超人日記・俳句

俳句を中心に、短歌や随筆も登場します。

#俳句・川柳ブログ 

日々の随筆・「少年時代」の背景

2024-09-21 00:03:12 | 無題
私の俳句を多少読んだ人なら察しが付くと思うが、
私は井上陽水の『少年時代』の世界が好きだ。
有名な、コレである。
「夏が過ぎ 風あざみ 誰のあこがれにさまよう
 青空に残された 私の心は夏模様」
この曲が出たときは、「風あざみ」という言葉はない
でしょう、とか、「宵かがり」という語はないでしょう
と随分話題になったものだ。陽水の選んでいる言葉が、
俳句の季語に近いのはひと目で分かる。
陽水が、歳時記片手に自分流にアレンジして作詞したのは疑えない。

この曲は、藤子不二雄Ⓐ(本名 我孫子素雄)氏の自伝的映画、
『少年時代』の主題歌で、
藤子不二雄Ⓐさんの『まんが道』のような映画の、テーマ
である。我孫子素雄さんが藤本弘さん(藤子・F・不二雄)と
富山県の少年時代を漫画家を目指しつつ過ごし、椎名町のトキワ荘
で若き漫画家と切磋琢磨する様子は、『まんが道』に詳しい。
この映画は残念ながら見ていないが、少年、我孫子が
列車で泣きながら手を振るエンディングの映像が、
陽水の曲の放映のため流れて、印象的である。
私は一時期、椎名町の近くに住んでいたので、
トキワ荘の周りはよく知っている。
「夏まつり 宵かがり 胸のたかなりにあわせて
 八月は夢花火 私の心は夏模様」
俳句がいくつも作れそうな、陽水屈指の名曲である。
陽水の造語も含めて、見事な歌詞世界である。

印象の数珠を自在に組み合わせ少年時代の夢を呼び出す
コメント
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