素敵なプレゼント。
銅製のしおりです。
きっと、一生ものですね。
大切にします。
最近お気に入りの新橋文化劇場で「善き人のためのソナタ」観て来ました。
映画好きの私にとっては、ここは、安く観られることと、なんとも古びた感じが心地良い空間です。見逃してしまった話題作にも出逢えます。週代わりなので、チェックしてみてください。ペアで行くと、700円で観られます!
この映画はドイツ映画です。壁崩壊直前の東ベルリンが舞台で、その非常な監視国家体制の中枢を担っていた秘密組織シュタージについて初めてその内幕を知らしめた歴史ドラマです。
シュタージの忠実な局員ヴィースラーは任務で、劇作家ドライマンとその恋人で舞台女優のクリスタが反体制である証拠をつかむため、部屋に盗聴器を取り付け、完全監視に入ります。
そのヴィースラーが、監視を続ける間、盗聴器を通して知るものは、自由、愛、音楽、文学でした。ドライマンの奏でたピアノ「善き人のためのソナタ」を聴いた時、ヴィースラーの目からは、涙がほとばしり、非人間的な氷の心が少しずつ溶け始めます。そのラストは、あまりにも哀しい場面を展開していきますが、最後の最後は心の奥からこみ上げてくるような人の善の息を吹き込まれる感覚を持ちました。
この映画は盗聴器監視という緊迫が続くような設定ですが、血なまぐさくなく静かな無常の織り成す、切なく美しい旋律が胸に響いてくるようでした。
愛し合う二人が非常な権力に、引き裂かれたり、絆を不信に変えさせられたりする社会は本当に嫌です。
哀しい社会は本当に嫌です。
この映画の帰り道ベートーベンの「ムーンライトソナタ」が響いてきました。
少し前の映画で、よい映画に出会うと、行過ぎた季節を懐かしめるような感じがあって嬉しいです。
映画の後は、よく散歩します。
高田の馬場まで行って、早稲田松竹の近くの大好きな文房具店マルシメさんで来年度の手帳買いました。その後、ゆっくり神楽坂の方をまわり、飯田橋まで歩きました。
家の近くでは、あちこちの庭先から、金木犀の香りが漂ってきました。
煮物の甘じょっぱい匂いも。
みんなちょっと懐かしいにおいです。
ほっとします。