このブログは、私の両親も見ているようですが、まあ気にせず書きます。
私も父親ですが、私にももちろん父親はいるわけです。
私の父親は決して寡黙な人ではなく、むしろおしゃべりだと思いますが、私が幼少から育ってきた過程で非常にたくさんコミュニケーションをした、という印象ではありません。私が子どもたちとコミュニケーションしすぎる父親なので、 そういう印象を持つのかもしれませんが。
人間とは後悔する生き物ですから、なるべく後悔しないように、やるべきと思うことは後回しにしない、と様々な本に書かれています。私もそのようにしたいと常々思っています。
今朝、次女をスクールに送っている途中で、なぜかふと、父親のことを考えました。母親には最大限の感謝の意を日頃から伝えているつもりですが、父親にはそれと比べると少し足りないかな、と自省しているからかな、思いました。普通の父と息子の関係よりは、相当にコミュニケ―ションしているとは思いますが。
ですが、私が父から言われた言葉で非常に心に残っているものがあります。父は終戦の日の直前の7月に生まれています。
私が甲陽学院中学校に入学する直前のことでした。子供部屋に父親が来て、私をイスに座らせ、語り始めました。概要は以下です。
「立派な中学校に行くのだから頑張って勉強してくれ。だけど、一つだけ聞いてほしいことがある。自分が小学校の頃、とても貧しくて(兄弟がたくさんいたので)、お弁当のときに給食の味噌汁を付けてもらうことができなかった。お母さんから「すまないけど、我慢してくれ」と言われた。 とてもみじめな思いだったけど、お前たちはそのような境遇ではない。その境遇に感謝して、しっかりと勉強してくれ。」
というような趣旨でした。味噌汁のくだりでは、父親が泣いていました。
今朝、この父親のメッセージを思いだし、パリを歩きながら私も涙が溢れました。私が一所懸命頑張ろう、と思う気持ちを持てる基盤には、父親の愛情や母親の愛情、祖父母の愛情などがあります。
学校の昼ご飯に味噌汁も飲めなかった父親に比べ、私の境遇はあまりにも恵まれています。先人や親族、家族の支えの上に、まさに最先端に立つ資格を与えていただいているわけですから、どうやって貢献できるかということを考え続ける責務が私にはあると改めて思います。
なかなか父親には面と向かってこのようなことを伝えられませんが、ブログを借りて伝えたいと思います。ありがとうございます。頑張るよ。
11月に本格渡仏してから仕上げた文章が3つ目になりました。
最初は、目視評価法の解説文。「建設物価」という雑誌の2月号に掲載されるそうです。もちろん、復興道路の品質確保と絡めたマネジメント的な読み物にしておきました。タイトルは、「目視評価法を活用したコンクリート構造物の品質向上マネジメント」としました。
二つ目は、山口県のひび割れ抑制システムの効果を技術的な面から分析したもの。土木学会論文集に投稿しました。執筆を始めてからかなり時間が経ってしまいましたが、その間に我々の研究も大いに進み、それらの成果も含んだ内容に仕上がったと思います。「ひび割れ抑制システムによるコンクリート構造物のひび割れ低減と表層品質の向上」というタイトルで、現在査読中です。
三つ目は、先ほど仕上げて投稿しましたが、2014年6月にノルウェーで行われる国際会議、CIC2014(Concrete Innovation Conference)に投稿した論文です。"Quality Assurance Management of Revival Road in Tohoku Region after the Great East Japan Earthquake" というタイトルです。目視評価の判定基準、施工状況把握チェックシートも初めて英訳しました。
日本では、私の時間マネジメントが十分でないのか、努力が足りないのか、両方でしょうが、なかなか論文を執筆する時間が確保できません。文章を書く時間は取れますが、図表を自分で作成する時間が確保できない、というのが真相でしょうか。フランスではしこしこと自分で作業する時間がたくさんありますので、大チャンスです。私自身の勉強にも大いになります。
上記は私が筆頭著者ですが、これらとは別に、
"Mechanism of Improvement of Crack Resistance of Slag Concrete with High Alite Cement"という論文を、Namさんが土木学会論文集へ、
「若材齢で曲げひび割れが生じたRC梁の収縮特性を考慮した時間依存変形機構の分析」という論文を、小松君が土木学会論文集へ、それぞれ投稿しました。
論文ですので、査読で落ちるかもしれませんが、内容に価値はあると思っていますので、諦めずに公表されるよう努力を続けます。
私自身も、和文英文でとりあえず一本ずつ論文を執筆完了しましたので、勢いに乗って優先順位の高いものから執筆を加速させたいと思います。
次のターゲットは、和文は「施工状況把握チェックシートによるコンクリート構造物の品質向上と協働関係の構築」で土木学会論文集F4(建設マネジメント),です。すでに共著者とのやりとりを開始しています。
英文は,SWATに関するものをしっかりと執筆しようと思います。
何事も「積重ね」ですが、論文は積重ねの最たるものの一つのように感じます。子どもたちのお弁当作りも、今日の午後に予定されている次女との水曜日散歩も、すべては積重ねなのですが、論文執筆の積重ねは、慣れると癖になりそうです。地道な作業の積重ねで、何もないところに作品が生まれ出るもので、着想、実践の段階で心からベストを尽くしていれば、世のために役立つ作品となります。
今日も、上記二つの論文の執筆を少しでも進めようと思います。