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ヴァン・デ・コーク教授の The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体はその傷を覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』
6章。「身体を失くすと,本当の自分も失くすよ」,p.98,第4パラグラフから。ここ何日かの部分もご一緒に。
生きがい:命の持ち主になること
「生きがい」とは,自分の人生は自分持ちと実感する実感に対する専門用語です。自分の立場を弁え,自分に起きていることに口を出す権利があることも分かっていますし,自分の状況は自分で作り出せる力もあることも知っています。アメリカ退役軍人局の建物の壁をぶち抜く退役軍人は,生きがいを主張しようとしていたんでしょう,事を起こしたかったんでしょう。しかし,結局は,一層,何もできないと感じて,かつては自信があった多くの人が,狂ったようなことと,引きこもりの間を右往左往する罠にかかっていました。
生きがいは,科学者が内臓感覚と呼ぶものから生じます。内臓感覚とは,かすかな感覚,身体に由来する様々な感じです。内臓感覚に気づけば気づく程,自分の生活をコントロールする私どもの潜在能力も,大きくなります。自分が感じていることを意識することは,自分がなぜそのように感じるのかを意識する,最初の一歩です。もし,私どもが,身体の内の環境と,身体の外の環境の様々な変化を,刻一刻と気付いているなら,その内外の環境をコントロールするために動くことができます。しかし,私どもの見張り台である,内側前頭前野が,身体の内で何が起きているのかを見張ることができなければ,内外の環境の変化に気が付きません。ですから,マインドフルネスをするのですし,マインドフルネスは,内側前頭前野を強化してくれますから,トラウマから回復する1つの要石になります。
素晴らしい映画「ペンギンの行進」を見た後で,私は患者さんたちのことを考えているのに気づきました。ペンギンは無心で忍耐強いものですから,ペンギンが,大昔から,何十キロも離れた内陸まで,海からトボトボ歩いて,信じられないほどの困難に耐えて,営巣地にたどり着き,生きられるたくさんの卵をさらして失い,それでまた,ほとんど食べるものも食べずに,大海まで舞い戻るのです。もし,ペンギンに,人間の前頭葉があれば,そのひれ足で氷の家を作り,よりよい分業を工夫し,食糧調達を考えなおすことでしょう。私どもの患者さんたちも,トラウマを生き延てくる時には,途轍もない程の勇気と忍耐が必要でしたし,結局は次から次へと,おんなじ問題をぶち当たってきたんです。トラウマは,患者さんたちの心の方位磁針を働かなくして,もっと,ましなことを創造するために必要な想像力を,奪っています。
本当の自分と生きがいの神経科学は,友人のピーター・レヴィンとパット・オグデンが開発した,様々な体感療法を支持しています。これと他の体感療法については,この本の第5部で,詳細に論じるつもりですが,体感療法の要は,3つです。
1)トラウマが邪魔し,氷漬けにしている感覚情報を引き出す。
2)患者が,内的体験をすることによって自由になったエネルギーを押さえつけるのではなくて,そのエネルギーを生かすように助ける。
3)恐怖によって,身動きができず,押さえつけられ,どうしようもなくなっていた時にはできずにいた,自分を守る身体の動きができるようにする。
腹が感じる感じは,何が安全で,何が人生を保ち,何が恐ろしいかを示します。それは,なぜそう感じるのかはうまく説明できない場合でも,同じです。私どもの感性が内的に促すことは,自分の身体が願っていることに関する,静かなる細き声です。
腹が感じること,腑に落ちることを大切にする点で,エリクソンの教えにも,聖書の教えにも通じています。
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