エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

大人と子どもの関係を支配する正義、それとも、「正しいこと」か?

2016-02-06 07:35:09 | アイデンティティの根源

 

 

 
一隻眼
  感覚を研ぎ澄ましていくこと、それがあらゆる叡智の源です。 p67の4行目から。    &nbs...
 

 

 エリクソンが、大人と子どもの関係を支配する正義と言いますでしょ。この正義と、ニッポンの学校でよく言う「正しいこと」って同じことなんでしょうか?あなたはどう考えますか?

 大人と子どもの関係を支配する正義は、大人も子どもも、等しく従うもの。

 ニッポンの学校でよく言う「正しいこと」は、大人が子どもに従うように言うけれども、大人は従わないもの。

 

 大人と子どもの関係を支配する正義は、大人との子どもが仲良くなり、陽気で楽しい気分にさせてくれるもの、信頼し合う関係をもたらすもの、子どもにオートノミー自律の感じをプレゼントしてくれるもの。

 ニッポンの学校でよく言う「正しいこと」は、大人を子どもが仲が悪くなる元、堅苦しく嫌な気持ちになる元、大人を子どもが信頼しなくなる元、子どもに自分はダメな存在だと感じさせる元で、そう感じるのは自分のせいなのか、あの大人たちのせいなのかが、分からなくなる元。

 どちらを選択するのか? は、あなた次第ですよ。

 

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発達トラウマを治療する方法論が、今のニッポンでは、確立されてない

2016-02-06 07:03:10 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
「時間=エネルギー」。約束やルールを守れないのには、訳がある 改訂版
  学校で母親や教員から相談される一番多いものは、「子どもが約束やルールを守れない」と言うものです。私はそれに対して、「残念ですが、当分約束やルールは守れないでし...
 

 

 

 最も由々しき事態は、アメリカ子ども虐待専門家協会が、「それをやってはお仕舞いよ」という方法アメリカ子ども虐待専門家協会が、「それをやってはお仕舞いよ」という方法が、堂々と、税金を使って、正しい」こととして、ニッポンの学校や福祉施設で行われてんですからね。これは改めませんとね。

  ヴァン・デ・コーク教授のThe body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』の第14章 Languare : Miracle and Tyranny「言葉 :奇跡も残虐も(、もたらすもの)」p.233、第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

 スペンサー・イース医師は、グリニッジ・ヴィレッジの、いまは廃院となった聖ヴィンセント病院の精神分析科を任されていましたが、好奇心が旺盛でした。それも、世界貿易センターの事件の生存者らが、2002年の始めに、何人かの医学部生と助けを求めてきた時、あのツインタワーから逃げた225名の人の調査を行いました。「あなたが経験したことからくる影響に打ち勝つ上で、一番手助けになって事は何ですから?」と問われて、生存者らは、鍼灸、マッサージ、ヨガ、EMDRの順でよく効いたと応えました。

 

 

 

 

 トラウマ治療で、鍼灸や、マッサージ、ヨガ、EMDRを使う例って、今のニッポンでは例外的ですね。発達トラウマの治療が、極々例外的にしか行われていないことが、ここからも分かります。

 

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本当の自分を生きるのも、タッチから

2016-02-06 05:41:32 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 
温もりと光に溢れた悦び  改訂版
  アガペーの愉快で陽気な、ささやかで束の間の例の続き。 p180の9行目途中から。    &nb...
 

 

 お年寄りのまとめる力は、分かったようで分からない。

 The lie cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』の始めに戻って、「完成版の前書き」、p.8から。

 

 

 

 

 

 8cmから10cmにもなる長い言葉の段落の部分から、integrity「まとめる力」という言葉が育ち、tact、「触れる」「タッチ」という驚くべき根っこに行きつきます。このtact、「触れる」「タッチ」と言う要素から、contact 「触れる」, intact 「手つかずの」「ありのままの」, tactile 「触れて分かる」「触れて感じか良い」, tangible 「触れて感じることが出来る」「ハッキリとした」, tack 「タック(仮縫い)」「留め金」, touch 「触ってみる」ということばも、引き出しています。

 

 

 

 

 

 人が物事や組織等をまとめる力も、実は触れることから生まれるというのは、非常に示唆に富んでいて、しかも、実感に近いですね。つまり、いくら知的に操作したって、まとめる力が増すことはない! という感じです。子ども等がタッチを求めるのも、あの「ルカによる福音書」の婦人病の女性も、自分の辛い体験を自分自身の中に位置づけ、まとめるための始めだからですね。

 タッチ、それは、人と人を結びつけるものであるだけではなくて、人を「本当の自分」に結び付けるものなのですね

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子どもの弱みに付け入る大人たち

2016-02-06 00:04:02 | アイデンティティの根源

 

 

 
一隻眼
  感覚を研ぎ澄ましていくこと、それがあらゆる叡智の源です。 p67の4行目から。    &nbs...
 

 

 エネルギーを生かすも殺すも、自分次第です。

 今日は、Young Man Luther 『青年ルター』、第Ⅷ章 終章(エピローグ)のp.255の、第3パラグラフから。

 

 

 

 

 

 第2の危機は、幼年期の危機ですが、のちのち人間の意志となるものの、赤ちゃんの頃の源を育みます。それは、意地からわがまままで様々です。この危機を乗り越えることは、ひとりびとりが、オートノミー自律の感じが主な心の傾きになるのか、あるいは、恥と疑いの感じが主な心の傾きになるのか、が決まります。人が強すぎるわがままに制限を加えるので、不可避的に大人と子どもの関係を支配する正義に対して疑いが生まれますこの疑いを大人たちがどのように解決するのか次第で、無傷の意志と自省、反抗と責任を結び付ける力を将来もちうるのかどうか、が決まってしまいます

 

 

 

 

 ここは決定的に大事なところです。子どもの行動は、大人と子どもの関係を支配する正義を試すことが非常に多いからです。大人が子どもの弱みにつけ込んで生きているのか?、それとも、大人も子どもも同じルールに従っているのか?を試すことが多いんです。ウソとゴマカシが広まった今のニッポンでは、圧倒的多数の場面で、大人が子どもの弱みにつけ込んだ関わりばかりです。

 

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