駒師「日向」のブログ 本店

プレーヤー目線で作る
将棋駒作家のつぶやき

無剣書 Round2 ~その2~

2011年04月02日 | 隷書(無剣・六清・三田玉枝・阪田好等)
試作をしました。これで木地の癖を掴みます。

木口杢ですので、かなり手こずるかと思いましたが、

この木地は意外と素直でした。

水研ぎしましたが、木地の曲がりも出ていません。


表面は駒の右サイドに波紋の様な

木目が出ています。



裏側は左サイドに出ています。


木目が詰まっているためでしょうか、

磨いたら良い色合いを見せてくれました。

漆の乗りも良い様です。

ここのところ扱い難い木地が連続していたので、

少しホッとします。


この木口杢木地は、十分乾燥してありますが、

かなり「しっとり」しています。

指すと静かな駒音とともに、盤に吸い付きます。

この「スー、ピタッ」という感触が

なんとも言えません。

気のせいだと思うのですが、

駒の先端が盤に触れてから、

駒尻が盤に着地するまでの間、

木地がほんの少し「しなって」いるように

感じます。

そのしなやかさがとても女性的です。

とにかく彫るのに苦労する木地ですが、

何度でも挑戦したくなる魅力的な木地です。



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* 被災地の皆様へ心よりお見舞い申し上げます。 *
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