昨日は、横須賀高校で講義でした。4年連続4回目になりますが、横高アカデミアというプログラムでの大学教員による高校生への特別講義の枠で行うもので、私は毎年指名されて講義を行っています。お得意さんですね。
昨日は、横須賀高校では初めて全校生徒(837人だそうです!)を相手に、体育館で講義を行いました。さすがに800人以上がパイプ椅子に座る様子は壮観で、私は緊張はしませんが、一緒に講義を企画、実施した学部4年の上山君にはかなり刺激的な環境だったようです。約10分程度の持ち時間をしっかりと準備し、秀逸な内容の情報提供ができていたと思います。
私たちの持ち時間は90分弱でしたが、最初の40分くらいを使って、世の中の全体的な話をしました。
土木工学とはそもそも何なのか、文明とは何か、から始まり、私たち土木技術者の先祖は、行基(狭山池)や空海(満濃池)などのまさに築土構木を実践された僧侶です。その話もしました。
そして、土木とは、とにかく状況を改善するために、広義の環境に働きかける実践的な学問であること、を説明しました。
次に、現代社会の病理の構図を、大衆社会、全体主義、の観点から説明し、大衆社会に対する処方箋(「運命焦点化」「独立確保」「活物同期」)を説明しました。
講義後の8名の生徒さん(横高アカデミアの受講生、意欲が高い)との対談の中でも、上記の現代社会の病理についての話は印象深かったようです。
その後、文句、不平を言うだけではなく、とにかく実践が信条の土木技術者らしく、地震と家具固定の話に移りました。
上山君も登場し、なぜ家具固定が重要なのか、私たちが家具固定に注目し、しつこく実践しようとしている真意も説明しました。
今後、どうなるか分かりませんが、全校生徒のご家庭の家具固定の状況が、「初期値」としてデータ収集できる見込みです。
その後、その家具固定状況を「改善」するために、私たちも様々な作戦を考えますが、横高アカデミアの受講生20名とも連携して、努力したいと思います。
「運命焦点化」。自分が何のために生きているのか、とかく見失いがちですが、私も今回の横須賀高校での刺激的な講義をさせていただく機会により、まさに運命焦点化を体験しています。私が果たすべき役割、はもちろんたくさんあると思いますが、90分の特別講義そのもの、もしくは講義のための準備、講義の後の8名の生徒との対談、そしてこの講義により発生した状況をどのように活用していくのか、に対して私のベストを尽くすことになります。それが運命焦点化、です。
貴重な機会を与えていただき、ありがとうございました!また来年もご縁があればよいですね。