昨年、2021年4月のこのブログのエッセーで「年男」というものを書きました。12年サイクルで人生を振り返ると、そのときに4つ目のサイクルを終えようとしているタイミングでした。
そのエッセーの中では、4つ目のサイクル(36歳から48歳まで)を「プロとして研鑽を積んだ時期」と総括していました。
現在は、5つ目のサイクルがスタートして1年4ヵ月が経過したところです。自分の人生がこの先どうなるかは分かりませんが、おそらくこの第5タームが、自分がプロとして最も力を発揮する期間になるのだろうと予感はしています。もしくは、そうなるように努力したいと強く思っています。
その先の第6、第7タームはあるのかも分かりませんが、健康で、周囲に貢献できるように生きたいと思っています。
研究が自分の仕事の重要な部分ではもちろんありますが、自分自身に「いわゆる研究的な能力」が十分備わっていないというコンプレックスを抱えて研究者人生をスタートしました。私は正直な人間ですし、事実を素直に見るという性格でもあるので、机上の論よりは実現象を虚心坦懐に見つめるというやり方で研究に取り組んできました。愚直に誠実に続けることしかできませんが、様々な方々と連携させていただきながら、多くの研究プロジェクトに携わってきました。
私の力不足で大した成果が出なかった研究も少なくありませんが、すべての研究活動から、多くのことを学ばせていただき、それらをフィードバックして、少しでも良い研究ができるように努力はしてきました。
8月1日に、二人の指導留学生の博士論文の最終審査が行われ、無事に審査を終了しました。ベトナムのNgocさんと、エチオピアのAddisuさんです。この二人で、私が主査を務めた博士号は13人となります。博士論文の研究は、どの研究においても、指導学生との数えきれない打ち合わせを重ね、困難を少しずつ乗り越え、ともに悩み、ともに喜び、ともに笑い、時にはブレイクスルーがあり、掲げた目標を達成してきました。これからも数多くの方々と博士論文にチャレンジしていくと思いますが、どんな研究に取り組んでいくのか、楽しみと少しの不安とが入り混じった気持ちです。
研究にはいろんなやり方があるのでしょうが、いろんな方々と多角的に議論しながら進める研究が私は好きです。人間は知識にも限りがあるし、簡単に間違いも犯すので、多角的な議論で内容をブラッシュアップしていく過程を経験し、私は強い魅力を感じるようになりました。現在、そのような研究にいくつも関わることができることを幸せに思います。
また、私の研究室でテーマ設定をして実践していく研究以外にも、自然災害ミチゲーション研究拠点の拠点長として、様々な研究プロジェクトをマネジメントしていく立場に就いています。まだまだ模索している最中ですが、これも大変に魅力的な役割と感じています。私自身もでき得るアクションを取っているつもりですが、他のプレーヤーの方々も前向きに、知恵を絞ってくださるので、すでに様々な連鎖が生じてきており、今後の発展が大変に楽しみです。
研究は先が見えないこともあるので不安に感じることもありますが、やはりポジティブに、ワクワクしながら取り組む方が、予想もしない連鎖を生み出すように感じています。
第5タームの序盤、あと半年ちょっとで50歳となります。天命を知る、と言われる年です。そこから10年間、あっという間かと思いますが、第5タームが終わると還暦です。山あり谷ありの時間になると思いますが、自分のポテンシャルをしっかりと発揮できるよう、心技体の充実に努めます。