細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

国際会議

2016-05-17 12:21:36 | 人生論

昨日は、東工大で開催された、国際会議に参加し、私も研究発表しました。

5月11日(水)に、横須賀高校で90分の講義を行ったのですが、20名程度の理系の生徒たちは、私の講義を熱心に聴いてくれました。途中で生徒たちにいくつか質問を受け付けたのですが、 生徒たちの質問から意識の高さが伺え、私も全力で答えました。土木史、防災の内容です。生徒たちは、我が国家の進むべき方向についてこれまで聴いたことのないような情報を得て、納得もしたようですが、「自分自身は何をすればよいのかが分からない」という質問も、講義後の少人数の生徒たちとの懇談会でもらいました。女子生徒からの質問でした。

村上春樹や、三島由紀夫の小説での表現も引用し、「日常をしっかりと誠実に生きること」こそが、我々のやるべきことである、と答えました。

昨日の国際会議でも、そのことを改めて感じたので、このエッセーを書いています。

池田尚治先生、大即信明先生の記念シンポジウムで、IOS2016という国際会議でした。

それほど外国からの参加者が多い会議ではありませんでしたが、私に話しかけてくれたタイの研究者とは打ち解けて、いろいろと話をしました。また、夜のバンケットでは、カナダ人の参加者の隣に座り、いろいろと盛り上がりました。国際会議のバンケットでは、私は基本的に日本人の隣には座りません。人と会うことが目的だからです。日本に来た外国の方々に日本を好きになってもらう。おもてなしでもある。大事なことです。

発表はもちろんベストを尽くしましたが、私の発表を見ていろいろと学ぼうとしている若者も少なくありません。手本となるべく良いパフォーマンスを示すべきです。

あまり質疑が活発でもなかったので、質問もいくつかしておきました。英語の得意でない日本人の社会人の方の発表には、英語で質問する前に、ごく簡単に日本語で要旨を伝えました。回答も難しいでしょうから、「割合を聞いています」と伝え、「40%の工期短縮です」と英語で答えが返ってきました。この私の質問のやり方に対して、バンケットで「細田先生って意外に優しいんですね」と言われました。

もう一つの質問は、東工大の博士課程の学生さんにしましたが、そこは甘やかしてはいけませんので、英語のみで厳しい質問をしました。発表の後に少し会話しましたが、厳しいディスカッションでしか研究者は成長しないと思うので、頑張ってもらえればと思います。

バンケットでは、大即先生の席にも行って、ご挨拶いたしました。

直接お話ししたことはこれまでもほとんどありません。随分前に、まだ助教授になって数年くらいのころに宴席でお話ししたことがありますが、それ以来の2回目です。記念シンポジウムの成功のお祝いの言葉と、大即先生のkeynote lectureに対する感想をお伝えしました。海水をコンクリートの練混ぜに使うご研究について、いろいろと勉強になったことを素直にお伝えしました。とても喜んでくださりました。

そして、「細田さんの論文(論説文も含むと思われる)は、ポジティブなものが多いから、好きですよ。よく読んでるんですよ。」とおっしゃっていただきました。

ほんのちょっとの時間の会話でしたが、 とても有意義な、幸せになる時間でした。

今日は国際会議の二日目ですが、私が連名の研究は3件、共同研究者(助教、博士1年、修士1年)が発表してくれていますが、私は講義もあり不参加です。3件の発表がしっかりと聴衆に伝わればと願っています。修士1年の学生が5月に国際会議で発表するのは、私の指導学生では初めてです。今後もどんどんとチャレンジを重ねて成長してもらえればと思います。

その他にも、PC工学会の防災委員会(私は副委員長)の委員長の宇治先生と、少し活動が停滞しているこの委員会の今後の運営方法について会場で10分弱お話を、また、以前の部下であった香川高専の林さんが帰る方向が同じだったので、品川駅内のカフェでビールを一杯飲みながら、研究・人生論について議論をして、帰宅しました。

たった1日の国際会議への参加でしたが、「日常をしっかりと誠実に生きること」とはそういうことであることを、後輩たちの参考になればと思い、記しておきました。