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エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

ノビノビ、しててね

2016-02-21 08:40:48 | アイデンティティの根源

 

 

 
夜明けの悦び
  大地の声に耳を傾ける存在でありたいものですね。 The Sense of Wonder 『不思議を感じる心』から p85の冒頭から。 &...
 

 

 3才から5才位の子どもの、無限に広がる想像力を、悪い良心をから守ることって、大人の大事な務めですね。

 今日は、Young Man Luther 『青年ルター』、第Ⅷ章 終章(エピローグ)のp.258の、第2パラグラフの、4行目途中から。

 

 

 

 

 

 社会に関する限り、これは、子どもが教えられた職業上の理想や技術上の理想と関係します。というのも、その子は、1人のお母さんとしてその母親のもとに帰ることはもうできないし、狭い家族の枠を超えて、将来の仕事を、理想的な未来の仕事を心に描く程には、1人の父親として父親と競争することもできない、という事実に対処することが出来るからです。子ども等はこういうことを、ままごと遊びの中で学びますし、学校でその期待を膨らませます。幼いマルティン少年にとって、父親の仕事は、将来なりたい仕事から除かれいただろうと想像しますし、学者の務めのある暮らしは、その代わりに、従順にして、悲しげに心描かれていただろう、と想像します。

 

 

 

 

 

 将来の仕事は、幼い頃にまず思い描くものらしい。野球の選手やサッカー選手になりたい、保育園の先生や看護師さんになりたい、というのも、それかもしれませんね。

 その時も、子どもの限りない想像力を悪い良心から守ってあげることが大事でしょうね。ノビノビしてもらいたいからですね。

 

 

 

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希望と、悦んで関わってくれる親

2016-02-21 03:55:03 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 
夜明けの悦び
  大地の声に耳を傾ける存在でありたいものですね。 The Sense of Wonder 『不思議を感じる心』から p85の冒頭から。 &...
 

 

  オカシナ行動、不法行為、意地悪、不正、などを見る時でも響き合わないために生じてくるかもしれない、色々な悩ましいこととして見ることは役立つ場合がありますからね。

 The lie cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』の、p.106の、ブランクの後から。

 

 

 

 

 

 根源的信頼感 対 根源的不信感 : 希望

 

 幸いなるかな、赤ちゃん。この世に、良い資質、優しい親と祖父母のある赤ちゃん。両親も、おじいちゃん、おばあちゃんも、赤ちゃんに熱心に関わってくれるし、赤ちゃんと大いに喜んで関わってくれますから。私どもが気付かなくっちゃいけないのは、根源的信頼感がなければ、その赤ちゃんは生きられない、ということです。ですから、すべての人は、根源的信頼感があり、それとともに、ある程度、希望という人間力があります。根源的信頼感は、希望を確かにしてくれますし、この希望こそは、あらゆる試練や、いわゆる、この世の艱難辛苦に抗する、一貫したの支えです。私どもを守ってくれる不信が少しもなかったら、生き延びることは難しいでしょうけれども、不信は、私どもの暮らしのあらゆる部面を悪で汚し、私どもが自分と人を大事にする気持ちを殺ぎ、人類に対する仲間意識をも殺ぐことになります

 

 

 

 

 

 この信頼と不信の件の最初は、まるで、新約聖書の「山上の説教」みたいですね。「幸いなるかな」で始まるのですからね。良い資質と、悦んで関わってくれる親のいる赤ちゃんが幸いでしょう。本当にそうですよ。心理臨床をしていたら、痛いほど、その大切さが分かります。

 

 

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治療と遊びは、礼拝だ!

2016-02-21 02:36:42 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 

 
過去+現在=未来は東向
  哲学の教科書の続き。 Young Man Luther 『青年ルター』のp183の第3パラグラフ5行目途中から。フリーマントルの『信仰の時代』からの引用で...
 


 

 ベトナム戦争で、「敵」と面と向かって殺し合って来た兵士のトラウマ治療には、仲間意識と、お互いに相手の話に耳を傾ける気持ちこそが必要です。

  ヴァン・デ・コーク教授のThe body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』の第14章 Languare : Miracle and Tyranny「言葉 :奇跡も残虐も(、もたらすもの)」p.236の、第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

 皆さんの恐怖について見通しを与えること、その見通しを他者と分かち合うことは、「自分は人類の一員だ(真っ当な人間だ)」という気持ちを取り戻すことに役立ちます。私が治療したベトナム帰還兵の人たちが、彼らが見たり、関わり合った「空間都市」を分かち合うことが出来る治療グルーブに参加した後で、彼女にも本音を語れるようになった、と報告してくれましたね。

 

 

 

 

 

 ここで、ヴァン・デ・コーク教授が紹介している治療グルーブのしていることは、言葉の真の意味で「礼拝」なんですね。エリクソンはritualizationと呼び、私はかつては「儀式化」と訳してきたのですが、その訳語では、間違いなので、今では「礼拝」と正確に訳すようにしている言葉なのですね。

 礼拝とは、1)見通しを確かにして、2)その見通しを人と分かち合うことで、3「まともな人間だ」という気持ちを快復することです。この3つの要素全てがあって、初めて礼拝といえるのですね。

 プレイセラピーをする場合だけではなくて、普通にやっている子ども等の遊びも、この3つの要素がある場合がほとんどで、「礼拝」になっていることが実に多いんですね。その意味では、子どもは遊びで、自分を取り戻してんですよ。

 ヴァン・デ・コーク教授の治療グルーブは、この「礼拝」の定義にピッタリです。人は礼拝が出来て、はじめて、彼女に気持ちを伝えるようになるのだとすれば、草食系男子が多いニッポンでは、その礼拝がないことの間接的な証拠なのかもしれませんね。

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失われた25年と発達トラウマ障害(DTD)

2016-02-21 02:08:23 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 
教育と「管理の正義」 5訂版
  私の嫌いなのは、管理教育です。子どもを管理の対象にはするけれども、教育ではないからです。教育はもともとラテン語で、エデュカティオ educatio、「引き出す...
 


 

 ブルース・ペリー教授によれば、脱抑制タイプの愛着障害がよくやる、誰彼かまわずまとわりつく行動は、ニッポン人の太鼓持ちの行動様式同様の、''submission'' behaviours「≪人の言いなりになる≫行動」であるといいますから、ほとんどの日本人は、愛着障害と言っても過言ではないらしい。この指摘は初めてかもね。

 ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog より、p.205の真ん中あたりから。ブルース・ペリー教授が描く愛着障害の続きです。

 

 

 

 

 

 幸いなことに、反応性愛着障害は稀です。不幸なことですが、親や精神衛生の分野の人たちは、反応性愛着障害を、広い範囲の問題行動を説明するために使っちゃっていることなんですね。特に、養子とアメリカ式の養育里子の問題行動の説明に使っちゃったことですね。「抱っこ」療法みたいなものは、テキサス大のギルマーによれば、子ども等にとって、とても有害とされましたが、反応性愛着障害の「治療法」として整えられました。「抱っこ」療法と同様、他の「正しいこと」を押し付ける、潜在的に虐待となる治療法は、怒りなどの感情を子どもにぶつけたり高圧的に「正しいこと」を押し付けたりする躾をするので、子ども等にとって、有害です。ジェームズのセラピストは、たとえば、ジェームズの態度が良くない時には、押し入れに入れてしまえ、と薦めたんですね。

 

 

 

 

 いかに「正しいこと」を押し付けることが有害かが解かりますでしょ。

 でも、ブルース・ペリー教授は、反応性愛着障害は「稀」だと言いますね。これはアメリカの話です。今の日本は、バブル崩壊後の「失われた25年」の間に、社会の間化が劇的に進んだ結果、今の25才以下の人は、相当数が愛着障害と見て良いでしょう。

 しかも、ニッポンでは、大学の教員も、医者も、小学校の教員も、児童養護施設の職員も、発達トラウマの事も、愛着障害のことも、知らないので、3項関係や、校則や、時間割などの「正しいこと」を押し付ける、潜在的に虐待となる治療法をやっちゃってる場合が非常多く、しかもその場合、怒りなどの感情を子どもにぶつけたり高圧的に「正しいこと」を押し付けたりする躾をしたりするので、発達トラウマを悪化させるケースが非常多いんですね。

 さらに昨日のブルース・ペリー教授の言葉を参考にすれば、対等な人間関係を結べない多くの日本人は、ほぼ全員が愛着障害、あるいは、もっと正確には、発達トラウマ障害(DTD)なのですからね。

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