超人日記・作文

俳句を中心に、短歌や随筆も登場します。

#俳句・川柳ブログ 

ヘッセのシッダールタを読む

2019-03-31 11:18:32 | 無題
ヘルマン・ヘッセのシッダールタを読んだ。ゴータマ・ブッダとは違う無名の沙門で、若き悩める修行僧であった。ゴータマ・ブッダと出会った彼はブッダの言う苦悩とそれからの解脱を学んだ。けれどもシッダールタはブッダの教えに満足しなかった。シッダールタはブッダの教えには欠けたところがある、それは解脱が世界の完全性にヒビを入れていると言うことだった。ゴータマ・ブッダの元を去り、沙門さえやめてしまい、若き娘と恋に落ちた。その後長く遍歴の旅を続け絶望をくぐり抜けて最後に渡し守と出会った。渡し守も普通に生活しながら世の中の摂理を知っていた。シッダールタは渡し守から学んだ。それは全ての人と共感すること、世界をそのままで受け入れること、世界と共に生きることであった。シッダールタの古き友人は数十年ぶりに会ったシッダールタを見てその笑顔がブッダとまるで同じことに気づいた。シッダールタは自分のやり方でブッダと同じ心の平静を見出していた。シッダールタは普通の人であった。それでいて世界の全てを受け入れる、善悪も含めて受け入れる共感の思想に達していた。仏教徒からすれば色々と反論のあるところだろうが、一人間として世界との共感と言う思想にたどり着いたヘッセの境地がうかがえる。インドとの付き合いの深い家系であるヘッセだがシッダールタが彼の分身であることは疑いない。ユングとの出会いを経て、善悪を含めてこの世界を肯定することを学んだヘルマン・ヘッセの到達点がうかがえる奥の深い優れた小説である。

人生の遍歴を経て仏陀とは違う境地で朗らかに笑う

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ヘルマン・ヘッセの郷愁を読む

2019-03-31 09:37:56 | 無題
ヘルマンヘッセのペーターカーメンチントを読んだ。若き日の思い出を綴った自伝的小説である。スイスの田舎に育った「私」は友達と喧嘩したりギリシャ語やラテン語勉強したり小説を書いたりして大人になった。主に執筆業をして社交界で恋愛をしたりして旅慣れてきて知り合いの死も経験し人間として成熟してきた。若くして生涯を振り返るヘルマン・ヘッセは成熟しすぎているとも言うがこれが彼のデビュー作であり出世作でもある。このあと車輪の下を書いて不動の地位を得た。車輪の下ほど辛いことが多く書かれてなく美しい郷愁に彩られている。若き日の思い出話としては非常に達筆に書かれている。自然の風景と自分の心の情景が溶け合っている。なかなかこうは書けない。後のヘルマン・ヘッセを見るようで読み進めるのが楽しかった。田舎育ちのヘッセはチューリヒなどの都会に行って教養を身に付ける。ワーグナーやニーチェなどのことも知る。いわゆる教養小説である。若い頃いろいろ苦労したヘッセがようやく花開いたその結晶である。ヘッセの最高傑作はデミアンだと思っているが、その他の小説も時間を見て読み進めたい。空をかける浮雲をゆったりと眺める青年時代の憧れ、そんなものが巧みに表現されている。青春小説としてはとてもうまくかけている。たた後の老成したヘッセの文体の深みはないが、若き日の夢や憧れが繊細な筆致で表現されている。素晴らしい読書体験だった。

浮き雲に遭いたい人の面影を重ね合わせる若き胸中

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30年前の曲で春を乗り切る

2019-03-31 07:47:01 | 無題
春の憂鬱を乗り越えるには80年代ポップスが最適だ。私が前から持っていたポップスと最近集めた数枚のCDをこれから上げていくことにする。
デヴィッド・シルヴィアンのシークレッツ・オブ・ザ・ビーハイブ、
キャッチング・アップ・ウィズ・ザ・デペッシュモード、ジャパンのブリキの太鼓、ベスト・オブ・アズテックカメラ、ジャパンのオイル・オン・キャンバス、
コクトー・ツインズの4 カレンダーカフェ、スクリッティポリティのキューピッド&サイケ85 、シェルタリングスカイのサントラ、
エヴリシング・バット・ザ・ガールのベスト、デヴィッド・シルヴィアンのウェザー・ボックス、
トーキングヘッズのストップ・メイキング・センス、同じくトーキングヘッズのネイキッド、ユーリズミックスのグレーテスト・ヒット、ヴァージニア・ストレイのサム・スモール・ホープ、
ハウスマーティンズのベスト、ベリー・ベス・トオブ・スミス、
トーキングヘッズの2枚組べスト、デヴィッド・シルヴィアンのエヴリシング&ナッシングである。
今日はヘルマンヘッセの「ペーターカーメンチント」をめくって過ごしたい。
2月3月も終わりである。ご馳走食べてノンアルコールでも飲んで明るく春を迎えたい。
ハウ・ダズ・イット・フィール?… ライク・ア・ローリング・ストーン!
久々に忘れかけてた音楽を風に流して春を乗り切る

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