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愛着障害の子どもだらけなのは、今のニッポンの大人が、ウソとゴマカシだらけだから

2016-02-19 04:59:08 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
小鳥の声を聴きましょう
                            モリツグミ 私どもは、耳からも強烈な悦びを体験できます。小川や波の音、小鳥のさえずり虫の声…。 T...
 

 

 愛着障害の敵は、ウソとゴマカシです。今のニッポンに愛着障害がこれだけ溢れかえっているのは、大人がウソとゴマカシで溢れかえっていることに正比例してるだけなんですね。

 ヴァン・デ・コーク教授のThe body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』の第14章 Languare : Miracle and Tyranny「言葉 :奇跡も残虐も(、もたらすもの)」p.235の、第7パラグラフから。

 

 

 

 

 

 死、破壊、悲しみは、苦しみには包括的な意味がない点で、常に正当化されなくてはなりません。全体を示す意味がないからこそ、デッチアゲ、ウソをつき、意味になさを満たそうとする勇気が湧いてくるわけです。

 

 

 

 

 

 デッチアゲ、ウソをついてでも、意味を持ちたいと思うのが、人間です。意味を喪失した時代、いいえ、人殺しを組織的にやる戦争の意味など、ありませんから、その戦争の意味付けは、ウソと相場が決まっています。

 でも、ウソとゴマカシでは、その意味はごまかしきれないのが真実ですから、意味のないことをしでかしたことには,シッカリと意味付けしておかなくちゃならないのも、また真実なんですね。

 

 

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心の栄養の源は、ヘセド≪関係への誠実さ≫

2016-02-19 04:17:12 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 
「ヘセド hesed」
  「ヘセド、hesed」。ヘブライ語です。日常生活ではまず出合わないこの言葉について、今日はお付き合いくださいね。 私は、大学生になってから教会に通い始め、...
 

 

 ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog より、p.205から。ブルース・ペリー教授が描く愛着障害です。

 

 

 

 

 

 反応性愛着障害の症状には、「成長しない」ということも含まれますし、ローラのケースで見たように、うまく育ちません。愛着障害は、ローラの母親みたいに、6ケ月ごとに新しい里親にたらし回しにされて、1人か2人の主な養育者と、生涯に渡る愛着を赤ちゃんの頃に育てることが出来ない場合に、よくあることなのです。孤児みたいに施設で育つ子ども等も、ジャスティンやコーナーみたいに、愛着障害になる危険が大きいです。それから、子ども等が知っている人の話を聴いていない感じになるのは、反応性愛着障害の子ども等は、知らない人たちにも、オカシナ情緒的な繋がりを感じてしまう場合が多いからです。愛着障害の子ども等は、相手はいつでも変えられるものと見なしがちになるのは、1人の親や、その親に変わる人と、生まれた時から生涯にわたる繋がりを育てるチャンスがなかったからです。

 

 

 

 

 

 愛着障害の子どもの特色は、1)育たない、2)人の話を聴いていない感じ、3)相手をいつでも変えられるものと見なしがち、と3つ特色があります。人は、不思議生き物ですね。人は、衣食住が整っているだけでは育たないのですからね。人には「心の栄養」が必要なんですね。

 この「心の栄養」が、関係なのですね。もっといえば、関係への誠実さ、です。雨宮慧先生のお写真が入った今日のコラムの合わせで、申し上げれば、ヘセドが「心の栄養」の源なんですからね。

 

 

 

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