駒師「日向」のブログ 本店

プレーヤー目線で作る
将棋駒作家のつぶやき

謎の将棋駒!? ~その3~

2012年01月06日 | 将棋駒製作
「弥生さん」を修理中です。

漆が剥離した部分に目止めをして、

新しい漆を乗せました。

馬の字をよく見て頂くと

うっすらと白っぽい影が見えますが、

これが目止めです。

木地と漆との間に膜をつくり、

漆が木地に浸透するのを防いでいます。



さて、漆が剥がれた原因を推察してみたいと思います。

おそらく弥生さんが使用している目止めは

水溶性の木工用ボンドだと思います。

この木地の密度が高いため、

かなり薄め目の木工用ボンドでも

滲みの心配は少ないでしょう。

良い木地は作業も楽ということです。

水溶性の木工用ボンドは乾燥していれば

強固に接着していますが、

過度な水分が補充されると再び液状化してきます。

他の駒の駒尻に若干ですがカビた様な痕跡が散見されますので、

恐らくこの駒は湿度の高い場所に放置されていたと思われ、

過度な水分が駒に付着した結果、

木工用ボンドが液状化し、剥離したと考えられます。

こうなると漆が木地から浮き上がった状態に

なっていますので、指した時の衝撃で剥がれ落ちたというか、

折れてしまったのではないでしょうか。


推察が正しいかどうかは分かりませんが、

自分なりに結論を出し、制作に工夫を重ねて行くことが

重要かと思います。

弥生さんからそれを教えて頂きました。感謝。。。

***********************
*被災地の皆様へ心よりお見舞い申し上げます。*
***********************

☆いつも押して下さりありがとうございます。☆

☆これからも宜しくお願い致します。☆
   ↓
にほんブログ村 その他趣味ブログ 将棋へにほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする