今日は火曜日なので、講義が3つ連続である日です。午前の維持管理計画学には、先週からゲストティーチャーを招いていまして、先週がJR東日本の小林薫さん、今日がJR東日本の松田芳範さんです。お二人とも、私の元上司で、真のエンジニアですので、学生たちは多くを感じてくれるものと思います。ちなみに来週がショーボンドの平塚慶達さん、その次が鉄道総研の上田洋さんです。4回の前後の2回は私が担当して、全15回程度のうちの6回を私が担当する、という設計です。学生たちに実社会のすごさ、面白さが伝われば、と思っての設計です。
さて、午後の一つ目の講義が例の「土木史と技術者倫理」で、今日で6回目です。今日のタイトルは「自然災害の克服」です。これだけで10回くらいは話せそうですね。。。
私はこの講義では、全力で珠玉の情報を提供しますが、学生の脳裏にこびりついて離れなくなるであろうようなキーワードを掲げて、それにつながるような情報を畳み掛ける戦法もよく使います。
これまでに使ったキーワードの中で、学生たちにかなりの影響を与えているように思われるのが、「当事者意識」です。学生たちのレポートを読んでいても、これまでいかに当事者意識が欠けていたか、ということについて考察するものが多いです。
学生たちや子どもたちの中に当事者意識が欠けている人たちが多かったり、増えているとして、それは彼らのせいではありません。大人のせいであるし、すでに亡くなった先人たちの中にもその原因を作った方々はもちろんおられます。そして、現在の学生たちに非が無いわけでも決してない。
みんなのせいなのです。ですが、悪者探しをしても状況は改善しない。当事者意識をもって実践するしかない。
今日もいくつかのキーワードを提示して話を紡ぎますが、今日の最重要キーワードは「つなぐ」です。つながる、というキーワードも黒板に書きますが、やはり能動的な「つなぐ」が重要でしょう。
人間が生きることの意義そのものも問いかけます。
大河津分水路の工事の陣頭指揮を執った宮本武之輔のビデオも見せますが、宮本と講義を聴く学生たちがつながっていることも、今日の講義で分かるでしょう。間接的には、廣井勇先生を通して宮本も、私も、私の講義を聴く学生たちもつながっています。
10日後に家族の待つパリに出発しますが、私自身の肉体的な疲労が蓄積しており、肌の調子が良くなくなるなど、少し危険シグナルが出ています。自分をコントロールする術は身に付けているつもりなので、パフォーマンスを落とさないよう、努力します。肉体面で余裕が無くなると、精神面でも余裕が無くなり、研究室の学生の指導にしわ寄せが行きがちで申し訳なく思っています。8名もの修士2年生(うち2名は留学生)を抱えており、研究指導だけでかなり時間を必要とします。学生たちの指導は、最重要事項ですから、心の余裕をもって臨むよう、今の私にできる最善を尽くしたいと思います。遠慮せず、相談に来ていいよ。