スクロヴァチェフスキの90歳記念ボックスから、ブルックナーの交響曲4番を大音量で聞いている。実に爽快。このボックスではベートーヴェンやブラームスの交響曲全集もいい。私はギュンター・ヴァントに心酔してヴァント&ベルリン・フィルのライヴ録音でブルックナーに入門し、その後、オイゲン・ヨッフム、カール・シューリヒトを経てリッカルド・シャイーの名録音に出遭い、近年はこのスクロヴァチェフスキやセルジウ・チェリビダッケを集中的に聞いている。最初、スクロヴァチェフスキのブルックナーを聞いた時は、楽譜を離れてテンポを変化させたりして、厳格なヴァント爺さんに怒られそうな演奏だな、と思ったものだが、今になるとそれも気にならない。録音が鮮明で活気があり、工夫に富んだいい演奏だと思っている。割とブルックナーらしいスケール感もある。チェリビダッケ的な永遠の時間感覚は流石にないが、よく手が伸びるいい演奏である。数日後、帰京したあとは神話論を完成させたら、少しゆっくりして、寺山修司の脚本を読んだり、エッセイを読んだり、ヘルマン・ヘッセの伝記や小説を読んで省エネ・モードで次の仕事に備えたい。メモ書き作りはこの春は余力が残っていないので先延ばしにするつもり。それでも順調に三月を充実させて、無事、次の仕事に軟着陸させたい。人の6倍疲れ易い体質なので、消耗をどう乗り越えるかがいちばんの鍵である。
爽快に大音量で大曲の名演を聞き小休止する
爽快に大音量で大曲の名演を聞き小休止する