2023年度が始まりました。今年は新年度が土日でスタートでしたので、土曜日に中2になった春休み中の次女と私の浦和の実家に行き、私は一泊しました。次女は二泊。
土曜日は、私が父と二人で見沼代用水沿いに桜の花を楽しみながら夕方に散策し、日曜日は私と次女と私の両親と四人で、別のルートで見沼代用水沿いに散策し、私のリクエストで氷川女体神社にもお参りしました。(お祈り大事。。。)
浦和の実家では仕事にも短時間集中して取り組み、この4月に社会に出る修士卒の学生の投稿論文の添削や、新年度にスタートした「豊穣な社会研究センター」においても重要な予算申請のための資料を作ったりし、十分に休養もした上で、自宅に戻る電車の中でこのエッセーを書いています。
さあ、新年度が始まりました。大学で生きるものにとっては、やはり4月が一番の大きな区切りで、学科でも研究室でも卒業生を見送り、すぐに新入生たちが入ってきます。私自身には異動はないのですが、毎年、この時期にはメンバーが大きく入れ替わるために、強制的に気持ちがリフレッシュされ、また新たに頑張ろう、という気持ちになります。ありがたい環境です。
私の横浜国立大学での教員生活も20年目に入っており、19年半が経過したところです。随分と長くやってきたなあ、という実感です。そして、このタイミングで、来週には50歳になり、「天命を知る」となります。数年前からは悶々としていた時期も少しありましたが、今は払拭し、私なりに準備が整った状態で「天命を知る」を迎えることができる、と感じています。
岡村甫先生、前川宏一先生らが主宰されてきた東大コンクリート研究室で、華々しい活躍をする先輩後輩が多い中で、研究者としては明らかに劣等生として学生生活を終え、JR東日本構造技術センターでの技術者として社会人生活をスタートさせ、2003年10月から大学で研究者・教育者のキャリアをスタートさせました。今は、学生たちの研究指導はもちろんですが、非常に多くのプロジェクトに関与させていただいており、この4月に設立した豊穣な社会研究センターのセンター長も務めています。
「劣等生」だった私がどのように研究指導をしているのか、また、私自身のことはともかく、ものすごく忙しそうに見える大学教員がどのように学生たちの研究を指導しているのか、興味を持っておられる方も少なくありません。
研究者の研究指導方法には様々なタイプがあると思います。
私の場合は、「コンサルティング」と呼ぶのがふさわしいと思っています。
私が実際に行っているのは、コンサルティングです。
私自身がプレーヤーとして研究を行う場合ももちろんありますが、数多くの学生たちの研究プロジェクトを指導する場合、主役は学生たちです。
私自身は研究は下手くそですが、学生の研究を上手く導くコンサルティングは上手のようです。学生のやっている研究を私自身が取り組んで上手にできるわけでもないと思っています。答えもやり方もよく分からないようなテーマを研究に設定しますので、学生たちは当然にもがきます。どのように進むべきか、少し助言すると、学生が前進を始めます。前進すると結果も出てきますので、その結果が良い方向に向いているのかそうでないのか、一緒に考えます。方向が良くない場合は、どうすれば良い方向に転換できるのか、また助言します。
これを繰り返しているうちに、だんだんと目的の方向に前進し、その過程で私もいろいろなことを吸収します。吸収してしまえば、これまでの経験や蓄積もあるので、研究がある程度のレベルに到達するころには、何も知らなかった私はすでに一気に前進しており、学生を指導できるようになります。投稿論文を書いたり、研究成果をプレゼンするような段階になると、研究の全体像もすでに把握できているので、しっかりと指導することができるようになっています。
このように、プレーヤーとして成長しながら前進していく学生のパワーと、コンサルティングしながら並走する私との協働作業なのだろう、と思います。研究は一人ではなかなか上手くできません。批判を繰り返しながら、ともに前進できるチームが重要と感じます。
学生の研究指導に限らず、産官学の共同研究等においても、私の役割は本質的にはコンサルティングである、と今は思っています。
どうすれば、コンサルティングの能力を向上させることができるか、ですが、数多くの経験をして知識や引き出しを増やすことと、ブレない哲学・軸・クライテリオンを持つことであろう、と思っています。
2022年度もいくつかの新しい研究テーマを立ち上げ、模索しながらテーマとして育ってきました。
2023年度は、また新しい研究やプロジェクトもいろいろと立ち上げるでしょうし、育ってきたテーマをぐいぐい前進もさせるでしょうし、成果を刈り取るステージの研究もあります。
新しい学生たちとのご縁も始まり、学生たちも大きく育つと思いますが、私もいろいろと学ばせてもらい育つことになります。
明日から出勤ですが、ポジティブな気持ちが満ちてきています。楽しみです。
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