私はどちらかというと「内向き」な人間だと思っています。
「内向き」「外向き」は、個々人の感覚的な、主観的なものであるし、また相対的なものであるので、どちらが良いとか悪いとは思いません。
ですが、世界へ打って出よう!若者は外に出て行く勇気を持っていない、などいかにも「外向き」が「良い」ような議論が横行しているように感じます。
福沢諭吉の頃はまさに「外向き」が求められたのだと思いますが、今は本当にそうでしょうか。欧米の築き上げてきたさまざまなものにもほころびが見られるようになってきています。明治維新以後、日本が100数十年かけて近代文明を築き上げてきました。そのおかげでとても便利で、以前よりははるかに安全な国土で生活することができています。しかし、その過程で非常に多くのことを失ってきました。
日本の歴史、および今後についての考えは各自で異なると思います。
私は、失ってきたものがあまりにも大きすぎる、という感覚です。ですから、外に打ってでることもできるかもしれないけど、もっと足元を固めないと、という意識が強くなるのだと思います。自分はよくても、自分たちの小さな子供たちはもしかすると22世紀まで生きるのです。
でも、私が内向きの人間だとしても、周囲にはいろんな人がいて、連携させていただけるので、結局私も「外向き」の仕事もたくさんします。
だから、いろんな人がいればいい。みんなで力を合わせればよい。
「外向き」だけが大事なのでも、格好いいのでもない。