超人日記・俳句

俳句を中心に、短歌や随筆も登場します。

#俳句・川柳ブログ 

ヘブラーのピアノ他を味わう

2019-03-17 09:15:17 | 無題
この数日、イングリット・ヘブラーの晩年のモーツァルト・ピアノソナタ全集を何度も聞く。ヘブラーの良さがわかってきた。タッチが柔らかく、割と折り目正しく、速い曲はテンポよく、遅い曲は味わい深く弾く。思ったより、全体としては遅くない。アラウ爺さんと比べてみると、アラウは一音一音噛みしめるようにゆっくりと瞑想的に弾く。ヘブラーはリリカルだが可憐なところがあり、低音が弱い。割とさらりと弾く。その他最近のピアニストの廉価盤、ジャン・ミュラーのベートーヴェンのピアノソナタ・ライブ全集も聞く。ジャン・ミュラー、草食系で、親しみ易く、身軽な演奏で、心がこもっていて好演奏だった。拍手が入っているのもいいが、拍手もあっさりめ。渋谷のレコファンからナクソス社のワルター編曲四手のピアノ版マーラー復活届く。ピアノ版なのに78分もある。こんなに長いピアノ曲もそうそうない。78分間、手に汗握る迫力の充実演奏。復活の最期にちゃんと高揚して終わるから不思議。マーラーのピアノ版、いろいろ集めているが、4番5番8番、9番は見かけない。復活のピアノ版は小規模コーラス付きも感動だった。今はデッカのコレクターズ・エディションの、イングリット・ヘブラー演奏のシューベルト・ピアノソナタと即興曲と楽興の時の7枚組CDを聞いている。これもタッチが柔らかく、中庸のテンポで丁寧に弾いていて心地よい。数か月分のCDを東京のディスクユニオンめぐりとその拾遺(買えなかったのをそろえる)で買い尽くしてしまった。持っているCDを何度も聞いて、演奏の深みに繰り返し触れたい。
ゆったりと時間の奥に連れてゆくピアノソナタの指に漂う

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田園に死すを見る

2019-03-15 16:00:26 | 無題
 久しぶりにDVDで「田園に死す」を見る。墓地でかくれんぼしている情景で始まる。かくれんぼの鬼は子どものままなのに、気づくと隠れていた子は大人になっている。恐山の風景。白い風車が寂しく回る。学生服の少年が主人公。テーマは、ずばり、母とのしがらみ。柱時計は家の象徴。腕時計は自立の象徴。恐山のイタコに降りた父親に遭いに行く。春になったら母ちゃん捨てて家出しようと思ってるんだ、とイタコに言う。近所の若い人妻(八千草薫)に横恋慕している。見世物の情景。犬神サーカス。空気を入れてもらって恍惚とする空気女がサーカスのテントにいる。家族の柱時計で時間を共有するのを止め、一人で一つ時計を持つことへの憧れ。喪服の老女の群れは村社会の象徴。舞踏の挿入が随所にある。人妻と汽車に乗って駆け落ちをする約束をする。先祖の遺影を磨く女たち。家や母から逃げて少年は駆け落ちする。場面代わって、それまでのシーンは映画のフィルムのなかの話だったことになる。70年代の監督兼作家の日常。「私の少年時代は、私の嘘だったのだ」また昔の田園風景。藁人形、恐山の地蔵。村社会の暗部。赤子の間引き。待ち合わせた人妻は来ない。人妻は原田芳雄と不倫している。少年時代の私と大人の私が会う。恐山で心中していた人妻と原田芳雄。河に赤子を流す間引きの場面。母を亡き者にせよと今の私が少年の私に言う。少年は未亡人にお寺でおかされる。母と再会する現在の私。母と二人でちゃぶ台で食事をしていると、壁が外れてそれは現代の新宿のど真ん中。完。家出のすすめと田園に死すを結ぶ、家からの自立の葛藤。短歌の世界を映像で幻想的に絵にしている。傑作である。

戻らない少年時代を書き替えて私の嘘が墓石になる

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スリープモードで暮らす

2019-03-13 13:05:26 | 無題
昨日、羽田から帰宅した。愉しいことがいっぱいあり忘れられない数日だった。帰るとメールが山ほど来ていて、仕事関係で急ぎのメールには返事をした。旅日記はブログに詳しく書いたので、手書きの日記には数行程度書く。ディスクユニオンで買えなかったCDを検索する。安いものに限って注文する。コンドラシンのダンテのブラームス全集、迫力ある。
今日は日記に書いてあった観劇の感想をノートに書き写して整理する。ストコフスキー・コロンビア録音全集からブラームス2番、シベリウス1番、カルメンとアルルの女を聞いたところ。初ストコ節。サービス精神満載のショウマンシップで楽しめる。
数日は旅の疲れを癒しつつ、リハビリする予定。神話論も終えたので、3月後半は少しスローダウンして、鋭気を養いたい。
校正の他は、寺山修司の本やヘッセ関係の本を読んで、今後のことをゆっくり考えたい。と言っても、いろいろ用事が入るのがこの世の定め。この限りない疲労感、明日も続くのか(笑)。ガブリエルの『世界はなぜ存在しないのか』を春以降に読むことにした。今話題の哲学者。欲しいものリストに入れて買えない本がたくさんある。数日間で急激に路面の雪が消えていた。かなり気温が上がっていた模様。すべてが丸く収まりますように。
カラフルな夢に出てくる友だちを胸に刻んで隠れて生きる

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新宿でディープなときを味わう

2019-03-12 01:51:56 | 無題
2時にクラ友と新宿紀伊国屋書店本店で待ち合わせる。紀伊国屋九階のディスクユニオンクラシック館に一緒に行き、クラヲタトークをしながらリストアップして来たCDを探して歩く、憧れの買い物をする。さすがにディスクユニオンは高い確率で探しているCDが見つかる。久しぶりに帰京すると楽しくて仕方がない。入るとすぐに私の欲しがっていたヴェーグ四重奏団のベートーヴェン全集を奇跡的にK島君が見つけてくれた。彼が買ったのはフォーレのCD、バーンスタインのハイドンの交響曲のCD 、シフのモーツアルトピアノソナタ全集とバッハ作品集、内田光子のシューベルト作品集、リリークラウスのモーツァルトピアノソナタ全集である。私はヴェーグ四重奏団のナイーヴのベートーヴェン全集とイングリット・ヘブラーのモーツアルト晩年のソナタ全集を選ぶ。コメダ珈琲が混んでいるので、ダグの地下でコーヒーを飲んで話す。マイルス・デイヴィスの写真の近くに座る。このまま視力が落ちるとCD聴く位かな。自分の話を録音した後でテープ起こしをするのもありかもしれない。ポミエのピアノソナタとかバーンスタインの1回目のマーラー全集とかボールト名曲集とかハンガリー四重奏団は諦めたと言っていた。あんなにディスクがあると選び切れない。もともと安いし色別割引でさらに安い。ワーグナーの話をしていたらワルキューレにそっくりな前奏のジャズがかかった。こういう偶然は嫌いじゃない。だけどある種の神秘主義は受け付けない。その辺の区別が微妙だな。道化と進化と間違えている人がいる話は受けていた。皆仕事にまつわる話を勢いよく話すが私はそれほどでもない。洋楽を聴きながら本を読んだり作文をしたりできない。中途半端に歌詞が混入して混乱する。それでも聞くのは昼休みのビーチボーイズか。デリダやハイデガーやラカンでは他人とわかりあえないけど解決の糸口は他人と共鳴する転移と逆転移と言うのは、発想としては面白いけど、実際どうなんだろうね。許光俊が権威になっちゃうと面白くないのは確かにそうだ。文春新書のクラシックCDの名盤シリーズでは、中野雄さんが一番公平な選曲をする。私は映画を見てもメモリたくなるから力が入って疲れる。クーベリックのアウディーテのマーラーライブは安く買えるのか。ちょくちょく行ってみよう。イーヴナットのメンブランの14枚組もひかれた。ブロムシュテットの第九ライブは音量レベルが小さすぎた。エリアーデの一般的な評価をコピーして持ってきた。何かの参考にしてほしい。今回買えなかったのはコンドラシンの日本版マーラー選集、イタリア四重奏団の全集などである。映画の好みで人格がある程度ばれるのはあるかもしれない。リヒテルとかは曲に自分のイメージをいっぱい託している。昔の音楽家はそうかもしれない。政治的に正しいと言うルールを芸術の世界にまで当てはめるのは無理がある。監視カメラを受け入れるか反発するかで世代が分かれる。8ミリカメラを中古カメラ屋で買って今映画をとっている人は相当マニアだなどと話す。めちゃくちゃ楽しかった。
6時に違う友人と待ち合わせて、海森2に行く。ラフテー、フーチャンプルー、ゴーヤチャンプルー、ミミガーを食べる。オリオンビールを飲む。ディープなライブをディープな所でやるようになった。スマイルもグッドバイブレーションもブライアンウィルソンとあの時代は確かに面白い。パソコンとスマホが勝手に同期してしまうのか、どうにかしろよ。恐怖劇場アンバランスは木乃伊の恋とか、サラリーマンの勲章とかがものすごくよくできている。マジンガーZのピグマン伯爵というのがすごい造形だ。そういう話に詳しい人と話し出すと止まらない仲になった。ミュージシャンが他人の曲をYouTubeに編集して流すのはやめて欲しい。インプロやアレンジで年々進歩している。過去の積み重ねだ。マイナスの要素も含めて人格の個性とはよく言った、と話す。
またすぐ会えるよ、と言って、握手して帰る。良い再会だった。
そろそろ、旅日記も終わり。

新宿でディープなときを過ごしたら銀の翼で北へまた立つ

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ヴェネチア料理店で談笑

2019-03-11 08:05:16 | 無題
9時16分、ホテルの前からバスに乗り多磨駅に着いて徒歩13分で菩提寺に到着。30分後に兄一家が来て、お供物や卒塔婆代を渡し、本堂で父の七回忌の法要。般若心経と観音経を聞き、焼香して墓前に手を合わせ、タクシーでお蕎麦やさんで兄一家と天ざる食べて話す。お互いの近況、甥や姪の様子を聞き、しばし歓談。甥は速読家で佐藤雅彦の本を1頁2.3秒で読んでいた。実家の近くの小母さんの家でお茶を頂き、4時12分のバスで駅まで出てレトロな京王線で新宿に行き、京王フレンテのイルバカーロというヴェネチア料理店で院の同窓会!
K野さんにチェリビダッケの半海賊盤の熱血気合いブラームスライブ全集を渡し、K島くんにアボットハンダーソンセイヤーの絵の天使の描いてあるブロムシュテットの白熱第九ライブを渡して、この絵は自分のアニマのイメージだと話す。MさきさんはMちゃんと池袋のパソコン店でタブレット端末を探してから来たからパソコンの絵を描くソフトの話でK野さんと盛り上がっていた。クリップスタジオやフォトショップやイラレやトラックパッドを熱く語っていた。K野さんはタッチパネルに指で絵を手描きするという。K藤さんとMさきさんは最近の若者の生態を話す。カラオケに行ったらビートルズが邦楽扱いだったと聞き、僕は抱きしめた〜いとか日本語で歌ったりして、と笑う。韓国のダイソーは軍用缶詰めのレプリカが冗談て売っていたりして面白いと聞き、ネイルニッパーの珍しいのを頂く。ホーボーの姿焼きと豚のねじまき焼きや魚介の前菜やイカ墨リゾットとトマトパスタを食べて談笑。イラストの話と教育や出版の話が多い。承認欲求はどこまでセーフなの?と日頃の疑問を話す。報酬系が刺激されなくて寂しい時があると話す。各自2600円を払って、喫茶らんぶるという懐かしの店で珈琲飲んでクラヲタトーク話す。コスプレって昭和からあったの?と聞く。K藤さんと古本の話で盛り上がる。K野さんは連休にペルーに個人研究に行くという。アクティブ。Mちゃんが私たちは余生感覚があるとまたいうので、京都学派みたいに人生はこれから始まると力説する。院のみなさまにひさびさに会えて良かった。10時半解散して12時過ぎに小田急で帰る。充実感あり。

若き日に夢を語った友だちの熱い瞳がまたも輝く

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