駒師「日向」のブログ 本店

プレーヤー目線で作る
将棋駒作家のつぶやき

斜陽

2014年08月27日 | 日向のひとりごと
8月下旬、某盤駒店を訪問。


入店するとすぐに店主の奥さんらしき人が近寄ってきた。

「何をお探しで?」

「将棋の駒を見たいのですが、、」

「あー、申し訳ないね。今はここにあるだけです」

と言われてショウウインドウを覗く。

機械彫の中彫駒が3組と黒柿木地の彫駒が2組鎮座。。。


「盛上げ駒はありますか?」と私。

奥さんから答えが返ってくるかと思いきや、

「予算はいくらだい!?」

と突然野太い男性の声が店中に響く。

視線を上げた私の前には

でっぷりと突き出た男の腹、

どうやらここの店主らしい。


「良いもので手ごろな価格なら買おうかと。。。」

と言いかけたところで、男の言葉が遮る。

「棋具のことはおれが日本一詳しい!」

「。。。。。。。。。はあ」

と曖昧な返事をするのが精いっぱいの私。


5分ぐらい一方的に話続ける男。

断片的な記憶を頼りに言葉を並べてみると、

「影水は500万円!!、木村は200万円!、大内(九段)には10面以上納めた、この辺やるタイトル戦の盤駒はすべておれがセットしている!、熊なんとか(たぶん熊澤良尊師のこと)は大したことはない、、、、云々」

のような感じか。。。

私自身、全然他人を批判出来るレベルではないが、

こういう人物を目の前にしてしまうと、

業界の未来を案じずにはいられない。。。


苦~い顔になっている自分に気づく。


「伸び代があるってことだよ!」

と咄嗟に自分に言って聞かせ、

そそくさと、つくり笑顔で店を出る。


早く世代交代をしないと、本当にこの業界は沈んでしまう。。。

                          (了)


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